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こんな平日過ごしたい!「アフター5はサウナでゆっくり」北欧の意外な常識

生産性が高いから、早く帰れる?アフター5が充実しているから、生産性が向上する?

「欧米人は、日本人のようにあくせく働いているように見えないのに、お給料はしっかりもらっていそう」なんて思ったことはありませんか。

実は、欧米諸国でも、働き方や働く時間、アフター5の過ごし方に至るまで、それぞれ実情は大きく異なっています。英国メディアが驚きをもって紹介した、北欧・東欧の習慣を紹介します。

大企業はサウナを所有!裸の付き合いをするフィンランド

2016年10月21日付BBC capitalに、驚きのフィンランドの常識が紹介されています。

フィンランドでは、金曜日の仕事帰りなどに、同僚たちとサウナに行き、男同士、または、女同士で「裸の付き合い」をするのだそうです。大企業は、社員の為にサウナを所有しています。時には、上司から、会員制の高級サウナに誘われたりすることもあるそうです。

「裸の付き合い」のよいところは、「肩書きも、服もなし。エゴもなし。自分と自分の考えや言葉があるだけ。それは相手にとっても同じこと。人間同士の付き合いができ、不必要なお飾りはどこかへ行ってしまう」。サウナでは、1〜3時間も同僚たちと一緒に過ごすので、自然と仕事の会話も出ます。もちろん、そこで仕事上のよいアイデアが出たり、意見がまとまったりすることも。

フィンランドでは、かつて、アフター5に職場のチームが集まって、仕事の成功を祝ったり、お互いを労ったりするのは、レストランやパブではなく、サウナというのが定石でした。今では、チームでも男女が一緒にサウナに入れないことや、グローバル化の影響で、以前ほどサウナがビジネスの場になることは少なくなってきたそうです。

ちなみに、サウナ好きなのはフィンランドのほか、スウェーデン、ロシア、オランダ、ドイツなどの北欧・東欧諸国の人々ですが、習慣は国によってさまざま。オランダでは、職場にサウナはないものの、アフター5に同僚たちと一緒にスポーツやジムに行くのですが、スポーツの後は、男女一緒のサウナに入ることもあるそうです。

それなら、チームがサウナで一緒に仕事の相談もできますね。

オンとオフを使い分けるドイツ

サウナ以外にも、ヨーロッパ諸国にはアフター5を大切にする習慣があります。

例えば、ドイツ人がとても大事にすることの一つに、静かで平穏な時間、というものがあるそうです。EUの中央銀行があり、ヨーロッパのエリートが集まる国際都市フランクフルトでも、この、ドイツ人が静かで平穏な時間を好むためなのか、アフター5や週末に、仕事から、切り替えがとても容易にできる都市なのだそうです。

フランクフルトの人々は、カフェで時間を過ごしたり、川沿いを散歩したりスケートボードしたり、山へバイキングに出かけた後に、ビアガーデンで冷たいビールを飲んだり、そんな楽しみ方をよく知っているのだそうです。(2016年10月27日付BBC Capital)

アフター5, 北欧, 過ごし方 (写真=Thinkstock/GettyImages)

6時間勤務で業績が上がったスウェーデン

スウェーデンでは、最近6時間勤務の導入が進んでいるそうです。スウェーデンの病院で行われたある調査では、看護師に6時間勤務を導入したところ、8時間勤務を続けていた看護師よりも、病欠やストレスが減り、さらに、看護師たちが、ダンスクラス、読書会、散歩などのアクティビティーを積極的に企画するようになり、看護の質も向上しました。

また、スウェーデンの西岸の街にあるトヨタのサービスセンターでは、メカニックのスタッフに6時間勤務を導入したところ、業績が上がったことが話題になっています。

スウェーデンで週50時間以上働いているのは全労働者のたった1%程度。もちろん、夕方5時を過ぎれば、ほとんどのオフィスが空っぽ。アフター5は、子供を習い事やアクティビティーに連れ出したり、ホームメードの食事を用意したりと、家族の時間に使うことが多いようです。

一方、イギリスでは、顧客は、アフター5や週末でも平気で連絡をしてくるので、スウェーデンのような働き方に憧れてしまうのだそうです。(2015年11月2日付BBC News)

勤務時間を短くして業績アップにつなげるには

残業や勤務時間を短くして、アフター5の時間が長くなったからと言って、業績が上がるだろうと考えるのは、少し楽観的すぎるかもしれません。大事なのは、アフター5をいかに充実させるか、それをどうやって生産性(Productivity)の向上に結びつけるかではないでしょうか。

例えば、先ほどの病院の看護師の調査では、看護の質が向上、つまり、生産性がアップしました。

雇用主にとっては、同じ給料で看護師の働く時間が短くなる分、追加の看護師を雇うコストが発生します。ですが、看護師の病欠などが減った分、この追加コストの半分がオフセットできました。残りのコスト分よりも、生産性の向上分が上回っていば、雇用主側のメリットも大きい、というわけです。(2016年5月10日付けBloomberg)

スウェーデンで6時間勤務を導入しているある企業では、仕事中は、ソーシャルメディアもプライベートなメールや電話も禁止だそうです。従業員も、短時間で集中して仕事を終わらせようという努力が不可欠なのです。

ひるがえって、日本の現状は、長時間労働や仕事のストレスが原因で、メンタルヘルスや肉体的に問題を抱えて、一時的に働けなくなる人は多いと思います。雇用主は、一時的に働けなくなった従業員にも給料を払い続ける必要があります。

アフター5を充実させて業績アップを実現させるためには、従業員の数を増やしてでも、勤務時間を減らす必要があります。そして、生産性を向上させ、従業員に健康に働いてもらうことが、結果として雇用主側に大きなメリットをもたらすのではないでしょうか。マネジメント職に就く人はぜひ一度、考えてみたいところです。

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