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ついに「寿命100年の時代」到来。あなたはどう備える?

話題のビジネス書から考える

2007年生まれの日本の子どもたちの半数は、107歳まで生きる――。

「寿命100年時代」をどう生きるか?をテーマにした『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』というビジネス書が話題になっています。

「人生100年」で考えると、「70年、80年」で考えていた人生プランは見直す必要がありそうです。老後には暗いイメージを持つ考え方もありますが、筆者は、「人生100年」は大きなチャンスなのではと感じています。

ただ、今の意識はちょっと変えたほうがいいかもしれません。本のエッセンスとともに、お伝えします。

「平均寿命」にはマジックがあった!

「100年ライフ」にどうもピンとこない方もいるでしょう。その理由は、私たちがよく目にする「平均寿命」があるのではないでしょうか。

現在の平均寿命には、医療の進歩といった変化を考慮しない「ピリオド平均寿命」が採用されています。

しかし現実には、10年ごとに2~3歳ずつ平均寿命が延びています。それを考慮すると、1997年生まれの人の半数は101~102歳、1987年生まれの人の半数は98~100歳まで生きることになる、と本書では言っています。

「教育、仕事、引退」の人生が変わる

『ライフ・シフト』は、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏と、同経済学教授のアンドリュー・スコット氏の共著です。グラットン氏には、これも世界的に大きな話題となった『ワーク・シフト』という著書もあります。

私たちは、教育を受けて、仕事をして、やがて引退するという、いわば一直線の人生が当たり前とされてきました。でも、現在のシニアはすでに「長すぎる老後をどう過ごすか」が課題になっています。

本書は豊富なデータとともに、私たちの人生がすでに「マルチステージ」になってきていること、リタイア後の資金運用はもちろんですが、自分の持っているスキルや健康、人間関係に至るまでの、目には見えない資産を育てていくことの大切さも訴えています。

人生に「あがり」はない、と心得よう

かつて「勝ち組」「負け組」という言葉がありました。学校、就職先、結婚相手などなど、人と比較できるものを比較して、2分割で比較する価値観ですが、超長期の人生、短期間での勝ち負けを語ること自体がナンセンスになってきていると思います。

逆に、いい学校に入る、いい会社に就職する、お金持と結婚するなど「短期集中」で頑張って、その後は「あがり」とばかりに、努力をしなくなってしまうことは、大変危険です。

これだけ早いペースで変わる時代、1つの価値観がいつまで人に比べて優位を保てるかは分かりません。そもそも価値観が多様化しているので、人と比べた優劣を論じることも「昔っぽい考え」かもしれません。

一気に頑張ってあとは休んでしまうのでなく、休みながらも、時代を見ながら、あらゆる意味での自分の価値を高めていくことが必要になってきます。

その「価値」も、人は関係なく「過去の自分に比べてどれだけバージョンアップしたか」という基準でいいと思います。

「自己投資」には回収のチャンスが

100年ライフでも、「出産」にはタイムリミットがあります。出産して子育てを楽しむ時期はそこに集中しても、その先にはまだまだ人生が続いているという自覚を持ち続けることが大切でしょう。

でもそれは、必ずしも「会社に復帰する」だけではなく、フリーランスとして自分のできることを活かすという方法でもよいと思います。

こうした選択肢を持つためにも、幅広く興味を持ち、新しい情報に触れる、時には学ぶという「自己投資」が大切になってくるでしょう。

でも、70年の人生よりも100年の人生のほうが「回収」のチャンスが多いはず。そのとき何歳だとしても、「もう歳だから、新しいことを勉強するのは」と自分で制限してしまうのでなく、「できるかも」と思ったら、やってみる好奇心も必要になりそうです。

『ライフ・シフト』でも指摘されていましたが、寿命が延びるとともに、昔に比べて私たちは、年齢に対して若々しくなっています。

今は50代になった1980年代のアイドルの皆さんは、びっくりするくらい若いですよね。芸能人だから、ということはあるにしても、私たちの周囲でも、実年齢を聞いてびっくりするような若々しい人が増えています。

努力は必要になりますが、寿命が延びた分、見た目や能力の若々しさも維持できる可能性があることも、希望になるのではないでしょうか。

資産運用は「一生ものの知識」になる

寿命, 100年, 投資 (写真=Thinkstock/GettyImages)

資産運用という点でも、100年ライフは大きな味方になります。

もし今、ある会社の株式に投資して、毎年配当金をもらっているとします。これは、いつまでもらえるのでしょう?

会社が配当を出し続けるのなら、私たちは株主である限り、配当金を受け取ることができます。資産運用には、勤め先の「65歳定年」といった、年齢による制限がありません。

業績が落ち込んで一喜一憂することがあっても、その会社が長い目で有望であれば、自分の寿命ベースで、ゆったりとした投資ができるのです。

そう考えれば、まだまだ「人生始まったばかり」の30代に、奮起して資産運用の勉強をして投資を始める、これも素晴らしい自己投資ですし、回収するだけの時間はたっぷりあることでしょう。

老後というと、うんざりするほど暗いニュースでいっぱいです。でも、いい若い者が、「老後の公的年金」など、見えない老後を心配して守りに入るのって、どうなのでしょうか?

「明日よりは若い今日の自分」を信じて、いろいろな意味での自己投資を始めたほうが、よりよい100年ライフを送れるのではと思います!

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