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人事の6割「LGBTをカミングアウトしてほしい」。採用現場の胸の内

人事の17%は採用面接でカミングアウトを経験しているそうです

人事担当者の約6割が、「LGBTであることを採用面接の際に伝えてほしい」と考えている。

そんな調査結果が先日、株式会社CIN GROUPが現役企業人事180名を対象に行った「採用面接におけるLGBTに関する意識調査」によって明らかになりました。

レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取った「LGBT」という言葉。すっかり一般的になった一方、まだ理解も十分広まっているとはいえず、職場環境によってはオープンにしにくい現状もあるのではないかと感じます。

実際、人事担当者はどのように感じているのでしょうか。

LGBTについて、企業の人事の考えは

LGBTであることを入社前に伝えてほしいと考える理由としては、「自分らしく働いてもらうことが人事としての望みだから」が最も多く42.8%、「最初にオープンにされた方が採用後対応しやすいから」がその次に多く、12.6%でした。社員の多様性を認め、LGBTであることはパーソナリティのひとつであると考える人事担当者が、一定数いることがわかります。

逆に、「LGBTであることを入社前に伝えてほしくない」と考える人は全体の約4割いました。

理由として最も多かったのが「どう対応していいかわからないから」で16.5%、次に多かったのが「採用結果に影響を与えたと思われたくないから」で、11.4%という結果が出ています。これまでLGBTの人に接する機会がなかったことや、LGBTに対する理解不足などを理由に、どう対応してよいかわからない人事担当者も少なくないようです。

LGBT, カミングアウト (写真=Thinkstock/GettyImages)

人事の17%は採用面接でカミングアウトを経験

採用面接の場で、応募者からLGBTをカミングアウトされたことがある人事担当者は17.2%と、全体の約2割弱。カミングアウトされた時、どのような対応をしたかという質問に対しては「内心びっくり、でも何事もないようにふるまった」が最も多く25.6%、「事実として受け止め、特に大きな反応は示さなかった」が2番目に多く、19.3%でした。

また、採用面接でカミングアウトされたことがない人事担当者も、もしそのような状況になったらどう対応するかという質問に対して、「びっくりすると思うが何事もない態度を取る」が49.3%と約半数にのぼりました。

多様性を認め、働きやすい職場に

世田谷区や渋谷区などでは、昨年11月に「同性パートナーシップ制度」がスタートしています。同性パートナーであっても、事実婚に近い関係性を認める制度です。昔に比べて、世の中が性的マイノリティを認める動きが出てきていることは確かです。

こうした動きは企業にも広がり、今年10月、ソフトバンク株式会社は社内規定を変更し、従業員の同性パートナーを「配偶者」として認めることを発表しました。社員が書類を提出して受理されると、各種手当や休暇など、異性の配偶者を持つ社員と同じような社内制度が適用されるそうです。ソフトバンクの公式サイトによれば、「より多様な人材が挑戦・活躍できる環境を整えていくこと」を目的とした改定だそうです。

働きやすい環境に必要なものは

筆者は芸術系の大学に通っていましたが、学生の中にはバイセクシャルであることを公言していたり、同性同士で交際するカップルもいました。しかし会社員時代は、職場などでLGBTを自称する人と出会ったことはありませんでした。

さまざまなバックボーンの人が集まる職場では、自分と違う人間を認め、最大限の成果を出すために協力し合うことが必要です。LGBTであることを理由に「働きにくさ」を感じたり、カミングアウトできないことに苦しむ従業員がいることは、本来はあってはなりませんよね。

しかし、従業員がカミングアウトをしても企業側が適切な対応が取れなかったり、LGBTと知り周囲が戸惑いを持ってしまうことも、残念ながらあるかもしれません。さまざまな人にとって働きやすい環境を実現させるには、ひとりひとりの正しい理解が必要です。職場でのLGBTのカミングアウトについて、あなたはどう考えますか。

参考:採用面接におけるLGBTに関する意識調査

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