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預金利息にも税金がかかるって知ってた? 利子所得の税率と確定申告との関係

利息に税金がかかる仕組み・確定申告などをわかりやすく解説!

マイナス金利時代を迎え、預貯金の利息の存在感もすっかり薄くなりましたね。

ほんのわずかな利息から、税金が引かれていてイヤ!という方も多いのではないでしょうか?「なぜ利子所得にも税金はかかるの?」「収入として確定申告は必要なの?」。など、よく分からない利息への税金。

利率に関心があっても、利息の税金には詳しくないという方のために、利子所得について詳しく解説します。

利子所得ってどんな所得?

利子所得の代表は、銀行預金の利息です。日本に居て銀行に預金していない人はまずいないでしょうから、ほとんどの人に関係する所得ですね。

普通預金の利子は、いつどんなふうにつくのかご存じですか?通常は、1日の終わりの預金残高に対して毎日利子が決まる日割り計算です。

利子計算の元となる金利は、1年間預けた場合の利率、つまり「年利」で表されるのがルール。そのため毎日の利子は年利で計算した分の365分の1ということになります。このように計算した利子は、年に2回など銀行が決めたタイミングにまとめて支払われます。

実は、利子がつく預金残高の最低金額は、1円だったり、1万円だったり、銀行によってかなり違っています。利子がつく時期は2月と8月というところが多いようです。

そして私たちが受け取る利子は、税金が引かれたもの。通帳には税金が引かれた後の金額が記載されるので、税金についてはほとんど意識しないかもしれません。一方、定期預金であれば、受け取るときに利子所得の金額や税金の金額が明細に記載されます。

利子所得の税金の計算方法は?

利率, 税金, 利子所得 (写真=Thinkstock/GettyImages)

では利子所得にかかる税金はどのように計算するのかを見ていきましょう。

税金を計算する際、通常は収入から経費を引いたものが所得になりますが、利子の場合経費はかからないので、収入がそのまま利子所得になります。利子所得もお給料(給与所得)と同じく、「所得税」と「住民税」がかかります。給与所得は金額が多くなれば税率も上がりますが、利子所得の場合は金額に関係なく一定の税率になっています。

利子所得に対する税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税の2.1%)、住民税5%と合計20.315%の税金がかかります。つまり私たちが受け取れるのは、利子の79.685%というわけです。

利子が払われるときは、銀行などの金融機関がこの20.315%の税金をあらかじめ差し引いて、それから残りが口座に入金されます。このような税金の仕組みを「源泉分離課税」といいます。給与所得などとは分離して課税し、金融機関が源泉徴収するという意味です。

利子所得に該当するものって?

利子所得には、預貯金の利子の他にも、以下のものがあります

・公社債の利子

国債や地方債や社債など(公社債)の債券の利子も利子所得です。債券とは、国や会社などが資金を集めるときに発行する借用書のようなもの。国が発行すれば国債、地方公共団体であれば地方債、一般の会社であれば社債となります。債券を購入した人は、お金を貸したことになり、国や会社から利子が受け取れます。これが利子所得になります。個人向け国債や、ソフトバンクなどの社債もポピュラーになっていますが、これらも利子所得というわけです。

・外貨預金の利息

外貨預金の利息も利子所得なので、円の預金と同じように源泉分離課税で税金が引かれます。外貨預金をする人は、利息というより為替の利益が目的のことも多いでしょう。払い出す時の為替レートが、預け入れたときより円安になると為替差益が得られますね。この為替差益は利子所得ではなく、「雑所得」に分類されます。雑所得は、給与所得などとまとめて課税されるものなので、お給料の他に年間20万円を超える収入が出たときは、確定申告する必要があります。

他にもMMFや外貨MMF、中期国債ファンドなどの公社債投資信託の利益(収益の分配金)も利子所得になります。公社債投資信託は、安全性の高い公社債で運用される投資信託ですが、マイナス金利の影響で販売が縮小されていますので、持っている方は限られるかもしれませんね。

平成28年から税制が変わり、確定申告をすることで、公社債や公社債投資信託の利子所得と、株式などの損失を相殺することもできるようになりました。株式投資をしている方で、損を出している株式を売らなければいけないときは、利益が出て課税されている利子所得がないか確認しましょう。少しでも税金を取り戻すことができるかもしれません。

非課税になる利子所得もあるの?

条件により、利子所得が非課税になる制度もあります。

・マル優制度

障害者手帳を持っている方や、遺族年金を受けている妻が利用できる制度です。預貯金の元本350万円までの利子所得が非課税になります。国債と地方債の利子が額面350万円まで非課税になる制度もあります(特別マル優)。

・勤労者財産形成貯蓄制度

会社員や公務員のための財産形成制度で、「財形」と呼ばれていますね。税制の優遇を受けながら、給与天引きで積み立て貯蓄できる制度ですが、ご存じの方も多いのでは。この税制の優遇が、利子所得が非課税になるというものです。利用できるのは会社員や公務員、条件を満たせば契約社員やパートでもOKです。

目的別に「一般」、「住宅」、「年金」の貯蓄があります。非課税の枠があるのは「住宅」と「年金」です。要件を満たせば、2つ合わせて貯蓄残高550万円までの利子所得が非課税になります。

財形を始めるときに目的を決めかねている方は、「住宅財形」がオススメです。無事に続けられて住宅の要件に合えば残高550万円まで非課税ですし、住宅以外に払い出すなど要件に合わない場合でも、5年さかのぼって課税されるだけで済みます。メリットの多い財形貯蓄ですが、勤め先で導入されていなければ利用できません。また、自分で金融機関を選ぶのではなく、勤務先が契約した金融機関の商品から一つだけ選んで貯蓄します。

選択肢に保険商品があるかどうかで大きな違いがあります。保険商品で積み立てする場合は、「住宅」と「年金」合わせて、払い込んだ保険料の累計550万円まで、「年金」だけで385万円まで、と非課税の限度額が違ってきます。

利子所得は確定申告が必要?

利子所得は源泉分離課税なので、これまでご説明した通り、基本は確定申告不要です。利子が払われるときに課税されて差し引かれて、税金関係はおしまいです。確定申告をして差し引かれた税金を戻してもらうこと(還付)もできません。

同じ利子収入でも、友人へ貸したお金の利子などは利子所得ではなく「雑所得」になります。外貨預金の為替差益のときと同じように、年間20万円を超えたら確定申告が必要になります。

まとめ

ふだんあまり意識されない利子所得の税金ですが、基本的なしくみは知っておきたいもの。今は微々たる金額でも、この先金利が上がったときに影響してきます。 家計管理の基本となるのはやっぱり銀行の預貯金です。 利子所得の知識を生かして、上手に非課税制度を利用したり他の金融商品を組み合わせたりして、ベストな家計管理を目指していきましょう。

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