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成行、指値…もう困らない「株購入」初心者向けに解説

今年こそ株デビュー「株取引」超簡単!注目ポイントは:購入画面編

株を買う時に出てくる単語があるけれど、成行?指値?どうちがうの?どっちが良いの?そんな株式投資超!初心者のDAILY ANDS編集部のKが、元ファンドアナリストの女性を直撃インタビューするシリーズの最終回。

今回は、実際に株を買う時の画面を見ながら説明して頂いちゃいます!

取材に協力してくれたのは…

取材に協力してくれたのは、前回に引き続き、運用の現場で株のリサーチをしていた岡田禎子さんです。

(写真=DAILY ANDS編集部)

岡田禎子(おかだ さちこ)さん 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。 証券会社、資産運用会社を経て、FPとして独立。「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、活動中。

──では、購入画面のご説明からお願いします!

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岡田:「現物買い」というのは、普通に購入する際の取引のことです。「信用」は信用取引のこと。信用取引は資金を借りて株を買ったり売ったりすることなのですが、ちょっと初心者向けではないから今回は省略。現物買いか現物売りか、これは大丈夫ですね。

──まずは「現物」で買います。そして分からないのが成行、指値。

岡田:指値(さしね)っていうのは、「この値段で買いたい!」とか「この値段で売りたい!」というのを指定することですね。例えば今、株価が1000円なんだけど、900円以下で買いたいとする。その場合は指値を選んで900円で注文します。

岡田:で、いくらで株を買うかを決めるときに見るのが「板情報」。この画面の中央が株価、右が買いたい人の数(※正確には買いたい人がいる株の数)、左が売りたい人の数(※正確には売りたい人がいる株の数)になります。つまり、取引を待っている人の数(※正確には株数)ですね。

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──たとえばこの画面上で3150円で買いたい場合は、300+3100=3400人待ちになると言うことなんだ。

岡田:そうです。だから、自分が株を欲しい場合は中央の値段よりちょっと上で買うというのが買いやすくなるポイント。

──どうしてもその株が欲しいときは?

岡田:それなら成行(なりゆき)を選んでください。「成行」はとにかくいくらでもいいから買う、みたいな感じですね。取引が成立するまではいくらで買えたかは分かりません。

──どっちがいいと思いますか?成行と指値。

岡田:どうしても欲しい場合は「成行」ですけど、初心者の場合はやっぱり指値のほうがいいんじゃないですかね。

──それはどうしてですか?

岡田:成行だと思わぬ高い値段がついちゃったりする事があるから。「え!?その値段!」みたいな。

──なるほど。初心者は指値が安全ということなのですね。

岡田:そうですね。

──次に「執行条件」などなど。

岡田:執行条件は無指定にしておいて良いと思います。有効期限は、名前の通りですね。「当日中」にしておくと、もしその日売買が成立しなかったら約定しないと言う事です。

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──次に、口座区分はどうですか?

岡田:「特定口座」は確定申告など税金の手続きを全部証券会社がやってくれます。「一般口座」は自分で確定申告しなきゃいけない。「NISA」はNISA口座ですよね。自分で確定申告は面倒だという初心者の方は、「特定口座」の方が良いと思います。

参考:株の損は「パンの失敗作」?アラサーOLが学ぶ株を損失した時の対処法

──ちなみにここにはないのですが、権利確定日ってなんでしょうか。

岡田:権利確定日というのは、配当とか優待の権利をもらえる日のことです。

──それって全部の銘柄が一緒なんですか?

岡田:銘柄によって権利確定日は違いますね。その権利を得るには、「権利付最終日」っていうのがあって、その日までに買うと、権利確定日に権利がもらえるということ。株の売買って、その日に約定しても、実際に受け渡しが行われるのは3営業日後じゃないですか。中2営業日あけて、4営業日目に受渡しが行われるんですね。例えば権利確定日が1月31日(火)の場合、権利付最終日は1月26日(木)になります。株の受渡日は約定日から考えて4営業日目(3営業日後)です。

──例えば株を売った場合、お金がもらえるのは、4営業日後ってことでしょうか?──

岡田:そうです。ただ、権利付最終日に「売り」の場合は配当や優待を貰う権利がなくなります。ちなみに株主総会とかに出られるのは、この権利確定日に株を持ってないとだめですね。この権利を狙って売買する人が結構いる。

──たとえばみんなが欲しい株主優待があれば、権利付最終日を狙って購入するとか?

岡田:そうです。権利付最終日よりも2~3カ月前に仕込んでおいて、権利をもらわずに売っちゃういうこともある。

──株価が上がって利益が得られればいいやってことですね。

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岡田:それか、もらった後に株価が一回下がって、次上がるときに売ってもいい。そしたら優待ももらえるし、儲けも出ますよね。

──優待もお金ももらえる、みたいな。なるほど!

岡田:または、単元株(株を購入するのに必要な最低株数)が100株だったら200株買って、100株は(権利付最終日が近づいて株価が上がったら)売って、100株は売らずに持っておく。優待もらってから、次に株価が上がってから残りの100株を売ってしまうやり方もありますよ。

──なるほど。では、株を買うときは権利付最終日が近いかどうかみたいなことも一応知っておいたほうがいい、ということでしょうか。

岡田:基本的に儲けだけを狙う場合は、あんまりそこは気にしていないかな。権利付最終日が近づいたら株価が上がる、って言っても大きく上がるわけでもないし。値上がり(を狙える)銘柄だったら、そこは配当や優待に関係なく、成長性があるかどうかで株価は上がっていくので。

──じゃあ、私のように値上がりを目指したい投資家の場合は、権利はあまり気にしなくても良いでしょうか。

岡田:まあそうですね。株価が少し動くってことを知っておいてもいいと思うけど、基本的にはあんまり気にしない人のほうが多いと思いますよ。

──配当や優待が欲しい人は気にしておこうねってことですね。

岡田:そうです。配当とか優待が欲しい人は権利付最終日の2~3カ月前に仕込んでおく。直前に買うと銘柄によっては高くなる場合があるので。配当の利回りは、基本的には銀行の利回りと比較されることが多いんですが、それよりは高いので、「お得」ってみんな思っちゃいますよね。

──じゃあ貯金みたいな感じで配当をもらうために株を持っている人もいるってことなんですね。

岡田:はい。いっぱいいますよ。

──夢の不労所得ですね!

岡田:東証一部上場銘柄の平均配当利回りは1.5%以上(1月29日現在)ですので、そう考えると、やっぱり預金よりはいいですよね。

──それでは最後に。株は心理戦っていうのはよく聞くんですけど、これから投資家になるための心得みたいなものはありますでしょうか。ちなみに岡田さんは「儲け派」、「配当や優待狙い派」のどちらを目指してらっしゃるんですか?

岡田:私は絶対、収益型。儲けたい派です。(笑)

──一緒で嬉しいです。(笑)それはなぜですか?

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岡田:1円でも儲けたいからです。

──岡田さんは証券会社などでずっと働かれていたので、普通に貯金がいっぱいある方だと思うんですね。

岡田:そうですね。(笑)

──う、うらやましい……!それだけお金稼いでも株を続ける理由はなんでしょうか?

岡田:楽しいんですよね。株をやっていると企業についても色々調べるじゃないですか。そして自分が出した予想が当たって、ばーっと上がって儲かったりする。それって最高の喜び。「やったー!」、みたいな。株取引はクリエイティブなものなんです。

──どれくらい先を見据えているんですか?

岡田:だいたい1〜2年後の株価を予想して、今に引き戻してそれより割安であれば買うっていう感じです。

──それじゃあ何十年後とかは見ない?

岡田:そこまで先のことは全然分からないですからね。業績予想は会社も出しているし、アナリストの方たちも出しているので、参考にしながら、1〜2年後だったら自分で調べて予想できるかなと。

──それは経験ってことですか?ご経験のなかで培ったものでしょうか。

岡田:皆さんも多分、できると思います。未来予想図がこのくらいかなっていうのが分かると、それを今に引き戻してみて割安じゃん、ってなる。そこで買っておくと、当たった場合はすごく嬉しい。なので、成長株投資は楽しいですね。

──逆に岡田さんでも予想が外れることもあるんですか?

岡田:もちろん、あります。

──それはなぜですか?

岡田:うーん、理由はやっぱり未来は誰にも分からないからですね。売れると思った商品が売れなかったりするわけだから。だから日々チェックして、あ、これだめだなって思ったらすぐ売っちゃうとかしないとですね。

──ちなみに岡田さんは情報を毎日必ずチェックしているものってありますか?サイトとか日経新聞とか。

岡田:日経は必ず見てますね。あとは証券会社が出している、値上がりや値下がりのランキング、や売買代金ランキング。上位にはどういう銘柄が入っているかっていうのは必ず見るようにしてますね。そうすると、今この銘柄がきてるっていうのがすぐわかる。株式市場で、今注目を浴びている銘柄はどういう業種か、どういう事業を展開しているのか、どこが評価されているのか、など色々な情報を得ることができます。またさらに上がる可能性が高いので、人気銘柄は何かっていうのは常にウオッチしてます。

──実際に人気銘柄をご購入されたりもしますか?

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岡田:うーん、私はそういう意味では結構保守的なので、それでも調べてちゃんと分析しないと買わない。

──株は安いときに買って高いときに売れ、みたいな格言があるじゃないですか。ランキングの上にいっちゃうと、みんながすでに買っていて値が上がりきっているって思っちゃうんですけど……それを買うっていうのはどうなんですか?

岡田:株式市場の注目を浴びている銘柄を知るというのは大切です。自分だけがお宝銘柄を発掘できるというのは難しいと思います。株式市場に対しては、「謙虚」な姿勢で臨むことが大事です。

──そこでもやはり注目の浴び方、みたいなのを見てから検討するってことでしょうか。

岡田:そうですね。PERを見て、「これ高すぎでしょう!」とかあるじゃないですか。

──それだとすぐ下がるだろうな、みたいな。

岡田:そう。すぐ下がるだろうし、ちょっと怖いですよね。逆に徐々にじっくり上がってきた銘柄は、成長性高いのかな?と思って、リサーチ開始しようかな、みたいな。

──なるほど。ランキングが10位から9位、9位から8位みたいな感じでジワジワ来ているものを調べる。

岡田:そうですね。人気がある銘柄は成長しやすいですよね。

──確かに。私たち初心者にはどんな業種が良いでしょうか。

岡田:色々ありますけど、初心者の方たちにお薦めしているのは、一番身近な業種ですね。例えばITで働いている人はその業種とか。そういうのでひと銘柄買っておく。もちろん同業3社くらい同時に調べてPER比較とかして下さいね。そこからスタートです。それからウオッチする業種を増やしていく。

──あんまり同業の比較とかやったことなかったです。

岡田:絶対やったほうがいいですよ。例えば、男の人を見るときだって、同じ商社マンでもこの人は伸びるとかこの人はだめとかあるじゃないですか。

──ありますね。この人めっちゃ口だけだよねとか。(笑)

岡田:ただ、みんながダメって言っているけれども、一緒に仕事していると、実はこの人丁寧だなってわかってきて、なんか行けるかも!ってあるじゃないですか。それで、最後に社長になったりとか。だから調べることがすごく大事。

──色々と調べるには、自分の好きな業種だと続く、みたいな。

岡田:そうです。自分の仕事にも関係あれば、よく調べるじゃない?

──わかります。

岡田:逆に、全然自分と畑違いの業種をやってもね。わかんないから続かないと思います。常に興味を持っていないとね。

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──ちなみに岡田さんはどういうことに興味を持っているんですか?業種というか。

岡田:私は食品とか化粧品とか、あとアミューズメントとか、そういう日常楽しめるものとかでしょうか。

──今注目している銘柄とかありますか?

岡田:そういうのはちょっと言えないですね。(笑)

──だめだったかぁー。

岡田:(笑)

──情報を見る以外にされてることってありますか?たとえば以前、元衆院議員の杉村太蔵さんが、「介護業界が伸びる」って思ったとき、介護用のオムツを買って自分で履いてみて投資先を選んだという話をイベントで聞いたんですよ。そういうことされたりとか。

岡田:カフェとかちょっと見たりしますよね。新しいお店ができてるなって思ったら見に行って、にぎわってたら、「これはいけるかな」とか。あとは王道の銘柄っていうか、私の場合は化粧品会社は常にウオッチしてます。1つ、すごく詳しい業種っていうのがあると、すごく安心できる。

──強みを持って、そこから広げていくってことですよね。

岡田:そうです、絶対に強みを持ったほうがいい。

──何か自分の好きな業種選んじゃって、そこで1回やってみるっていうのはひとつの手なんでしょうか?

岡田:そうです、そうです。でウオッチしていると、この会社は保守的な業績予想出すとか、ここはビッグマウスとかわかってくるので、それに合わせて株を売ったり買ったりすれば、よくわからない銘柄に突然飛びつくよりは、利益が出てくる可能性が高くなるんです。

──強みを持った方が良いんですね。

岡田:強みを持つと、まあ、下がっててもちょっと冷静になれたりする。

──この銘柄はそういうところあるから、みたいな。

岡田:本当にそうですね。だからやっぱり自分が知っているってすごく大事。そうしたら株がもっと面白くなりますよ。配当なんて、もらいだしちゃうとびっくりするくらいもらえることもある。 参考:配当利回り

──確かに。

岡田:みなさんハードルが高いと思われているんですよね、株式投資って。でも身近なところからちょっとやってみれば、配当ももらえるし、そこまで怖いものじゃないと思うんですよね。お店には必ずみんな行くから、今何がきているのかとか分かってくる。そういう見方で外に出ると楽しくなるし、色々分かってきますよ。

——ありがとうございました!

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株って意外とシンプルかも?

岡田さんへのインタビューを通じて、株式投資は難しいようで意外とシンプルなんじゃないか、という印象を受けました。最終的には「心理戦」といわれる理由も少し理解できたような気がします。

実践してみるときっと分からないことがまた出てくるとは思いますが、まずは一歩を踏み出すところから。筆者も岡田さんのように心から株式投資を楽しめるよう、精進したいと思います!

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