(写真=DAILY ANDS編集部)

運用会社は家電メーカー!?よく分かるファンドマネージャーとアナリストの違い

「私立きんゆう女子。学院」潜入リポート②

1月19日、木曜の午後7時。東京・茅場町のカフェには、仕事帰りのOLさんたちの姿がありました。

この日は、働く女性たちが金融について学ぶ「私立きんゆう女子。学院」2回目の開講日。来ている人の数は1回目の倍となる20人ほどに増えていました!

1回目の評判を聞きつけて来た人も多かったのでしょうか。それとも、「今年こそ資産運用できるようになる!」と思う女性が多かったのでしょうか。

皆さんと一緒に成長したい、とDAILY ANDS編集部も気合いを入れ直しました。引き続き、潜入体験談をリポートします。

金融機関を「家電」業界に例えてみる!

前回は校長を務めるセゾン投信の中野晴啓社長の講義を中心にお届けしましたが、今回は「教頭先生」の後藤順一郎さん(アライアンス・バーンスタイン<略称:AB>、AB未来総研所長兼DC・NISA推進室長)のお話を中心にお届けします。

「私立きんゆう女子。学院」では、「投資とは何か?」「金融とは何か?」という、普段は人に聞きづらい基本的なことも、現役の金融マンが教えてくれるのが特徴の一つです。

米系の資産運用会社に勤める後藤さんはこの日、投資信託の「運用会社」について教えてくれました。

☆投資信託(ファンド)とは?
個人がプロにお金を託し、株や債券などに投資をしてもらう金融商品。個人にとっては、1万円など少ない金額から始めることができ、一度にさまざまな金融商品に分散投資できるメリットがある。銀行や証券会社の窓口で販売され、「運用会社」が運用を行っている。

後藤「運用会社は一言でいえば投資信託を運用している会社です。家電で言えば、ソニーやパナソニックなど製品をつくっているのが運用会社、ビッグカメラやヨドバシカメラなど製品を売っているのが証券会社や銀行。運用会社の中身もメーカーとあまり変わらなくて、実際に製品を作るのが、実際に運用をしているファンドマネージャー。運用会社の花形です。A社の株をどれだけ持とうか、B社の株をどれだけ持とうか、最終的な判断をする人のことです」

ファンドマネージャーってなんとなく金融に携わる人、というイメージはありましたが、具体的にはそういうことをしているんですね。

後藤「ただ、優秀だからと言って、全部自分でリサーチできるかといったらできません。そこで、判断のベースとなる情報を提供するのがアナリストという人たちになります。アナリストというのは、企業に訪問して、社長とか研究の責任者とかとミーティングをして、この会社の強みがどこなのかをリサーチします。最終的には、この企業は『買い』なのか『売り』なのか、その間なのか、ファンドマネージャーに意見を上げます」

後藤さんによると、ファンドマネージャーとアナリストだけでも運用はできますが、一部の会社には、統計学に詳しい理科系の「クオンツアナリスト」と言う人もいてリスク管理をやっているそうです。

後藤「クオンツアナリストという職業はもともと、アメリカでNASAに勤めていた物理学の専門家が、予算がなくなったために解雇され、ウォール街へ行ったのが始まりになっています」

こういう小話が聞けるのも、現役の金融パーソンに話を聞ける「私立きんゆう女子。学院」ならではです。

後藤「運用会社はいい加減にやっているのではなく、これだけ色んな人達が関わってやっている。でも、これだけやってもなかなか勝つのが難しいのが投資の世界でもあります」

imageTitle 「教頭先生」の後藤さん(写真=DAILY ANDS編集部)

NISAとiDeCo、どっちがお得なの?

最後に、後藤さんはお得な制度としてNISAとiDeCoについて紹介してくれました。後藤さんが挙げた、NISAとiDeCoの理解のポイントは次の通りです。

【NISAを理解するポイント】
▽メリット
・運用で出た利益に税金(20.315%)がかからない
・いつでも解約できる

▽デメリット
・5年しか使えない
・今のところ、2023年までの制度となっている

▽ポイント
・個人の投資を促すために国がつくったものなので、運用できるのは株式と、株式を組み入れられる投資信託だけ
・教育資金、住宅購入資金を貯めるのに適している

【iDeCoを理解するポイント】
▽メリット
・見方を変えるとNISAよりもお得
・なぜなら、運用で出た利益に税金かからないのに加えて、掛け金が「所得控除」の対象になって、所得税や住民税の負担が軽くなるから
・定期預金や保険など、元本確保型の商品にお金を預けることもできる

▽デメリット
・原則、掛け金は60歳まで引き出せない。ただし、強制的に老後資金が積み立てられるという点ではメリットともいえる

▽ポイント
・個人の自分年金づくりのために国がつくった制度なので、老後資金を貯めるのに適している

後藤さんは、「目的が決まると投資期間が決まる。それが決まると、どれぐらいリスクが取れるのかがわかる。そこから、どういう制度を使って投資をするのがよいか、決めるとよいでしょう」と話していました。

参加した女性たちは…

さて、この日参加した女性たちからは、こんな声も挙がっていました。

  • NISAやiDeCoはなんとなく知っていたけど、実際に説明を聞いてよくわかった!
  • 制度の仕組みは分かったけど、じゃあ具体的にどうしていけばいいのか、が疑問として出てきた
  • 確定拠出年金の場合、いざお金を下ろそうとしたとき、リーマンショックみたいなことが起きたら、せっかくお金が増えても減ってしまう可能性があってすごく怖い
  • アナリストが実際、何を基準に投資先を判断しているのかが気になる。あと、アナリストはどういう軸で評価されて、給与をもらえるのか?
  • 株のリターンって分かりやすいけど、投資信託はわかりづらい

中には、「確定拠出年金の企業型は、企業にとっても節税効果があるらしい」という声が参加者から出るシーンも。さすが皆さん、金融について学んでいるだけあって詳しいなぁ。

imageTitle (写真=DAILY ANDS編集部)

起業も立派な「投資」です!

理事長を務める「きんゆう女子。」主宰の鈴木万梨子さんと、中野校長、「保健の先生」であるファイナンシャル・プランナー(FP)、水野綾香さんが、「投資」について話し合うトークセッションもありました。最後に、こちらの内容をお届けします。

鈴木:水野さんはファイナンシャル・プランナーをされていますが、普段、相談のときはどんなアドバイスをするんですか?

水野:投資、消費、浪費のうち、浪費を減らして投資を増やしていきましょうというお話をします。資産形成で大切なのは、浪費を一つでも減らして投資に回すこと。投資は私たちに将来のリターンを与えてくれるもののことです。投資で得たリターンで、欲しいバッグを買うようにしたらよいと思います。

鈴木:株で言うと、リターンって株主優待とかも入るんでしょうか?

中野:株主優待はリターンと言わない方がいいですね。

鈴木:雑誌の付録みたいなものでしょうか。

中野:そうです。お金を投じた結果として、何か新しい価値が生まれて、その感謝の気持ちとして「ありがとう」で返ってくるのがリターンです。

水野:ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンという言葉がありますよね。たくさんの不確実にチャレンジした方がたくさんのリターンをもらえる可能性がある。

中野:今の話は物理学そのものですね。質量保存の法則。アンバランスな話は世の中に存在しない。大きなチャレンジすれば大きなリターン得られる可能性、小さなチャレンジしかしなければ小さなリターンしかない。

鈴木:私、起業をしたんですけど、それも投資ですか?

中野:そうです。起業は非常に「リスクテイキングなこと(リスクを取ること)」です。日本では「リスク」というと、とってもネガティブワードですが、アメリカでは鈴木さんのような勇気ある行動は「グッド・ジョブ」と讃えられますよ。

鈴木:ありがとうございます。ところで水野さん、ご自身の資産形成はさぞ、すごいのでは?

水野:私個人で一番メインとしてやっているのは確定拠出年金で、内容はハイリスクなもので運用しています。若い内は、積極的にリスクを取って、リターンを見込みたいと思っています。あとは自己投資を積極的に行っています。

鈴木:自己投資はどんなことを?

水野:参加費が数万円単位のセミナーでも参加して、どんどん知識を吸収していますね。そして、インプットしたことは積極的にアウトプットしたりしています。美容はちょっと後回しかな。

中野:美容は間違いなく自己投資ですよ。自分の価値を上げますから。

鈴木:私は完全120%自己投資ですね。将来、旅行サービスをやりたいんですけど、お金の勉強をしつつ、旅行サービス大きく成長するために必要なことを、時間とお金をかけてやっています。稼げるようになったら、お金の方の資産形成もやってみたいですが、最初は浪費を減らすところからトライしたいです!

imageTitle 理事長の鈴木さん(写真=DAILY ANDS編集部)

この日、「投資とは何か?」というお話も…

実はこの日、後藤さんの講演の前に、中野校長が「投資とは、世の中や社会を豊かにするために、幸せをたくさん生むために、自分のお金を投じること」という話をしていました。

後藤さんの話の中にも、「投資をしたときのリターンが何か、よく考えてほしい。FXは変動性はあるけれど、世の中全体の平均を取ると、得をしている人と損をしている人の両方がいて、結果生まれる価値は『ゼロ』。なのでこれは『投資』とは言えない」というフレーズがありました。

「新しい価値」がどこに生まれるのかを探るのが、ファンドマネージャーやファンドアナリストのお仕事だとも言えそうですが、それは私たちが自分のキャリアやライフプランを考えるとき、「何に自分の時間を割こうかな」と考えるときの思考回路とちょっと似ているのかも?

私立きんゆう女子。学院、次回は2月中旬に開かれます。次はどんな新しい発見があるのか、今からすでに楽しみです!(「私立きんゆう女子。学院」潜入リポート③に続く)

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