(写真=fizkes/Shutterstock.com)

【連載】「マネー相談は人生相談。女性FPたちのホンネ日誌」

#19 音信不通の妹も保険金受取人に。「どうして半分ずつなの?」

佐々木愛子のつぶやき【前編】

あまり表に出ることのないファイナンシャル・プランナー(FP)という職業の女性たちに、普段どんな相談を受けているのかリレー日誌形式でつづってもらう連載。FP佐々木さんのもとを訪れたのは、介護状態の父親の面倒をみる、中年独身女性でした。お金の相談をひもとくと、さまざまな人生の一端を垣間見ることができます。

父が要介護状態になった中年女性からの相談

お金の相談を受けるということは、さまざまな人生の一端に触れることだと思います。

もう何年も前の話になりますが、印象深い一件がありました。FPの資格を取ったばかりの頃です。

「一日でも早く、父が契約者となっている保険証券の保全手続きを行って欲しい」

筆者に40代後半の女性顧客からこのようなご相談がありました。

お父様は数年前事故に遭われ、要介護状態に近い状態。筆者に連絡が入ったのは書類に字を書くのもやっとのタイミングです。

問題となったのは2つの養老保険

この時の「保険証券の保全手続き」とは具体的にどんな手続きかというと、被保険者が身体的な事情によって給付金請求や受け取り等を行えないとき、家族の方など、特定の人が代わりに保険会社へ請求を行う事を予め指定する特約を付ける、手続きでした。

「指定代理人特約付加」といって、ご高齢の場合、年齢の近い配偶者に指定せず、子供を代理人や受取人にすることは珍しくありません。

このご家族の場合もそうで、該当の証券に関しては、お父様の意思を確認し、相談者の女性(娘)に変更や付加の手続きを行いました。

ここまでは特に何も問題は起きなかったのですが、問題となったのは、2つの養老保険でした。

その場に姿のない「もう一人の娘」

他に保有の保険証券について、同じように必要があれば名義変更などの手続きを行うことを助言しましたところ、今はあまり見ることのない養老保険を2つお持ちでした。

契約者は父親、被保険者と満期金受取人は「娘2人」となっていました。

筆者は思わず「妹さんがいらっしゃるのですか?」と、その場に姿のない、「もう一人の娘」についてお聞きしました。

その瞬間、相談者の顔が曇ります。

「お父さんが娘二人の花嫁衣裳代に、って、昔からコツコツ積み立ててきたの」。お母様が相談者の横で、加入の経緯を伝えていました。

2人の娘それぞれを保険金受取人に

聞けば「もう一人の娘」は何年も前に、恋仲になった男性と一緒になる為に家を出て、正月も盆も帰ってこず、父親が今の身体状態になっていることを伝えても、一向に実家には帰ってこないとのこと。

現在、高齢の両親を支えているのが今回のご相談者(長女)。手伝いどころか顔も出さず、感謝の言葉もない妹に、相談者はとても腹を立てている様子でした。

筆者は、契約者である父親の身体状況を鑑みて、2つの養老保険の「契約者及び死亡保険受取人の名義変更」を助言したのですが、結果として、契約者であるお父様は、2人の娘それぞれを保険金受取人にされました。

妹から思いもよらない連絡

その後、音信不通だった妹さんから筆者のもとに思いもよらない連絡が入りました。(後編に続く)

【これまでの相談事例は こちらから】

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