(写真=DAILY ANDS編集部)

「福の神」が見る2017年日本とは?株式市場で注目の3つのキーワード

「福の神」に聞く2016・2017 国内株式市場<後編>

DAILY ANDS編集部は1年を振り返る企画の一つとして、「相場の福の神」の愛称で知られるSBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之(のぶゆき)さんに「2016年印象に残った銘柄・2017年気になる銘柄」をインタビューしています。

前編では「2016年印象に残った銘柄TOP5」をお届けしましたが、後編となる今回は「2017年気になる銘柄キーワード」を紹介します。

「福の神」が2017年気になる銘柄キーワードはコレ!

藤本さんが2017年の注目として挙げたキーワードは3つあります。

M&A

藤本さんが挙げた注目キーワード、一つ目は「M&A」です。M&Aとは複数の企業が合併したり、ある企業が別の企業を買収したり(されたり)すること。

「2017年、団塊の世代が70歳を迎えます。経営者に定年はありませんが、70歳となるとさすがに体力的な問題もあって、引退を考え始める時期だと思います。日本の中小企業の7割ほどは後継者がいない、と言われているのでやはりM&Aが活発化するのではないでしょうか」

M&Aは2016年にも注目されたキーワードですが、藤本さんは今後、さらに活発化すると見ています。

「日本というマーケットがこれ以上伸びにくいですから、企業が今後成長するにはシェアを高めるしかありません。そこで一番簡単なのは『敵』を買収することです。日本企業が海外の企業を買うというケースもあるでしょうし、ドル高を生かして日本企業を買う海外の企業も出てくると思います」

企業がM&Aを発表したとき、株価がどうなるかはケース・バイ・ケースだと藤本さんは言います。そのM&Aによって企業業績が上がると判断されると株価は上がる可能性が高まりますし、その逆もしかりというわけです。

「あえて言うなら、上場企業が未上場企業買う場合は、かなり安いケースしか買わないでしょうから、収益的にはプラスになるケースが多いです」

GPS情報

次に藤本さんが挙げたのが「GPS情報」です。ビッグデータやIoTなどのキーワードが2016年は聞かれましたが、中でも特に藤本さんが「GPS」に着目した理由は?

「理由は、GPSの活用によってユーザーの利便性が高まるからです。これまではランチを食べようと思ったら、スマホで検索をし、おすすめランキングを見たりしたでしょうが、GPS活用が広がれば、例えばスマホで自動的に近くの飲食店をおすすめしてくれるかもしれません。今、スマホの検索履歴をたどればその人の好みが分かりますから、位置情報が加わるとさらに便利になりますよね」

セキュリティ関連

3つ目は、GPS情報の活用にも関連した「セキュリティ関連」でした。

「GPSの活用もそうなのですが、IoTによってモノとインターネットがつながるとセキュリティという問題はどうしても発生します」

例えば、自動運転中の車がハッキングされると、ハッカーによってハンドル操作されて事故を起こす。エアコンがハッキングされて、発火するまで室温が上げられてしまう。……あくまでも例に過ぎませんが、モノとインターネットがつながったとき、セキュリティがしっかりしていないと人がケガをしたり、死に至ったりする可能性も出てくるというわけです。

藤本さんはそうした観点から、「コンピューターがハッキングされるのももちろん問題でしたが、インターネットと繋がったモノがハッキングされるのはさらに問題です。セキュリティはやはり重要になると思います」と強調しました。

2017年の展望は?

最後に、2017年はどのような一年になるか展望してもらいました。

「日本は2020年東京オリンピックに向けて、『ホップ・ステップ・ジャンプ』の手前の助走の段階かなと思いますね。そんなに企業業績は悪くないので、株価暴落するかというと、そんなことはないんじゃないかなと。世界の三大経済圏を見ると、2017年一番買いやすいのは日本です。欧州は選挙がいっぱいありますし、アメリカは最初の『ユーフォリア』(好景気の熱狂的陶酔感のこと)が終わったらちょっと疲れるんじゃないかなと。マーケットって比較なので『他と比べたら日本がマシ』というのはあると思いますよ」

プロの投資家が日本の今とこれからをどう見ているのか、個別企業をどのように見ているのかが前後編のインタビューによって少し見えてきたのではないでしょうか。今後の資産運用の参考にしてみてはいかがでしょう。(「福の神」に聞く2016・2017 国内株式市場、おわり)

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