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16万円から始められる資産運用。「iDeCo」金融機関&商品の選び方のコツって?

プロに聞く!貯金ゼロから始める資産運用④

「お金がない!どうしよう、ヤバい!!」状態だった26歳浪費家ライターの筆者が、資産運用にトライするまでをリポートするこのシリーズもついに最終回を迎えました。

1カ月前には「貯金ほぼゼロ」だった筆者も、ファイナンシャル・プランナー(FP)の岩城みずほさんのアドバイスを受け、約16万円の貯金に成功。

今回はついに「資産運用」のアドバイスを頂きます。まだまだスタートラインに立ったばかりではありますが、より効率的に貯蓄を増やしていくための「ワザ」を紹介します!

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16万円から始められる資産運用って?

とはいえ、筆者の手元にあるのは、なけなしの16万円。この1カ月間、コンビニ通いや外食をできるだけ止めて貯めたお金ではありますが、これだけで資産運用ってできるものなのでしょうか?

岩城「十分な貯金がなければ資産運用ができないというわけではありませんよ。資産運用が初めて、という方が最初に取り組むものとして最適なのは『個人型確定拠出年金』です(以下iDeCoとします)」

☆iDeCoとは?
公的年金や企業年金にプラスするかたちで自分で積み立てる「年金」のこと。拠出したお金を、投資信託などで運用する。会社員か自営業者か主婦かなどによって月々の掛け金の限度額が異なる。読み方はイデコ。20〜60歳の国民ほぼ全員が加入できるが、一部、「企業型確定拠出年金」がある企業に勤める人は加入できないケースもある。

岩城「近藤さんは、国民年金の『第1号被保険者』なので、年金は1階建てです。そこにiDeCoに加入して、年金を2階建てにするイメージです。会社員だと厚生年金があるので2階建てで、iDeCoに加入すれば3階建てになります」

確かに、筆者が60歳になる頃には年金額も少なくなっていることが予想されるので、今から準備しておくと安心です。ただ、資産運用の第一歩が「年金」というとちょっとイメージが違うような……?

と思っていると、岩城さんが初心者にiDeCoをすすめる理由は、もっと他にあるそうな。

岩城「iDeCoには『やらなきゃ損!』なメリットがあるのをご存知ですか?例えば、近藤さんの場合、いまスタートすると、1年で約24万円ほど得することになりますよ」

「iDeCo」をやると節税できる!

80万円のお金を積み立てると24万円得をする?積み立てたお金が増えるってこと??どういうことなのでしょう???

岩城「積み立てたお金が増えるわけではなく、『節税になる』ということです。例えば、近藤さんが、iDeCoで、毎月6.8万円を拠出するとします。すると、1年間の掛け金は合計81.6万円になりますね。実はこの81.6万円が税金の対象から差し引かれることになります」

岩城さんの説明をまとめるとこうです。iDeCoは、掛け金が全額、税金の対象から差し引かれるので、仮に筆者の所得税率が20%、住民税率が10%とすると、節税額は「掛け金×税率」で、24.48万円となります。※24.48万円=81.6万円×(20%+10%)

まさに、知らないと損。筆者のような個人事業主は特に、掛けられる金額も大きいので、やらない手はありません。

☆iDeCoの掛け金の限度額の例
・自営業など(国民年金の第1号被保険者):月6.8万円
・会社員、公務員など(第2号被保険者):月1.2万円〜2.3万円
・専業主婦など(第3号被保険者):月2.3万円
※企業型確定拠出年金がある人は、できない場合もありますので、勤務先に確認してください。

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ほかにもまだある!節税メリット

iDeCoの節税メリットはこれだけにとどまりません。

岩城「iDeCoは、自分で運用する商品を選びますが、運用中、運用益に対する税金(20.315%)が非課税になります。そして、掛け金を将来、受け取るときも税金がかからない仕組みになっています。iDeCoは、お金を掛けるとき、運用しているとき、受け取るときの計3つの税制メリットがあるのです」

60歳まで積立金を引き出せないというデメリットはありますが、これは逆にいうと、老後の資金源としてシッカリ貯められるということ。将来の不安を解消するためなら全く問題ありませんね!

また、すぐに使えるわけではなくても「いつか必ず使えるお金がある」ということに安心感があるように思います。

iDeCo、第一歩は口座開設から

とにかくお得なことが分かったiDeCo。始めるためにまず、何をしたらいいのか尋ねると、金融機関の口座を開設することが必要なのだそうです。

岩城「金融機関によって、かかる費用や商品のラインアップに違いがあります。費用は、加入時に一度だけ支払う費用と、ずっとかかる口座管理費用がありますが、特に注目したいのは口座管理費用の方。ここが高くなると、せっかくの節税効果も失われますので、ぜひ、口座管理費用の安いところを選んでください」

コストを最小限に抑えられるという意味で、岩城さんがおすすめするのがネット銀行やネット証券。特に、楽天証券、住信SBIネット銀行、スルガ銀行は口座管理料が低いのだそうです。

iDeCoで運用する商品は?

口座を開いたら、次にチェックしないといけないのが拠出したお金の運用先です。

岩城「元本確保型の定期預金や保険も選べますが、より高い利回りを期待できる投資信託(ファンド)をおすすめしています。また、投資信託の中でも、『インデックス型』は信託報酬が安くておすすめです」

☆投資信託(ファンド)とは?
投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品。(※投資信託協会より引用)

☆信託報酬とは?
手数料の一種。投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと支払い続けなければいけない。

☆インデックス型とは?
東証株価指数や日経平均株価といった目標となるベンチマークの動きに連動するように運用する。

☆アクティブ型とは?
運用担当者が、銘柄やタイミングなどを選び、東証株価指数や日経平均株価など市場平均を上回ることを目指して運用する。

岩城「アクティブ型は調査費用などがかかるため、どうしても信託報酬が高くなりがちです。コストをカバーできるほど成績を出し続けられるような、いいアクティブ型ファンドを見つけられるのであればアクティブ型を選んでもよいのですが、そうでない場合は、低コストのインデックス型を選んだ方がよいでしょう」

投資のコツは「分散」にあり

iDeCoの口座を開設して、投資信託で毎月コツコツ「自分年金」を積み立てていくことなら、投資初心者の筆者でもできそうな気がします。

アラサー世代の今のうちに教えてもらってよかった。ホッとしていると、岩城さんはさらに、資産運用で失敗しないためのコツとして「分散投資」について教えてくれました。

岩城「同じ商品ばかりに投資をしていると、アクシデントがあったときに自分の資産が大きく減る可能性がありますよね。なので、iDeCoだけでなく、自分の資産全体を見て、異なる商品に資産を分散させたり、異なるタイミングで資産を購入したりして、リスクを分散させることが大切です。長期で運用すること、コストを抑えて保有すること、投資のタイミングと投資先を分散させること。この3つが大切です」

確かに、せっかく老後のためにコツコツ積み立てたお金がリーマンショックのようなことが起きて半分とかになってしまったら、大変です!

岩城「例えば、iDeCoで国内外の株式インデックスファンドを持ち、それとは別に個人向け国債の『変動10年』を持つなどするとよいですね」

☆個人向け国債とは?
国が発行している債券。金融機関の窓口で1万円から購入でき、最低でも年率0.05%の金利が保証されている。「変動10年」は、満期が10年で、その間、金利が半年ごとに見直される。

お金の置き場所として、iDeCoの次に利用したいのは、NISA(少額投資非課税制度)だそうです。NISAには、120万円までの投資なら利益に税金がかからないという税制優遇があるからです。

それでもやっぱり、貯金が大切なワケ

「お金がない!ヤバい!」状態だったのが、この日だけでかなり金融リテラシーが上がった気がしています。早速、いっぱい投資をしてみたい!とテンションが上がりそうだったところ、「ただ、ある程度の貯金は残しておくようにしましょうね」と岩城さんから一言が。

岩城「自営業の方は、生活費の1年分、会社員の方は半年分くらいの生活費を貯めましょう。それができるようになってから、iDeCoやNISAを使い、お金にも経済に参加して少しばかり稼いできてもらいましょう!」

会社勤めの人であれば、急な病気や怪我で働けなくなっても「傷病手当金」という制度があったり、会社が「病理休暇」という休暇制度を設けているケースもあったりして、お金の心配はそこまでしなくても済みます。

ただ、筆者のようにフリーランスで個人事業主として働いている場合は、働かなければ収入がゼロになってしまう可能性もあり、自分の身を守るためにもまずはできるだけ貯金を増やすことを優先した方がいいそうです。

お金の心配なく、のびのび暮らそう

岩城「貯蓄を増やすことで、お金の心配なくのびのびと日々の生活を送れます。ただ、お金は使ってこそ価値を生み出すもの。消費と貯蓄のバランスが大切です。自分の未来を豊かにするようなお金の使い方を心がけてみてください」

「あなたは自分の使ったお金でできている」。岩城さんの言葉を聞いて、ハッとしました。

将来のためにお金を増やすことは必要不可欠。でも、そのせいで「今」を犠牲にしては意味がないんだ。人生で初めてお金の使い方を意識して過ごしてみた経験を振り返り、そんなことを思いました。

筆者の場合、まずは、予算内の生活をこのまま2カ月、3カ月と続けていくところから始めたいと思います。そして「お金」を味方につけて、豊かな生活を送っていきたいです!(プロに聞く!貯金ゼロから始める資産運用、終わり)

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