(写真=Thinkstock/Getty Images)

ヒラリーの敗因。女性の心を掴めなかった理由は〇〇にあった

心理カウンセラーが「女性心理」の面から分析します

日本時間11月9日、アメリカ大統領選が行われ、ドナルド・トランプ氏が勝利しました。直前まで有利と言われながらヒラリー・クリントン氏が敗れた要因として、女性から支持されなかったことが挙げられています。

米メディアの出口調査によると、女性有権者の投票先はトランプ氏は40%でヒラリー氏は54%でしたが、白人に限れば数字は逆転し、トランプ氏の51%に対しヒラリー氏は43%に留まりました。

トランプ氏には女性蔑視発言があったにも関わらず、何故ヒラリー氏は女性から支持されなかったのでしょうか。心理カウンセラーとして視ると、彼女の「隙のなさ」が仇となったように思います。

完璧すぎる故に?

ヒラリー氏といえば、その華麗なキャリアを思い浮かべる方も多いでしょう。夫はビル・クリントン元大統領。ファーストレディという肩書きだけでもすごいのですが、同時に彼女は弁護士として活躍してきたキャリアウーマンでもありました。さらには、ニューヨーク州選出の上院議員に国務長官まで務めてきた彼女のキャリアは、まさに完璧と言えるでしょう。

これだけ完璧なキャリアは同性からの憧れの的となる反面、嫉妬の原因となりかねません。経済的にあまり裕福でない女性から羨ましがられるのはもちろん、キャリアウーマンとして頑張っている人々からも、「大統領を狙えるのは夫のおかげ」と妬まれるでしょう。

さらに、働かずとも裕福な暮らしができている女性の中には、上昇志向のヒラリー氏を冷ややかに見る人がいても不思議ではありません。ファーストレディでなかったら、もしくはキャリアウーマンでなかったなら、ここまで嫌われずに済んだはずです。

ちなみに、嫉妬は基本的に同性に対して抱く感情ですので、この点では男性からの支持率に影響はしなかったと思われます。

理屈じゃ人は動かない

もうひとつ、ヒラリー氏の頭の良さも裏目に出ました。彼女は弁護士として活躍しただけでなく、国務長官退任時には、オバマ大統領から直々の賛辞を受けたほど、優秀で実務能力も高かったそうです。そのせいか、選挙戦でも「政治的正しさ」に則り、正論を用いて戦ってきました。

しかし、人は理屈では動きません。「理動」という言葉はなく、あるのは「感動」です。この点では、トランプ氏の方が何枚も上手でした。「Make America Great Again(米国を再び偉大な国に)」というスローガンを掲げ、国民が内心抱えている不安や怒りに訴えるトランプ氏の手法は、ヒラリー氏よりもずっと心を動かします。

学生時代を思い出してみてください。勉強の大切さをどれだけ話されても、あまりやる気にはならなかったはずです。しかし、「毎日勉強しなければ携帯没収」「成績がよければご褒美」となれば、やる気を出して勉強しましたよね。

今回の大統領選でいえば、前者がヒラリー氏で後者がトランプ氏。接戦だった今選挙戦において浮動票の獲得は重要なポイントでしたが、こう考えると、どちらが浮動票を獲得できるかは明らかです。

浮動票には、女性や若者が多かったそうですし、また一般的に女性の方がより感情的と言われるので、この点も女性支持を得られなかった一因となるでしょう。

ヒラリー, 大統領選, 敗因 (写真=Thinkstock/GettyImages)

ヒラリーはピコ太郎に学ぶべきだった?

隙のなさといえば、彼女のパフォーマンスにも表れていたように思います。大きく動く表情と強く感情的な話し方、派手な身振り手振りのトランプ氏と比べると、ヒラリー氏はどうしても印象が薄いですよね。彼女の話し方や表情は、あまり変化がなく冷たい印象を与えてしまいます。実務においてはこの方が良いのでしょうが、選挙戦においては弱点となってしまいました。

ヒラリー氏の話は、正しさが強調され心に響かないことは先に説明しましたが、そもそも彼女のパフォーマンスでは、印象に残りません。演説において大切なのは、興味を惹き、記憶に残るパフォーマンスです。

派手な動きや抑揚とリズムのある話し方はつい聞き入ってしまいますし、人間味があって、どことなく親近感を得るもの。これを上手に使ったのが今回のトランプ氏であり、前回の大統領選でのオバマ大統領です。また、ピコ太郎さんの『PPAP』が世界的ブームとなっているのも、ここに大きな要因があると私は思います。

パフォーマンスの影響は男女ともにあるものですが、女性は観察力や直感力に優れていると言われるので、より大きな影響があったのではないでしょうか。

こうして見ていくと、能力が高くても、ヒラリー氏には大衆の心を掴む力が欠けていたことが敗因であることが分かります。

大統領選が国民投票ではなく、有識者へのプレゼンや資質を測る試験方式で行われたとしたら、おそらく結果は違っていたでしょう。今回のヒラリー氏に学び、嫉妬の対象にならないよう気をつけたいものですね。

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