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「ゆるく働きたい」が6割。正社員でも「バリバリ働きたい」は半数未満
正社員3割、睡眠6時間未満。自分らしい働き方できてますか?
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、日本FP協会)が、20〜50代の働く女性1200人を対象に実施した「くらしとお金に関する調査」では、働く女性たちのホンネがしっかりとその結果に現れていました。前回に引き続き、働く女性の仕事や暮らしに関する意識、そして実態を、女性たちの回答から見ていきましょう。 (参照:日本 FP 協会 調べ「働く女性のくらしとお金に関する調査2017)
「正社員」は働く女性の3割
働く女性たちのうち、今、正社員どれだけいるかご存じですか? アンケート回答者のうち、「正規社員・職員」と答えたのは3割ほどでした。一方、アルバイトやパート、派遣や契約社員が6割にも上り、「雇われない働き方」をしている人は1割を下回っています。役員(経営者・理事・監事など)はわずか0.4%という結果に。
・正規社員・職員…30.7% ・派遣・契約…15.1% ・バイト・パート…47.8% ・事業主(自営業・個人事業主など)…4.3% ・専門職(医師、弁護士、会計士など)…1.8% ・役員(経営者・理事・監事など)…0.4%
また、雇われて働く女性の中でも、短時間勤務をしている人が44.2%と半数近くいるのも、時代を反映していると言えそうです。年代別では、年代が上がるにつれて、短時間勤務者が増えるという結果でした。
睡眠時間は平均5.8時間
仕事がある日の睡眠時間はどうでしょうか。
・3時間以下…1.0% ・3〜4時間…4.1% ・4〜5時間…17.8% ・5〜6時間…35.8% ・6〜7時間…27.9% ・7〜8時間…10.7% ・8〜9時間…2.1% ・9時間超…0.8% 平均:5.8時間
35.8%の女性が5~6時間と回答しています。日本人サラリーマンの睡眠時間は世界的に見ても短いとされていますが、それは働く女性も同じこと。2番目に多かった6~7時間が27.9%ですから、5〜7時間の人が6割ということになります。
ちなみに、仕事がある日の帰宅時間は、フルタイム勤務者は18〜19時が特に多く、18時(27.5%)、19時(26.4%)となっています。20時も16.8%と多めで、18〜20時に帰る人が7割を占めるようです。帰宅が21時以降になる人は18.2%でした。
一方、短時間勤務をしている人は、16時(23.0%)、17時(16.1%)、18時(16.5%)となっており、16〜18時に帰宅する人が8割いることがわかります。
残業時間に関する質問では、時間外労働をすることがある人の平均時間外労働時間が16時間で、月に10時間を超える残業をしている女性はおよそ4人に1人、正社員ではおよそ3人に1人に上ります。また、正社員で主任クラス以上の役職に就いている女性に限っては、半数を超えるという結果です。
責任が増すと残業も増えてしまうのかもしれません。
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女性たちのホンネ「ゆるく働きたい」
これまで、女性たちの働き方や生活時間についてのデータを見てきましたが、ここで、女性たちのホンネにも耳を傾けてみましょう。「働くことについての意識」について、より当てはまるのかはどちらかを尋ねた質問では、このような結果となりました。
・外に出て働いていたい=65% ・家庭のことに注力していたい=35% --------------------------------- ・働くなら、バリバリ働きたい=35.2% ・働くなら、ゆるく働きたい=64.8% --------------------------------- ・自分らしい働き方ができている=63.3% ・自分に合っていない働き方をしている=36.8%
今回の調査対象者は全員、職に就いている女性です。それなのに35%もの人が「家庭のことに注力していたい」のほうがより近いと考えていることに、筆者は驚きました。
正社員でも「バリバリ働きたい」は半数未満
働いているけれど本当は家庭で家族を支えたい、イコール積極的に働きたいわけではない、と3人に1人は思っているのです。
また「バリバリと働きたい/ゆるく働きたいの」2択では、職に就いている3人に2人は、家計の足しになる程度にゆるく働ければいいという回答を選んでいます。これは雇用形態によっても変わりますが、正社員だけで見た場合でも「働くならバリバリ働きたい」と思っているのは半数未満という結果でした。
6割は「自分らしい働き方ができている」
「自分らしい働き方」に関する2択では、40%近くは「自分に合っていない働き方をしている」と感じています。
5人中2人は不満を抱えたまま働いているという数字は、ちょうど、働きながらも本当は「家庭のことに注力していたい」と思っている女性の割合に非常に近く、回答者が重なっているのかもしれません。
ただ、「自分らしい働き方ができている」と感じている女性は6割と、半数以上いるということもわかっています。男性に同じ質問をしたらどうなるのか、ちょっと気になりますね。
次回は、出産よりも高リスク!「夫が転勤したら会社を辞める」が女性の7割をお届けします。