キャリアトレックの説明資料より。20代の労働環境は刻々と変化し、技術革新によって今はない新しい仕事がどんどん生まれている(写真=筆者撮影)

アラサー、タラレバ娘に贈る。いま考えておきたい「お金」と「キャリア形成」

「THEO」×「キャリアトレック」コラボイベント潜入レポート

仕事を始めて5年以上にもなるのに、給料もなかなか上がらないし、貯金も全然できない。

学生時代に就活をもっと真剣にやっていたら……。
年収の上がるようなスキルや資格を持っていれば……。

そんな悩めるアラサー「タラレバ娘」の皆さん。将来のために動くなら「今」がそのときです!

今回は、資産運用サービス「THEO(テオ)」を運営するお金のデザインと、20代向けのレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」を運営するビズリーチがコラボしたトークイベント(2017年2月9日、東京都内開催)に潜入してきました。

テーマは誰もが気になる「お金」と「キャリア」。トークセッションの内容を中心に、未来のために「今」できることは何か。そして、アラサー女性も参考にしたいキャリア形成方法とお金についての考え方をまとめていきます。

登壇者プロフィール

ファシリテーター/池野 広一(いけの こういち)
ビズリーチ キャリアトレック推進部部長
人材系ベンチャー企業の人材紹介部門において年収500万〜800万円のミドル層の転職支援を経験後、株式会社ビズリーチ入社。入社後は、紹介会社サポート部門、採用起業サポート部門の立ち上げを経験し、2013年よりキャリアトレックの立ち上げに携わる。現在はキャリアトレック事業の販売・採用支援サポート部門を管掌。

パネリスト/北澤 直(きたざわ なお)
お金のデザイン 取締役COO
慶應義塾大学法学部卒業、ペンシルバニア大学院修了(LL.M)。モルガン・スタンレー証券に投資銀行員として6年間在籍し、不動産部門の成長に貢献。それ以前は弁護士として6年間、日本とNYにて金融・不動産関連の法律業務を手掛ける。弁護士(日本法 [第一東京弁護士会] NY州法)。

パネリスト/高野 秀敏(たかの ひでとし)
キープレイヤーズCEO/代表取締役
インテリジェンス→キープレイヤーズ設立(人材エージェント)。20社以上の社外取締役、アドバイザー、エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。

imageTitle 左から池野さん、北澤さん、高野さん(写真=筆者撮影)

若いうちに身につけておくべきスキルとは?

池野:30代40代で理想とするキャリアに近づくために、20代のうちにどんなスキルを身につけておいた方が良いのでしょうか?

高野:「○○スキル」という考え方をしなくても良いのではないでしょうか。

転職の際、面接で聞かれるのは「今まで何をやってきて、そして今何ができるか」です。こういう質問をされたときに、どう答えるかを強く意識しながら働くことが大切です。採用時に企業が知りたいのは、自分の会社にどう貢献してくれるのか、というところですから。

ちなみに、誰もが知っている某アパレル企業の経営者が採用で重要視しているのは2つの質問で、「あなたのビジョンは何ですか、それに対してうちの会社にどう貢献してくれますか」これだけだそうです。これに対してズバッと答えられる人って意外と少ないですよね。

北澤:非常に多岐にわたるので、どのスキルが必要かは一概には言えません。でも、中途採用の場合は、学歴で選ぶことはあまりないでしょうね。私が採用に関わるときは、「今自分がやっている仕事のどんなところに誇りを持っているか」を聞くようにしています。

池野:高野さん、北澤さんともにスキルそのものはあまり重要視していないようです。「自分をどれほどよく分かっているか」という人間力を培うことが大事なんですね。

仕事との向き合い方はトラブル時に現れる

池野:ちなみに北澤さんは採用に関わることも多いと思いますが、若いうちにどういったスキルを身につけた方を採用されることが多いですか?

北澤:私が採用に関わるときには、「大変なことや辛いことがあったときにどう対処しているか」ということをよく聞きます。これで具体的なエピソードがない人は、よほど運が良かったか、真面目に仕事に取り組んでいなかったかということになりますからね。

imageTitle (写真=筆者撮影)

「苦労は買ってでもしろ」と言いますが、ネガティブな要素に対して目を背けずに真摯に向き合える人は、本当にどこでもやっていける。パネリストたちの話を聞いて、そんな風に思いました。

また、優秀な人というのは例外なく、社内外からの評判が高い、というお話も印象的。デキる人は、周りから良い評判が得られるようなことを、20代のうちからコツコツと1つずつ作っているんですね。

将来お金に困らないために、20代ですべきこと

ここまで、「キャリア」の話がメインでしたが、次に「お金」の話へと移っていきました。

池野:今回のもう一つのテーマである「お金」の話に移りたいと思います。将来お金に困らないために、20代のうちにどんなことをしておいた方が良いのでしょうか。

北澤:お金への理解度を深め、目的意識を持って(お金を)使ったり貯めたりすることが大事です。目的は人それぞれですが、要はお金に対してちゃんと「意味づけ」をしているかどうかです。意味なく預金することだけはやめたほうがいいですね。

高野:私の場合は、20代の頃に起業したり、株の運用をしていた経験の中で、自分に役立っているなと思うことは、「騙されにくくなる」ことでしょうか。今、ベンチャー投資の規模は2000億とも言われていますが、実は、詐欺の規模も2000億以上あるんです。実際、経営者ですら騙されることがありますよ。若い頃からいろいろ知り、やってみて、何がよいか悪いかを見極められるようになっておいたほうがいいですね。

稼ぐ力 VS リスク

池野:「自分で稼ぐ力」が欲しいけど、資産運用や転職で失敗するのが怖くて動けない。そんなときはどうしたらいいでしょう?

北澤:「資産運用」と「稼ぐ力」は少し別の話になります。ちなみに、私が転職したときは、まずこれから先を見据え、向こう3〜4年のコストや、経済的負担、メリット・デメリットを考えて判断しました。実際、自分が持っているスキルや経験がリスクヘッジになったりしましたね。

怖いという気持ちがあるのは普通のことなので、コストのバッファを見たり、こちらがダメならあちらなどと保険をかけておいたりすることも重要です。

高野:「転職に失敗するリスクは高い」とよく言われます。でも、こればかりは何とも言えませんよね。たとえ、一流の企業にいて終身雇用で勤めていたとしても、リスクがなくなることはありません。何かの濡れ衣で、追い詰められることだってありえますから。

転職先を探すときは、その会社に入った後に、一体何ができるようになるのか」という部分を強く意識して、探すのが良いんじゃないでしょうか。

imageTitle キャリアトレックの説明資料より。いま、企業に対してもキャリアに関するコンサルティングを行わなければいけないという(写真=筆者撮影)

imageTitle キャリアトレックの説明資料より。転職活動には8割以上の人が不安を抱えているという。その理由とは?(写真=筆者撮影)

Q & Aコーナー:自分の人生とどのように向き合っていけばよいか

参加者の多くは、今まさに「お金」と「キャリア」に悩む世代。トーク後の質疑応答では、参加者からの質問にパネリストたちが答えるQ&Aコーナーがありました。

Q. 「ビジョンを持て」とはよく言いますが、ビジョンとは一体何でしょうか? お二人は若い頃からはっきりと自分のビジョンをお持ちでしたか?

A・高野:「私の場合は、小さい頃から祖父母に言われてきたことでもあるのですが、『人の役に立ちたい』とずっと思っていました。祖父は罪を犯した人の更正を支援するような仕事をしていて、その姿を見て育ってきました。今、はっきりと(ビジョンを)持っていなくても、抽象的であってもいいと思うんです。『何か価値があることをやろう!』くらいでも。(ビジョンというものは)そのうち具体的になってくるものだと思います。

A・北澤:私が若い頃は、(ビジョンは)持っていませんでした。でも、人は死ぬものだということは身近に感じていて、明日死ぬかもしれないと思うと、その日1日がダメだったら寝られなくなったり。ビジョンというより、とにかく1日1日を大事に生きることを重視していました。そうやっていくうちに、いろいろな選択肢が見えてきましたね。

Q:近年「働き方改革」ということが言われていて、労働時間をより短くというような動きが多いと思います。自分は、若く体力があるうちはたくさん働いたほうがいいのではと考えていますが、今の時代と照らし合わせると(この考えは)どうだと思われますか?

A・北澤:多様な価値観があればいいんじゃないでしょうか。さまざまな選択肢があることが重要だと思いますよ。実際に、私が投資銀行にいた時は平均睡眠時間2時間とかでした。

A・高野:「時間だけが問題じゃないけれど、毎日終電を超えてまで働くのは大変ですよね(笑)。仕事が好きな人は働いたらいいんじゃないですか。ただ、マネジメントをする立場にある場合、1人1人を生かしていくことを考えると、自分の考えを押し付けるのはよくないですね。あくまでもチームの目標を達成することを前提として、ある程度の多様性を持たせるのがいいと思います。

例えば、自分はもっと働きたいと思っても、会社が強制的に残業させないようにしていたら、ボランティアなど外で活動をしてみるのもいいかもしれないですね。

いま、成功するための戦略とは?

今回のイベントでは、登壇者のお二人とも、お金、仕事の両面において「戦略を立てる」「勝てるところを探す」ということを繰り返し話されていたのが印象的でした。

少子高齢化の深刻化に伴い、私たちを取り巻く環境は日々変化しています。人口が減っていくなかで、新しい職業はどんどん生まれています。そして、人々の寿命は延び、生涯で働ける時間は増える一方です。

まさに今、お金もキャリアも自己責任の時代に突入しています。そんな時代に、どう人生戦略を立てていくのか。それには、将来のために今からできることを、一歩ずつ確実に進めていくことが大切だということでしょう。

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