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なぜ?貯金していても老後に破産する人が増えている

しっかりした人生プランで老後破産を防ごう

厚生労働省が行った調査によれば、平成27年の日本人の平均寿命は女性が87.05歳、男性が80.79歳という結果が出ています。来年で30歳を迎える筆者の場合、仮に平均寿命まで生きると考えても、まだ55年以上あります。

長生きできる社会になったことはありがたいですが、心配なのが「老後のお金」をどうするかということです。

最近よく聞く「老後破産」って何?

全ての人の平等に訪れる「老後」。健康で長生きしたい、とは誰しもが思うことですよね。

最近、「老後破産」という言葉をよく耳にするようになりました。貯金が全くなかったのであれば破産するのも仕方がありませんが、現役時代にしっかりと働き、年金もあり、貯金もしていたのにも関わらず、定年後に破産し、生活に困っている人が少なくないそうです。

今回は、老後に破産する理由について調べてみました。

老後で破産する人なんて本当にいるの?

2015年の国勢調査によれば、65歳以上の高齢者は約3461万人にのぼり、日本の総人口の27.3%を占めていることがわかっています。つまり、日本人の4人に1人は、定年を迎え年金を受給している高齢者ということになります。今後も、高齢者の割合は増えていくことが予想されます。

ただ、現在の高齢者が現役時代の頃は高度成長期で、今より格段に景気もよかったはず。そのような状況にあったにも関わらず、なぜ老後に破産してしまう人がいるのでしょうか。

「YOMIURI ONLINE」に掲載された『「老後破産」の現実』には、ファイナンシャルプランナーの柳澤美由紀さんが遭遇した、実際に老後破産をした人について書かれています。

83歳の夫、38歳の娘とともに暮らしている76歳の女性は、現役時代は夫婦ともに地方公務員。貯金は1410万円あり、定年退職後の年金受給額は夫婦合わせて年間500万円で、娘が戻って来るまでは特にお金に困ってはいなかったそうです。

5年前から夫が認知症になり、3年前には結婚して家を出ていった娘が離婚をして実家に戻ってきました。娘は無職であるにも関わらず、両親のお金からクレジットカードで月に20万円もの買い物を続け、家計は年146万円もの赤字に・・・。

さらに女性が狭心症で入院することになり、退院後は夫の世話が難しくなるため有料老人ホームを探したところ、月25万の費用がかかることがわかりました。今の状態でも赤字なのに、娘の出費に有料老人ホームの費用を足せば、完全に老後資金が底をつくことがわかったそうです。この女性の場合、柳澤さんに相談して家計を見直したことから、何とか持ち直すことができました。

このように、きちんと貯金をして年金を受給している人でも、予期せぬ出来事が原因で、一気に老後破産となってしまうことがあるようです。

どんな人が破産するの?どうして破産するの?

老後破産, 貯金 (写真=Thinkstock/GettyImages)

日経BPネットの「老後破産:高齢者世帯の約4割! 多くの人が逃げられない「老後破産」、原因と対策は?」によれば、老後破産の原因として、住宅ローンや子どもの教育費、医療費の負担などが原因で想像以上の出費となり、老後に必要なお金が足りなくなってしまうケースが多いことが述べられています。

興味深いのが、必ずしも「低収入の家庭」が老後破産になるわけではないという点です。J-CASTの『「収入多い人」も危ない 老後破産を招く「思い込み」』によれば現役時代に収入が多い人ほど、お金の心配をせず住宅ローンを組む、教育費をかけて子どもを有名校に通わせるなどの結果、老後を支える貯金が足りなくなってしまうケースも少なくないようです。

破産したらどうなるの?

老後破産となり、生活が立ち行かなくなってしまった場合はどうなるのでしょうか。

自分の子供や兄弟など周囲に面倒を見てくれる人がいればよいですが、独立して生活している世帯は、自分たちの生活を守るのに精一杯という人も少なくありません。「お金がなくなっても身内に頼ればいい」という考えは、現実には難しいといえるでしょう。

収入がなく援助してくれる人もいない場合には、生活保護を受けるか自己破産をするという方法があります。生活保護を受ける時には、所有する車や現金などの資産は手放さなければいけません。生活のためにどうしても車が必要という場合には所有が認められることもありますが、生活保護の受給中にはさまざまな制約があります。

住宅ローンなどがまだ残っているが、支払う能力がない場合には自己破産をすることで、支払いをする義務がなくなります。しかし当然、所有していた家も自分のものではなくなります。

若い時からお金の使い方・貯め方を見直そう

元気に働くことができている今は、老後のことはどうしてもイメージがつきにくいですよね。高齢者になった時、たとえ健康状態に問題がなく仕事をしていても、現在と同じような収入があると考えるのは難しく、年金や貯金をメインに生活を賄うことになるでしょう。「これくらい貯金しておけば大丈夫だろう」と思っていても、足りなくなってしまう可能性もあります。

長生きできる社会になった現在は、その長い人生を乗り切るだけの資金が必要です。老後破産してしまうような老後を送らないために、安易にローンを組んだり浪費したりするのではなく、人生を見通したお金の使い方、貯め方を考えた方がよいでしょう。

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