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「働かずに家賃収入」は半分ウソ?不動産投資のメリットを最大限に生かす方法

長く安定した家賃収入をめざそう!

筆者が参加している不動産投資サークルの活況を見ると、このところの不動産投資はかなりの人気であることが感じられます。定員30名のセミナーが、募集開始わずか4時間(4日間ではありません!)で満員になるという盛況ぶりなのです。

ただ、人気がある反面、情報が氾濫し、初心者には取捨選択が難しい状況にもなっているのが現状です。そこで、自身の投資経験と、多くの不動産投資家と交流してきた筆者が、投資初心者の勘違いしやすいポイントをひも解きながら、不動産投資のメリットと、メリットを最大限生かすポイントについてご説明していきましょう。

不動産投資のメリット①不労所得

不動産投資最大のメリットといえば「不労所得」、つまり働かずとも安定的に入ってくる収入です。まさに甘い響きですね。

ところが経験者からすると、これは半分本当で半分はウソなのです。確かに、満室経営が続いている間は、あまりすることはありません。しかし、退去があれば途端に忙しくなります。

「不労所得は半分ウソ」な理由

以前は「不動産は購入で8割が決まる」と言われるほど購入が大事であり、買った後の運営は比較的容易でした。ところが、今は人口減の時代。努力を怠ればたちまち空室だらけです。郊外では3割空室なんていうアパートもゴロゴロしています。

現在、「不動産は管理で買え」の時代といえます。今、不動産は物件そのものだけではなく、客付けやマーケティングが重要になっているのです。投資初心者にとっては、入居者を付けてくれる管理会社と、いかに巡り合うかが成否を分けることになります。

満室になったから左うちわでノンビリ……は、残念ながら長くは続きません。

例えば、あなたが10部屋のアパートを所有していて、そのうち毎年2部屋程度が入れ替わるとイメージしてください。一般的に、平均入居期間は4~5年といわれています。それぞれ、次の入居まで3カ月掛かかるとしたら、1年間のうち、2部屋×3カ月で合計6カ月の空きが出る計算となります。これは、10部屋×12カ月のうちの5%。つまり、1年間の空室率が5%となります。

不労所得を得るためのポイント

では、働かずに家賃収入を得るにはどうしたらよいでしょうか。

内見数が予定通りに伸びないとき、内見はあるが契約できないとき。……原因によって対策は異なるのですが、近年はネットで事前に調べてくるケースが多く、内見をする人の数が減っています。少ない内見者を確実に成約する必要性があるのです。訪問客を逃がさない、スキルのある管理会社が必要というわけですね。

満室が続き、管理会社が優秀な場合は「不労所得」となりますが、いざ退去があれば、大家さんが先頭を走って管理会社を引っ張る覚悟も必要になります。完全な「不労所得」とはいきませんが、週末を使って乗り切ることは可能でしょう。

不動産投資のメリット②年金の代わりになる

筆者が不動産投資に取り組み始めたのは、50歳を越えてからでした。投資を始めた動機は、プラス10万円の副収入があれば、老後にそれなりの暮らしができそうだという考えでした。まさに自分年金作りですね。

家賃には「下方硬直性」といわれる特性があります。これは、最初は下がるが徐々に下がり方が緩くなるという特性で、不動産投資では比較的安定した収入が長期にわたり入ってくるとされるのも、この特性ゆえなのです。

つまり、家賃は新築が一番高く、築年に合わせて徐々にダウンしていきますが、築古だからといって家賃が新築の1/2、1/3になるわけではありません。新築を100%とすると、毎年なだらかに下がっていくのではなく、階段状に5年で5%ずつ下がるイメージです。そして、だいたい20~30%下がったところで、ほぼ下げ止まります。

不動産で年金を得るためのポイント

築古になった場合の運営は、補修いかんです。木造では、築40年程度の物件をリフォームして貸し出すのは当たり前。途中の修繕がしっかりしていれば、何十年も貸し出すことができるのです。

工夫して、自分で利回りをコントロールできるのが楽しいと、皆さんおっしゃいます。その結果、築古でも安定的な家賃収入という実りをもたらしてくれますよ。

不動産, 投資, メリット (写真=Looker_Studio/Shutterstock.com)

不動産投資のメリット③生命保険代わり

不動産を購入すると「生命保険代わりになる」と言われます。これはなぜでしょうか。

結論から言うと、理由は家賃収入があるから。不動産投資において、建物には法定耐用年数が定められています。住宅用の場合、木造は22年、RC(鉄筋コンクリート)造は47年です。不動産投資はこの長さが一つの特徴で、実物資産として、長きにわたって家賃収入を生んでくれるのです。

仮にオーナーが病気やケガで倒れても、管理会社が対応してくれている限り、家賃収入は途絶えることありません。万が一の事態が起きて収入が激減したり途絶えたりしても、安定した収入源となってくれますから、病気やケガ、災害などの家計の危機に対する、いわば経済的な「下支え」といえます。生命保険のようにリスクヘッジとなるわけですね。

最近は、投資サークルでもご夫婦での参加が増えています。ベビーカーを押しながら参加されているご夫婦もいて、お金に強くなる幼児教育の実践! なんて声も。夫婦2人で取り組めば、コミュニケーションも円滑になり経済的にも潤うと、まさに一石二鳥ですね。

不動産を生命保険代わりにするポイント

筆者は、若いご夫婦には賃貸併用住宅でのマイホーム建設をお勧めしています。住宅の半分を自宅に、半分を賃貸にするもので、家賃でローンの返済金を賄うことが可能になります。

低利の住宅ローンが使え、自分が住むことで不動産投資のリスクも抑えられるのです。しかも、不動産投資の実践勉強にもなるというオマケつき!

不動産投資のメリット④贈与税、相続税対策に強い

先日、法人の決算処理の打ち合わせ中に、幼なじみでもある税理士がポツリとこんなことを言いました。「増やすのもいいが、そろそろ次のことは考えておけよ……」。やんわりと、相続税対策への取り組みを示唆してくれたのですね。

不動産は資産形成に有効ですが、相続税対策としても「強い」です。

なぜなら、不動産は、資産評価額の圧縮にとても有効なのです。というのも、不動産の相続税評価額は公示価格の80%程度を目安に設定され、税制上の優遇措置もあるため、相続税評価は低くなります。ときには、市場価格の50%程度になることも。圧縮された分、現金と比べて税金が安くなるという理屈です。

不動産で相続対策をするポイント

不動産・債券・株式の3つの異なる資産に投資をおこない、収益確保の安定性と信託財産の成長をめざす。これを「財産3分法」といいます。流動性の問題はあるものの、不動産を持つことは資産の分散として有効な手段なのです。富裕層は、保有資産のうち一定割合を必ず不動産にしています。

とはいえ、キャッシュを生まない地方(遠隔地)の土地を所有している場合、一番困るのが相続税対策です。路線価で評価額はあるのに、賃貸需要がないため活用方法が限られてしまいます。

このような場合は、慌てて無理にアパート建設に走るのではなく、長期戦を覚悟して、早め早めに対策を協議しておきましょう。

不動産投資のメリット⑤節税対策

最後に、非常に有効ではあるものの最も意見が分かれる「節税」についてご説明しましょう。

不動産は収支が赤字である場合、給与所得との相殺が可能です。これを「損益通算」(そんえきつうさん、☆)といいます。会社員であれば、年末調整で納税は一旦完了していますので、確定申告をすれば税金の還付を受けられます。

不動産で節税対策するときの注意点

税金を節約しながら不動産を取得できるありがたい制度ではありますが、これをメリットとして見るだけでなく、客観的に判断することも大切です。

なぜなら、給与所得と相殺された赤字額は、その分を賃貸業につぎ込んでいるということに他ならないからです。「当初の購入額+毎年つぎ込まれる赤字額」こそ、真の取得価格と考えるべきではないでしょうか? 

減価償却は「キャッシュアウト」を伴わない経費です。つまり、お金が手元から出ていかないため、赤字でも損をしている実感がなく、損を分かりにくくしています。

重要なのは、例えばその物件を30年ローンで取得した場合、ローン完済時に、その不動産はいくらの資産価値があるのかということです。物件を現金で購入し、その資産価値を維持することが目的であるなら、相殺分をつぎ込んでも問題ないかもしれません。けれども、目的が資産形成なら冷静になる必要があります。

例えば、30年後に取得する不動産価値と、30年間のインデックス型(☆)積立投信、一体どちらの最終リターンが大きいかを比較してみる冷静さが必要です。節税は魅力的ですが、リスクに見合うリターンではない場合もあることを忘れないでください。

☆損益通算(そんえきつうさん)とは?
1年間にその人が儲けた分と、損した分を相殺すること。勤め先からの給与収入だけで生活しているときは基本的には必要ないが、株で損をしたり、不動産投資を赤字になったときなどは、マイナス分を確定申告して、損益通算をすれば、払い過ぎた税金を取り戻せる。(参考:株の損は「パンの失敗作」?アラサーOLが学ぶ株を損失した時の対処法

☆インデックス型とは?
投資信託の種類のこと。東証株価指数や日経平均株価といった指数の動きに連動するように運用するのが「インデックス型」。反対に、指数を上回ることを目標に運用するのが「アクティブ型」です。一般的に、インデックス型のほうが手数料は安いとされる。(参考:あなたの性格で選ぶ金融商品が分かります

不動産投資の基本は家賃収入+物件価値

投資の基本は「インカムゲイン(☆)」+「キャピタルゲイン(☆)」です。今の不動産投資は、低金利を活用したインカムゲインが中心ですが、リターンがその総和であることは間違いありません。

長く安定的な家賃収入というメリットを大事にしつつ、保有している物件価値も意識するようにしたいもの。この2つをしっかりと理解し、把握しつつ、自分の性格に合った戦略を考えれば、間違う心配ははないでしょう。

☆インカムゲイン、キャピタルゲインとは?
資産運用により得られる成果(リターン)のこと。「インカムゲイン」は不動産投資であれば家賃収入、株式投資であれば、株式を保有することで受け取れる配当金や株主優待のこと。「キャピタルゲイン」とは、不動産や株式投資の売買で得られた利益(=売買差益)のこと。(参考:#09 元出版社勤務の筆者おススメ!初心者向け投資本2選

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