(写真=筆者撮影)

「私が紹介すると高確率でなくなるんですよ」桐谷さん語る、優待投資のポイント

株主優待フェア2017リポート①

化粧品、買い物券、エステの割引券。「お得感」があってうれしい「株主優待」が今、ひそかにブームになっています。

でも、やっぱり初心者にはハードルが高いかも……。

というわけで、今回は東京証券取引所で開催された「株主優待フェア2017」(3月5日〜3月24日、土日祝日休業)を訪問。

フェア初日に行われた2017年3月5日の特別講演会から、「優待おじさん」こと元将棋棋士の桐谷広人さん、そして元衆院議員で個人投資家でもある杉村太蔵さんの講演会、そしてお二人と女性のための金融コミュニティ「きんゆう女子。」のトークセッションを3回シリーズでお届けします!

株主優待の魅力、株式投資をするときの注意点などを楽しく学ぶことができました。

【株主優待フェア2017リポートはこちらから】
桐谷さんの講演リポート
杉村さんの講演リポート
きんゆう女子。×桐谷広人さん×杉村太蔵さんのパネルディスカッション

※記事の情報は全て2017年3月5日時点のものです
※企業名には株式投資トレーニングツール「ANDS NOTE」へのリンクが貼ってあります。気になった企業は「買い注文」して、株価の動きを体験してみましょう!

ANDS NOTE(アンズノート)とは?

「優待コーデ」で登場した桐谷さん

スタートは桐谷さんの講演から。当日は、会場いっぱいの約250人の参加者が集まりました。注目の高さが伺えます。

桐谷さんは日本テレビ系バラエティ『月曜から夜ふかし』にも出演し、優待券を使うために各地を自転車で走り回る様子が話題となっているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

この日も、頭の先からつま先まですべて優待でゲットした「優待コーデ」で登場してくれました。

桐谷広人さん,画像縮小 (写真=筆者撮影)

株主優待は、企業からのプレゼント

桐谷さんはまず「株主優待とは何か」を説明してくれました。

「株主優待とは、上場している企業が株主に対してくださるプレゼントなんです。配当の他に、優待品が年に1回か2回送られてくる制度のことを株主優待制度といいます」(以下、かっこ内は全て桐谷さん談)

優待品の内容は企業によって様々で、QUOカードを送る企業もあるそうです。

「株主優待制度は日本独自の制度で、近年非常に発展してきています。現在、上場している会社の38%(1350社程度)が株主優待制度を導入しています。また、株主優待をやっているとは明記していないけども、実際は優待制度を取り入れている『隠れ優待』といわれる会社も数十社あるんですよ」

「株主優待」=「農業」?

桐谷さんによると、株式投資をする人には、株の値上がりを狙うタイプと、優待や配当などを目当てにするタイプの2種類がいるそうです。

「言ってみれば、優待を狙うのは『農耕民族型』、値上がりを狙うのは『狩猟民族型』です。値上がりを追求した『狩猟民族型』は、狩りを行う時のように、上手くいけば利益を得ますが、失敗すると大損をしてしまいます。ところが、『農耕民族型』は定期的に収穫が得られるので、大きく失敗することもないですけど、大きく損をすることも少ないわけですね」

桐谷さんによると、配当金と優待品を合わせて10%を超える利回りになる企業もあるそうです。

桐谷広人さん (写真=筆者撮影)

株主優待に投資する際のポイントと注意点

基本的には配当と株主優待を合わせて利回り4%以上のもの買うようにしている、と桐谷さん。

「どのように情報収集するかというと、実際に優待をやってる人のブログを見て参考にしたりします。また、『東証適時開示情報』というサイトがあるんですが、検索窓に『優待』と入力して、優待にまつわる情報がないか、毎日チェックしています。良い優待が新設されると株価が上がることが多いので、優待の情報は早く見つけるほど良いんです」

ただし、「良い優待」にも注意点があると言います。

「実は利回りが良すぎる優待株は、特に中小企業において、株主が増えすぎたために優待を減らしたり、廃止したりする場合があるんです。私がテレビで紹介する企業の株主優待は、その後人気が出すぎるので、高確率で無くなってしまうんですよ(笑)。そこがちょっと悲しいところですね」

株主優待制度を上手に使った企業の例

投資をする私たちにとってはうれしい株主優待ですが、実は企業にとってもうれしいのだとか。

これまで、優待を上手に使った企業の事例について、桐谷さんが紹介してくれました。

(1) 「株主を増やし、株価を上げる」カゴメの場合

カゴメは2001年8月、株主を10倍にすることを目標に株主優待を始めました。

個人投資家が買いやすいように、それまで1000株で1単位だったのを100株1単位にし、優待株の利回りは配当と優待を合わせて約3%で始めました。これは、当時では利回りの良い株主優待だったそうです。

そして、2000年12月に約4000名だった株主が、1年後には2倍の約8000名になりました。

そのほか、試食や試飲を兼ねた懇親会や工場見学、料理教室などを精力的に行っていきます。

2015年には、ついに株主が約30万人になしました。株価は、株主優待を始めた頃から約3倍になっています」

カゴメの株価情報をチェックする

(2) 「危機を救われた」 日本マクドナルドの場合

日本マクドナルドホールディングスは以前、中国産の腐った牛肉の使用の疑いや、異物混入など不祥事が相次いで発覚し、何百億という大赤字になった時がありました。しかし、株価については大きく下落しませんでした。

実は、優待が欲しい株主は、簡単に株式売却はせず、そしてさらに、株価が下がってきたために、新たに優待目当てで株を買う人が増えたそうです。

このように、株主優待をしていることで、業績が下がった時にも助けられることがあるんですね」

日本マクドナルドホールディングスの株価情報をチェックする

(3) 「企業の味方を増やす」オリックスの場合

オリックスでは以前、外国人投資家の比率が増えてきたということがあったそうです。外国人投資家はきつい要求をしてくることが多く、逆に日本人の個人投資家の約9割は、大きな不祥事がない限りは会社提案に賛成してくれるのだとか。

そこで、日本人の株主の比率を上げるために始めたのが、ふるさと納税をもじった『ふるさと優待』です。当時、約4万人だった株主がこの発表によって9万人に増えたそうです。さらに、2016年の始めごろ、『3年以上保持していると優待を倍にする』と発表、最大で利回り10%を超えるとても太っ腹な株主優待で、株主はなんと約18万人に増えました。

このように、株主優待は『企業の味方を増やす』という面においても、効果的ということですね」

オリックスの株価情報をチェックする

株主優待で日本経済に貢献しよう

株をやるなら「優待株の分散投資」が一番良い、と桐谷さんは語ります。

「今は、5万円ぐらいから株主優待できるところが100社ぐらいあります。もし、資金が約20万程度あれば、その中から5社くらい選ぶことができますよね。複数社の株を持っていれば、リスクを減らすことができるので、良い株式投資と言えるのではないでしょうか。

今はタンス預金をしている人が多いですが、優待目当てでも、企業の株を買うことで経済に貢献していると言えます。優待をいただくことによって、自分のお金を有効に使って、会社のためにもなって、日本経済にも貢献する。そのように、皆さんにも株主優待を楽しんで欲しいと思います」

桐谷さんによると、2017年になって32社が株主優待の新設を発表しているそうで、優待品の内訳は以下の通りです。

・QUOカード(32社中19社が優待品として導入)
・自社製品
・カタログギフト
・宿泊割引券
・電子書籍
・高級メロン

自分・企業・日本経済、三方良しの株主優待、ちょっとでも興味ある人はチェックしてみてはいかがでしょうか?

次回は杉村さんのトークを紹介!

次回は、杉村太蔵さんのトークをお届けします。桐谷さんとは違って「狩猟民族型」の投資をしているという杉村さんですが、その手法は一体どのようなものなのでしょうか!?(杉村さんの講演リポートに続く)

imageTitle DAILY ANDSのゆるキャラ「あんずちゃん」と記念撮影する桐谷さん、杉村さん(写真=筆者撮影)

【この記事に出てきた銘柄一覧】
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【株主優待フェア2017リポートはこちらから】
桐谷さんの講演リポート
杉村さんの講演リポート
きんゆう女子。×桐谷広人さん×杉村太蔵さんのパネルディスカッション

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