(画像=作者 Anonymous (1. www.secc.es 2. 不明 3. Museo del Prado) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で)

好きな男と結婚した女王「イサベル1世」に学ぶ、富を増やすための行動

国を繁栄させた女王から学べることは…

今の時代、「結婚するなら好きな人と」が当たり前。ですが、昔の王室に生まれた女性にとって結婚は「政略結婚」でした。

結婚は国の同盟、もしくは一族発展のための手段。そこに「好きなパートナーと一緒に……」という甘いロマンスが存在する隙間はありませんでした。

しかし、そんな時代にあっても、周囲の反対を押し切って自分の望む相手と結婚して、しかもそれを国の資産を増す手段にしてしまった強くて賢い女性がいました。15世紀後半にスペインを統治したイサベル1世(スペイン:1451年~1504年)です。

今回は、ヨーロッパ英雄史を専門とするフリーライターの筆者が、イザベル1世についてご紹介します。

大人の思惑に異議申し立てた「イザベル1世」

当時のスペインは、大まかに分けてマドリードを中心とするカスティーリャ王国と、バルセロナを中心とするアラゴン王国に分かれていました。イサベルはそのカスティーリャ王国の王女として生まれます。

イサベルが23歳になった1474年、隣国ポルトガルの王子との結婚話が持ち上がりました。

この時の国内では、「ポルトガルと仲良くしよう」というグループが優勢でした。当時のポルトガルは既に積極的に海外進出をして富を増しており、ポルトガルと仲良くした方がカスティーリャも繫栄する、という理由です。

そしてポルトガルとの仲をより良くするために、イサベルをポルトガル王子と結婚させよう、という話が持ち上がってきたのです。

しかし!そんな大人の思惑に対して、イサベルは勇敢に異議申し立てをします。「結婚するならポルトガル王子よりも、アラゴンの王子と結婚する」と。

イサベルの決断が今の「スペイン」を作った

当時、イザベルが王女を務めるカスティーリャとポルトガルは、海外進出において競い合うライバル同士でした。一方、アラゴンは地中海に面した国。カスティーリャとフランスの間に位置します。

イザベルは、ライバル国の王子と結婚するよりも、アラゴンの王子と結婚した方がカスティーリャの将来のためには望ましいし、地中海貿易の利益も得られる、と考えたのです。

大人顔負けの判断をしたイサベルは、アラゴンの王子フェルナンドと密かに会って、結婚の約束を取り付けます。

その後、カスティーリャではイサベル支持派と、ポルトガル支持派が対立しての内戦が数年にわたって続きますが、アラゴンの協力もあってイサベルが勝利をおさめ、イサベル1世として即位することになりました。

この時のイサベル1世の判断によって、カスティーリャとアラゴンが合体してほぼ一緒の国になり、現在のスペインが形作られることになりました。 画像縮小,イベリア1474年.png (出典=Wikipedia)
GFDL

イサベルの結婚がもたらしたものとは?

この結婚によってイサベル、そしてスペインが得られることになった大きな資産は他にもあります。

  • 地中海に面しているアラゴンと一緒になることで、イタリアや北アフリカ、中近東との地中海貿易による利益も入るようになりました。
  • イサベルの子孫たちがイタリアに進出して、イタリア半島の半分がスペインの領土になりました。当時のイタリアは各都市に分裂していて、国としてのまとまりはとても弱かったのです。
  • アラゴンのフェルナンド王子はとても有能な人物で、この人を夫に持ったことで、イサベル1世は女王としてその後もとても大きな業績を上げることができました。

言ってみれば、イサベルはポルトガルが貿易で儲けているからという目先の利益よりも、より長く安定して利益を得られるには?という考えのもとに、アラゴンのフェルナンドと結婚したのです。

イサベル1世に学ぶ、富を増やすための行動

この考え方は、自分のお金や資産の使い方、投資にもとても勉強になりますね。

  • 目先の利益のことだけを考えるのではなく、長い人生の中でより自分にとって利益の出るお金や資産の使い方は何が良いのか?
  • どんな人と組めば、自分も相手も一緒に成長していけるのか?

など、現代の仕事や結婚、投資や資産運用などにも活かせる教訓がたくさん詰まっています。

教訓をまとめると、

  1. 投資は短期的利益よりも長期的利益
  2. そのためには勉強して、きちんとした知識と情報を学ぶ
  3. 他人からの協力や情報を、きちんと得て判断する

ということですね。

ちなみにイサベル1世とフェルナンドはその後、仲睦まじいおしどり夫婦として活躍し、スペインはこの時代で一番の大国へと発展していきました。

▲TOPページへ

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集