(イラスト=夜街マリィ )

もっとお金を使いましょう。年収300万-500万円の落とし穴【アラサーと投資③】

今どきの働く女性によくある「お金の問題」とは?

アラサーの働く女性(独身)を「年収300万円未満」「年収300万-500万円」「年収500万円」の3区分に分けて、家計の特徴と、彼女たちへの資産運用アドバイスを聞くインタビューの3回目。今回のターゲットは、「年収300万円〜500万円」です。

これまで1000人以上の女性のマネー相談に乗ってきた、人気女性ファイナンシャル・プランナー(FP)の高山一恵さんは、この年収層について「アラサー独身女性で今、一番のボリュームゾーンですね」と言います。

老後が不安です、と言って相談に来るのもこの年収層が一番多いのだとか。さて、その実態は……?

【アラサーと投資、シリーズの記事はこちらから】
FXにハマりやすい!年収300万円未満の資産運用とは【アラサーと投資①】
株が上達しやすい!?年収500万円超の資産運用とは【アラサーと投資②】
もっとお金を使いましょう。年収300万-500万円の落とし穴【アラサーと投資③】
・【アラサーと投資④】coming soon

たくさん貯めてもまだ不安な女性たち

くすい:年収300万〜500万円の女性ってどうですか?

高山:そうですね〜。比較的手堅くやっている人が多い印象ですね。将来に、すごく不安ですっていうのもちょうどこのゾーンです。

くすい:一時期よく聞きましたね、「老後貧困」とか「貧困女子」とか。

高山:この年収層が相談に来るキッカケは老後不安ですね。この層の女性に関しては、毎月コツコツ投資できる積み立て投資信託(☆)のアドバイスをしています。ただ、この層はどうしてもリスクのある投資は嫌だっていう人も多いから、そういう人は貯蓄型の保険をおすすめするときもあります。「保険」って言うと、身近に感じられるのか、やる人、多いのよね〜。でも、中身は外貨建てだよ?って私は思うんだけど……。「それでも、やります!」っていう人が多いです。でも、何もやらないよりはやった方がいいかなと思います。

☆投資信託(ファンド)とは?
資産運用の専門家が株や債券などを取りまとめて運用してくれる金融商品のこと。ひとたび資金を預ければ、その道のプロが経済動向や個別の企業についての情報収集をし、タイミングを図って売買してくれる。(参考:5分でわかる! 積立投資信託のアウトライン

くすい:(投資信託や保険は)月々いくらぐらいやるものなんですか?

高山:人それぞれですが、3万円くらいの金額をやる人が多いですね。一般的に貯蓄の金額として、手取り金額の1〜2割が目安になります。このゾーンは月の手取り額が20万~30万なので、2万円から6万円ぐらい。多い人だと6万円くらい全然できちゃう人もいます。中には月額の手取り30万円のうち、15万円積み立てられる人もいますよ。

くすい:貯金めっちゃあるんですね……。

高山:ある人はあるし、ない人はないんですよ。

くすい:今お話ししているのはアラサー世代なので、貯金は1000万円ぐらいある人も珍しくないってことですか?

高山:そうですね。そういえば、この間、35歳で3000万円貯めているという女性がいました。

くすい:えっ!老後資金もう貯まってるじゃないですか!

高山:その代わり、話を聞いていると全然人付き合いがなさそうでした……。

くすい:そういう人にはどういうアドバイスをするんですか?

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高山:逆に「お金をもっと使いましょう」って言っていますよ。結局、「資産」ってお金だけじゃなく、人脈の資産もあるじゃないですか。

くすい:確かに。

高山:いま、わりと将来を不安に思っている女性が多いんですが、そういう人に限ってお金を使っていないケースが多い印象があります。

くすい:「お金を使いなさい」というのは自己投資ってことですか?

高山:そうです。これからは「長生き時代」、つまり老後も働かなきゃいけない時代が到来します。なので、スキルの再投資とかした方がいいよって言っています。あとは、資格だったり、人脈だったり。お金を貯め込んでいる女性って、あんまり人と交流しない子が多いから、もっと交流を広げて知識を吸収したり交友を深めたりした方がいいんじゃないかと思います。

くすい:確かに……。勝手なイメージですが、貯金がたくさんある人って、お酒飲まなさそうだし、外食もしなさそうです。「ぜいたくは敵」って思っていそうです(偏見かもしれませんが……)。

高山:あとは、「お弁当女子」も多いですよ。でも、お弁当箱だけこだわる。「東急ハンズで曲げわっぱ買いました!」みたいな。

くすい:……曲げわっぱ。ぜいたく、といっても、数千円程度ですね……。

高山:そうそう、そんな感じ!

くすい:幸せといえば幸せなんですが、それでは将来への不安はなくならないんですね。

高山:私のお客さまで、60代で4億円貯まっているという方もいるんですが、その人はもう不安すぎてお金を使えないんです。その方は、バブル時代を経ているのでお金を貯めやすかったというのもあるけど、とにかくたくさんお金を貯めている人は、逆を言うと全然お金を使えない人が多いですね。趣味もない。お金を貯めることに執着しすぎると使えなくなってしまうんですね。人間、ほどほどがいいですよね。

くすい:前回紹介した年収500万円以上の貯金できない女性は習い事とかたくさん行っていそうですね。

高山:そうそう、ヨガとか、アロマいったりとか、お料理教室とかね。あとは自己啓発も好きだよね。お金を貯められないという問題はあるかもしれないけど、楽しそうですよ。

くすい:一方、お金をたくさん貯めていて人との交流が少ない人は、ネットショッピングめっちゃやっていそう……(偏見かもしれませんが)。

高山:あっ、そうそう。リアルな交流が少ないかもね。

アドバイスすると、資産運用し始める人が多い

くすい:そんな人に、高山さんは「まずお金を使いなさい」とおっしゃいますが、とはいえ貯金が1000万円あるわけですよね。資産運用はやった方がいいんですか?

高山:貯金じゃもったいないので、一部を積み立て投資信託に充てるとかした方がいいかと思います。結局、長生きして長く働くとなるとお金って必要じゃないですか。貯金だけだと限界があるから、運用もした方がいいです。

くすい:もし資産運用をしなかったら、貯金でもお金は存在しているんだけど、社会が変わったときに、何も変わらない、成長していないお金がそこにある……っていうイメージですかね。化石、みたいな。

高山:そうそう。投資ってトレーニングじゃないですか。やって、失敗して、を繰り返していたらうまくなるものです。60歳で現役引退してやり始めたら、失敗しても取り戻せませんよね。でも、今(アラサー)のうちなら老後までに余裕があるので、失敗してもリカバリーが効くじゃない。

くすい:極端な話、もし貯金がなくなっても、今のうちならなんとかなるっていうことですね。

高山:そうです。なので、この世代はもうちょっとリスクに慣れることが大事かなと思います。貯金よりも投資したり、自己投資みたいのやって、リスクに慣れていかないと、これから先、難しいんじゃないかと思いますね。

くすい:もし、そのような女性に資産運用やりましょうとアドバイスしたらどうなりますか?

高山:真面目な人が多いので、やり始める人が多いですよ。ただ、大きなリスクはとりたくないので、インデックス型(☆)の投資信託積立をやる人が多いですね。特に、日本株のインデックス型の投信だったら、値動きがわかりやすく、情報を得やすいので、やる人が多いですね。前回前々回の人とは違って、株やFXを始める人は少ないですね。

☆インデックス型とは?
投資信託の種類の一つで、東証株価指数や日経平均株価といった指数の動きに連動するように運用すること。反対は「アクティブ型」で、指数を上回ることを目標に運用する。一般的に、インデックス型の方が手数料が安いとされる。(参考:あなたの性格で選ぶ金融商品が分かります

くすい:リスクを取りたくない、という世代なのかもしれませんね。不動産はどうですか?

高山:不動産はね、意外とハマるのはこの層ですね。

くすい:とりあえず外に出ろって言われたから、不動産投資のセミナーに行く、とか?

高山:そうですね。(不動産の)説明を聞くと、「年金の足しになるのか!」と思って動き出すのはこの人たち。勤務先も安定しているところが多いから、融資も通りやすいんです。だから、不動産投資を始める人は多いです。

派手な学生時代を過ごした「貯金なし」派

くすい:ちなみに、年収300万〜500万円で「貯金がない人」っていますか?

高山:この年収で「貯金なし」派は、年収300万円未満から来た人が多いかな。派手な感じで大学時代暮らしていた人が、ちょっと頑張って周囲よりもたくさん稼ぐようになってきたけど、でも、突き抜けて多くは稼げない!という感じ。

imageTitle (イラスト=夜街マリィ )

くすい:それだと、貯金ができないんだったら、まず貯金しましょう、そして年収分が貯金できたら投資信託積み立てを始めましょう、というアドバイスになるんでしょうか。

高山:そうですね。まずは、貯金の習慣づけから始めることが大事です。

くすい:前々回紹介した「年収300万円未満×貯金できない」パターンと基本的には同じアドバイスですね。

次回は「性格別」投資先を教えてもらいます!

ここまでを振り返ると、資産運用のポイントは、

①貯金できない人は、先取り貯蓄で年収分を貯めよう!(貯金の目安は手取り月収の1~2割。2割を5年間貯めると年収分になります)
②貯金ができるようになったら、手取り月収の1〜2割、投資信託で積み立てよう
③興味があれば、株やFX、外貨、不動産など自分に合うプラスアルファの資産運用にも挑戦してみよう

の3つであることが分かってきました。

高山さんによると、①、②はどんな人でも基本的に同じアドバイスになるそうですが、③については性格やライフスタイルによって異なってくると言います。

というわけで、最終回は「プラスアルファの資産運用」の選び方について詳しく教えてもらいました!(続く)

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取材に協力してくださったのは…

imageTitle (写真=DAILY ANDS編集部)

高山 一恵(たかやま・かずえ)さん
Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立、2015年から現職。全国で女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。FP Cafeを運営。

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