(写真=Thinkstock/Getty Images)

銀行、信託銀行、信用金庫、証券会社…それぞれの金融機関の特徴をまとめてみた

それぞれの金融機関の違い、説明できますか?

銀行や信託銀行、信用金庫に信用組合、証券会社など、街にはさまざまな金融機関が並んでいます。1996年から数年かけて行われた「金融ビッグバン」以前は、それぞれの業務がかぶらないように法律で決められていましたが、現在ではそれぞれの金融機関で同じ投資信託や個人向け国債が買えるようになるなど、自由化が進んでいます。

しかし、銀行や信託銀行の違いや、信用金庫と信用組合の違いについて説明できる人は少なくないはず。それぞれの金融機関で、どんな口座を開設できて、どんなサービスを受けられるのかについてまとめてみました。

普通銀行

銀行では、預金や融資、為替の取引などで利用できます。身近なところでは、ゆうちょ銀行や都市銀行、地方に本店・支店が集中する地方銀行、それに加えて、近年増えてきたネット銀行などの「新たな形態の銀行」が挙げられます。

都市銀行(都銀)

普通銀行の中で、東京や大阪などの大都市に基盤を置き、全国に多数の支店を持つ規模の銀行を指します。現在、日本で都市銀行とされているのは、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の5行。三大都市圏に住んでいる人にとっては支店・ATMが多く、利便性の高さが特徴です。

メガバンク

かつては13行あった都市銀行が合併を繰り返し、豊富な資産と収益規模を持つ巨大組織へと変わった銀行グループのこと。国内だけでなく、M&Aなど海外進出も積極的に行っています。「三大メガバンク」といったとき、一般的にはみずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループを指します。

地方銀行(地銀)

地方銀行は、全国の大中都市に基盤を置き、本店がある都道府県内や近隣の都道府県を営業エリアとする普通銀行のことをいいます。特定の地域に店舗やATMが数多くあるので、生活圏での入出金に困りません。地方銀行は各行でサービスに特色があるのも面白いところ。

例えば、岐阜県を本拠地とする大垣共立銀行では、頭取自身が「われわれは金融業でなくサービス業だ」をモットーとして掲げ、キャッシュカードや通帳がなくても手をかざすだけで各種ATM取引が行える「手のひら認証ATM」や、ドライブスルー店舗といったユニークなサービスを展開しています。

ネット銀行(ネットバンク)

ネット銀行は、対面型の実店舗を持たず、インターネット上での取引をメインとしているです。店舗がない分、比較的手数料が抑えられていたり、預金金利が優遇されていたりする場合が多いのが魅力。手続きがネットで完結するほか、ホームページの使いやすさも特徴です。

ゆうちょ銀行

郵便局民営化によって、郵便局の貯金部門が独立分離し、民間銀行となりました。独立したといっても、全国の郵便局にも窓口があり、ATMも郵便局に併設されています。その数なんと2万4000超。店舗数だけ見ればダントツで、まさにどこにでもある最も身近な銀行といっていいでしょう。

ただし、独自のローンはなく、預金や国債を担保にした貸し付けのほか、スルガ銀行のローン商品を代理店として扱っています。1000万円までだった預金の限度額は、2016年4月から1300万円になりました。

それぞれの金融機関2 (写真=Thinkstock/Getty Images)

信用金庫、信用組合、労働金庫

利益が優先される株式会社組織の銀行と違い、非営利の組織です。利用者(会員)や地域の利益が優先されるため、大抵は、金融機関の営業地域内に住所もしくは勤務先があることといった利用条件があります。

信用金庫

信用金庫の場合、預金は誰でもできますが、融資は原則、会員である必要があります。ただし、制限付きで会員外貸し出しも可能になっています。

信用組合

信用組合では、預金・融資はともに組合員のみが利用できます。組合員以外からの預金は、金融機関で預かる資金の20%以内まで。組合員外への貸し出しにも制限があります。

労働金庫

労働金庫では、「ろうきん友の会」に入るか、個人会員になることで、原則誰でも利用できます。引き出しや預け入れの手数料が、提携ATMも含めて原則無料であるのも特徴。入出金が多い人に向いています。なかでも「中央ろうきん」は、出資金に対する配当が2006年から3%という高いリターンを続けています。ローンや配当などの面で、要注目といえそうですね。

参考:
中央労働金庫ディスクロージャー2011年版
中央労働金庫ディスクロージャー2016年版

農業協同組合(JA)、漁業協同組合(JF)

それぞれの営業区域内にある機関に口座を持つ組合員を対象に、預金や融資を行っています。農協は農業を仕事にしている人でなくても口座を開設できますが、漁協での口座開設は、原則的に漁業従事者のみとなっています。

信託銀行

預金やローンなどの銀行業務に加えて、財産や遺言・不動産などを管理する「信託業務」を行っています。不動産については、運用を任せて利益の分配を受けることや、売買の依頼も可能。また、生前贈与、遺言書作成から相続まで、法的な手続きにのっとった相続関連業務もお任せできます。税制優遇を受けながら、祖父母世代が孫に教育資金を贈与したい。最近はそういった希望も増えているようで、ニーズにピッタリな商品も出ています。

証券会社

証券会社といえば「株」のイメージが強いかもしれませんが、実はそれ以外にも、「投資信託」をはじめ、満期まで持てば投資額がきちんと返ってくる「債券」「年金保険」など、幅広い金融商品を扱っています。ネット証券であれば、まとまった資金がなくても月に500円、1000円という小額から投資信託を自動的に購入できる「積立投信」などもあります。

大手証券は、投資レポートやセミナーなどから情報を得ることができ、新規公開株・債券の在庫の取り扱いなどが多いというメリットがあります。一方、ネット証券は手数料の安さやツールの充実が特徴です。

ノンバンク

銀行や信用金庫などの金融機関と違い、貸し出し(融資)のみを行う金融機関を指します。貸金業法に基づいて設立され、個人向けとしては、信販会社やクレジットカード会社、消費者金融会社がこのカテゴリーに入ります。銀行などと比較すると融資の金利は高めですが、審査や手続きが早いというメリットもあります。

まとめ

ここまで見てきたように、金融機関にはその種類ごとに特色があります。各社のサービスを比較して、うまく使い分けるのがおすすめです。

例えば、生活資金は入出金がしやすい銀行へ。5年間は使わない、または、使わないようにしたいという資金があれば、銀行や証券会社などで社債・国債を買うのもいいかもしれませんね。

将来的に起業や住宅ローンを考えているなら、地元の銀行や労働金庫などの低金利商品を検討するのもいいでしょう。また、ローンを取り扱っている特定の銀行と長くお付き合いしておくと、取引実績ができて有利になるかもしれません。

それぞれの金融機関の特徴を踏まえたうえで、ライフスタイルに合わせて活用してください。

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に