長嶋さん(左)に不動産投資の最新事情をインタビューする筆者(写真=筆者撮影)

【連載】「女性が住まいに「投資」をするということ」

#01 上澄み15%を狙え!「投資マインド」を持って不動産と向き合う

不動産コンサルタントの長嶋修さんにお話をうかがいました。

皆さんは不動産投資に興味がありますか?「金額も大きいし、手が出にくいな〜」と思っている方へ。実は不動産は誰にとっても、投資マインドが必須な分野かもしれません。

なぜなら、たとえ投資に興味がない人でも、住宅ローンや賃貸の家賃を支払っていますよね。意識せずとも、誰もが不動産に「投資」しているのです。

そのことを私が意識し始めたのが住宅購入のとき。実は私がマンションを購入したのは、リーマンショックの直前でした。

もちろん購入した新居の価格は急降下し、悲しかったです。結局その後私のマンションの価格は持ち直したのですが……。当時の価格のあまりの暴落ぶりに「どんな人でも不動産投資のマインドだけは、持っておくべき」だと思ったのです。

しかも今回の取材でうかがったところでは、これからの不動産投資においては、今まで以上に勝ち組と負け組の格差が激しくなってくるそう。

そこでこの連載では不動産コンサルタントの長嶋修さんに、「女性が住まいに“投資”をするということ」についてお話をうかがっていきます。

今後、ほとんどの不動産の価値は下落し続ける?

――不動産価格は市場に大きく左右されると実感しているのですが、今の不動産市場はどのような状況なのでしょうか。

2017年3月22日に国土交通省が毎年の地価の水準を示す「地価公示価格」が発表されました。それによると、商業地も住宅地も価格が下げ止まったという内容です。

――では、今は不動産投資の好機なのでしょうか?

ところがそうではなくて、すでに不動産市場は“3極化”が完成しているということなんです。

――3極化とは、どういう意味でしょう。

上位約15%の部分は価値が今後も維持されたり、あるいは上昇する可能性すらあるもの。でも大半になる約70%は、これから20、30年かけてダラダラ2%とか3%位ずつ価値が下がって、最終的には半値位になります。

さらに下位15%はほとんど無価値だったり、さらには建物の取り壊し費用を売り主が出さなければならないマイナス価値のものです。こういったマイナス価値物件は、地方では当たり前のように存在します。人口が減り、地方では過疎化が進んでいますから、当然の状況ですよね。

不動産投資をするなら、上澄み15%を狙え!

――この連載のコンセプトが「投資マインドを持って不動産と付き合うことで、得をしよう!」というものなんです。ほとんどの不動産の価値が下がってしまうとなると、連載の前提自体が危うくなってしまいますが……。

上位15%の物件を買えばよいんです。逆にいえば、今後価値が上がりそうな物件は15%しかないのですから、不動産投資の心得がある人は、その上澄みに集中しますね。そういった不動産は今後も価値維持ないしは値上がりしてしまうので、買えるなら早く買っておいた方がよいですよ。

――なるほど。不動産価格が下げ止まったように見えるのは、価格が上がっている物件も下がっている物件もあって、プラスマイナスで動きがないように見えるからですものね。言い換えれば、今後不動産で得するか損するかは“目利き次第”ということになるでしょうか。

その通り。今後物件ごとの価格差はどんどん開いていきますから。

将来有望物件を見分けるポイントは?

ーーでは、どんな物件なら価値が上がるのでしょうか?

やっぱり立地は重要ですね。図を見てください。政権交代時を100とした時の、都心3区(千代田区、中央区、港区)の価格水準推移です。

imageTitle 提供:さくら事務所

――確かに大きく値上がりしています。でも千代田区、中央区、港区あたりは、不動産価格が高そうですね。やはり上位15%しか価値を維持できないとなると、相当な資金力がないと、よい物件は買えないのでしょうか?

そうとも限りません。確かに都心の一等地なら資産価値の点では安心ですが、都心でなくても、その地域のハブとなる街ならよいのではないでしょうか。あとは駅から7分以内の駅近物件であることですね。

――郊外や地方でも狙い目の地域はあるのですね。

人口が減るとはいえ、首都圏以外の場所から人がいなくなるわけではないですから。ただし郊外の場合は、自治体が進める“都市を縮める政策”を気にしないといけません。

コンパクトシティ化誘導政策といって、生活に必要な機能や行政サービスを行う範囲を限定するものです。アメリカのポートランドなど、海外では先行して行われている政策ですが、日本でも今後コンパクトシティ化を目指す自治体が増えるでしょう。コンパクトシティ化が決定すると、将来的に都市の境界線の外側は不便になりますから、当然不動産価格は落ちます。

――なるほど。今は便利に感じる地域でも、政策によって価値が変わってしまうことも有り得るのですね。有望な物件を探すには、さまざまな要素を検討する必要がありそうです。次回以降、引き続き詳しく教えてください。(連載:女性が住まいに「投資」するということ #02に続く)

今回、お話をうかがったのは……

画像縮小 (写真=筆者撮影)

長嶋 修 さん
さくら事務所創業者・不動産コンサルタント。不動産デベロッパーで支店長を務めた後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、「不動産の達人 株式会社さくら事務所」を設立。現会長。また、住宅の安全性を測るホームインスペクション(住宅診断)の分野では、そのパイオニアとして、「NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会」を設立するなどして、普及・発展に務めている。著書に『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)他、多数。

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