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公務員は確定拠出年金に参加できる?実は来年から可能になります

自分自身で年金の準備をするという選択

2017年1月、確定拠出年金法の一部が改正されます。注目を浴びる「確定拠出年金」ですが、いったい何が変わったのか、そもそもどういう制度か、ご存じですか? ファイナンシャルプランナーである筆者が、平成29年1月に法改正となる確定拠出年金についてお伝えいたします。

1.実は2016年まで利用できなった

「日本版401k」といわれる「確定拠出年金」は、2001年10月にスタートした制度です。1996~2001年にかけて行われた大規模な金融制度改革「金融ビッグバン」とともに、自己責任で年金を運用することを目的として成立しました。

ちなみに、「401k」はアメリカで1970年代終わり頃からスタートされた仕組みです。企業の従業員が自分自身で老後に向けて積立を行ない、国がそれを税制で支援。企業は福利厚生の一環として、従業員の拠出金に一定額を上乗せするというもの。日本の確定拠出年金と、実は性質が異なります。

従来、サラリーマンは国民年金の基礎年金、厚生年金保険という2階建ての年金制度です。公務員においては、年金払いの退職金給付があるので、実質3階建となっています。現在の確定拠出年金制度では、利用できる対象者は自営業者、企業年金や企業型確定拠出年金を導入していない企業のサラリーマンで、それ以外の方についてはできませんでした。今度の改正法では、対象外だった方も確定拠出年金の利用が可能になるのです。

2.2017年1月から公務員や専業主婦もさらなる年金対策が可能に!

2017年1月に、確定拠出年金改正法が施行されます。何が変わるかといいますと、大きくは、これまで確定拠出年金の対象とならなかった公務員と専業主婦も対象となったところです。公務員については、さらに上乗せの年金を準備することができ、主婦の方は、第3号被保険者としての年金だけではなく、自助努力で年金を準備できるようになります。

3.掛け金の限度額

個人型に拠出できる金額は、専業主婦やパートの場合、年額27万6000円。公務員の方、そして、企業年金があり企業型確定拠出年金が導入されていない企業の社員は年額14万4000円を上限に拠出できるようになります。

税制のメリットについてもお伝えしておきましょう。

企業型で会社が拠出した掛け金は、全額損金となります。また、個人型で本人が拠出した掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、その掛け金の所得控除が受けられるため、所得税と住民税が軽減されます。また、確定拠出年金の年金資産を運用して得た収益は全額非課税となります。

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4.選ぶ際のポイントは?

企業型の場合、企業が提携した金融機関が提示する商品から選ぶことになりますが、個人型については、確定拠出年金の口座を開設する金融機関を自分で選ぶことができます。けれども、数ある金融機関からどれがよいかを選ぶのは大変ですよね。選ぶポイントとしては、手数料、そしてよい商品があるか否かの2点です。

  • 手数料

個人型の確定拠出年金に加入する場合は、国民年金基金連合会に2777円を支払う必要があります。これはどの金融機関でも共通です。この他、一部の金融機関では手数料が発生します。

開設後も毎月手数料が発生します。国民年金基金連合会に103円、事務委託先金融機関(信託銀行)に月64円程度、運営管理機関に月0~700円程度で、このうち、金融機関などの運営管理機関に支払う手数料は、その金融機関によって大きく異なります。手数料が低い金融機関を選ぶとよいでしょう。

手数料が最も低い金融機関はスルガ銀行とSBI銀行で、年間2004円です。これに対して、ゆうちょ銀行は6444円。年金という側面から見て、この手数料は長期にわたる負担となります。差を計算すると、例えば、年間4440円を30年間負担するとしましょう。合計で13万3200円! びっくりする金額ですね。手数料について考えることはとても大切です。

  • 商品

定期預金で運用するとなれば横並びなので、手数料を一番に考えるとよいでしょう。投資信託で運用することを考えるならば、よい投資信託があるかどうかが選択のポイントになります。アクティブ投信かインデックス投信かなど、運用の実績などを加味して商品を選定し、取り扱いの金融機関を検討しましょう。

金融機関の利便性も大切です。今は窓口へ行かずとも、郵送やインターネット、専用のコールセンターを設けていますので、安心して利用できます。

5.年金を自主的に準備できる。女性の自立を後押しする制度

2016年9月、個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決定しました。親しみやすい名前ですね。

10月1日から始まった「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」では、パートタイマーをはじめ、女性の働き方に大きな影響を与えることとなりました。主婦であっても、自分自身で年金を準備することが法的に整備されたということです。

将来、自身が受け取る年金を自主的に準備できることは、女性の自立を後押しする制度といえるでしょう。税制面においても、所得税、住民税の節税効果が期待できますし、運用益は非課税となるため、メリットがたくさんある制度なのです。

個人型確定拠出年金は多くの女性も対象となる新たな制度です。ぜひ記事を参考にしていただき、この機会に個人確定拠出年金を検討してみてはいかがでしょうか。

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