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2019年から「新元号」報道で、ストップ高が続出!これから注目したいのは…

改元で人気は印刷関連。ビギナーにおすすめの買い方は?

2017年1月10日の産経新聞で、天皇陛下の譲位について、政府は、天皇陛下在位30周年の節目となる2019年元日に皇太子さまの即位の儀式を行い、同日から新元号とする方向で検討を始めたという報道がありました。それを受けて、17日には宮内庁から、元日の譲位・即位の行事設定は困難との見解も示され、今後の行方が注目されています。

一方、東京株式市場では10日の報道を受け、新元号関連銘柄が幅広く物色されました。実は、2016年7月に天皇陛下が「生前退位の意向を宮内庁の関係者に示されている」ことをNHKが報じた時にも、同じようなことが起きています。

では、新元号報道の後、株価がどうなったのかを振り返ってみましょう。

連想好きの株式市場で関連銘柄にストップ高続出

10日に新元号の話が出てから買われた銘柄は、商業印刷関連の小型銘柄が中心でした。元号が変わるといろいろな印刷物が刷り直しとなるため、商業印刷会社に「特需」が来ると連想した銘柄が物色されたというわけです。

野崎印刷紙業 <7919> 、光陽社 <7946> 、カワセコンピュータサプライ<7851> などがストップ高となり、光村印刷 <7916> 、三浦印刷 <7920> なども10%を超える上げとなりました。

大手の印刷関連銘柄では、凸版印刷 <7911> 、大日本印刷 <7912> 、図書印刷 <7913>、日本写真印刷 <7915> などが前日比マイナスで、買いが集中したのは小型銘柄ばかりです。

このように、株式市場では「連想買い」「ご祝儀買い」といったことが頻繁に起こります。まさに、この物色は連想買い。そして、天皇陛下の生前退位のご意向について報じられた16年7月13日にも、同じような連想買いが起きていました。

生前退位報道で光陽社は昨年7月もストップ高

天皇陛下が生前退位の意向を示したという2016年7月13日のNHK報道以降、日経平均や個別銘柄がどう動いたかについては、9月8日配信のDAILY ANDS「『平成』が変わるとき、どのような経済効果があるのか」で詳しく触れています。

その報道の翌週、7月14日もオフセット印刷用写真製版大手の光陽社 <7946> が25.0%高、光村印刷も8.0%高となるなど、印刷株の上げが目立ちました。光陽社と光村印刷は、1989~1990年の昭和から平成へと改元された時に大相場を演じ、その1990年に光陽社は4135円、光村印刷は3050円という歴史的な高値を付けています。この2社は、そこからの連想で今回も買われたのです。

それでは、代表銘柄として光村印刷のそれ以降の株価を追ってみましょう。

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2016年8月に年初来高値の光村印刷、翌日の報道で急落

2016年7月13日に187円で出来高1.0万株だった光村印刷株は、NHK報道後の14日、8.0%高の202円となり、出来高は36.6万株に急増しました。その後、元号変更の期待感は継続し、8月5日には246円の年初来高値を付けます。報道後、約32%上昇したのです。

ただし、報道から3日後の8月8日には、天皇陛下が「お気持ち」をビデオメッセージで表明され、すぐに生前退位が行われるわけではなく、今後審議されていくことが明らかになりました。すると、翌8月9日の株価は219円まで下がり、その後も株価はじり安に。11月9日には200円まで下げています。

今回の報道の前日、1月6日の光村印刷引け値は224円で出来高は1.2万株でした。それが、産経新聞報道の10日には40円ストップ高、264円まで17.9%高となりました。出来高も915.5万株まで急増するという、昨年来高値の更新です。ただ、その商いは継続せず、1月16日には252円まで下げ、出来高も14.2万株と激減しています。

世間が騒ぐ急騰銘柄、株式投資ビギナーはちょっと待って

2017年から2018年にかけての光村印刷の動きを振り返ってみると、株式市場の銘柄人気がどのように移り変わっているかがよく分かります。基本的に、株式初心者が買い気配やストップ高に飛び付くと、うまくいかないことが多いと言っていいかもしれません。

こういった、あるニュースなどの材料をきっかけに人気が出る株のことを「材料株」といいます。材料株は、デイトレーダーのトレーディング銘柄としては面白そうですが、得てして初心者は高値つかみになることが多いように筆者は思います。

「待ち伏せ買い」のススメ

株式投資の初心者なら、ニュースで高値に飛び付くのではなく、人気が一段落して高値から下げ、騒がれなくなったころに拾ってみるのも一つの投資方法です。いつか新元号が決まることは間違いないのですから、「待ち伏せ買い」というスタイルを選ぶのもいい手でしょう。

光村印刷の場合はとても分かりやすい例でした。しかし、他の材料株が出たときでもすぐには飛び付かず、株価も出来高も落ち着いてから中長期保有を目的に買うという作戦が、初心者には有効なのではないでしょうか?

テーマがしっかりしている銘柄なら、いつか循環物色の対象になることがあります。もし、その銘柄が下がらなくても、株式市場には新しいテーマが次々に生まれていきます。そのテーマは諦めて、次のテーマになりそうな銘柄を中長期投資するスタイルを、ぜひ試してみてください。

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