(写真=DAILY ANDS編集部)

家計簿はつけなくてもいい!賢い女はマイナス金利時代をこう生きる

お金の専門家と日経WOMAN編集長の対談から㊤

「家計簿はつけなくてもいい」
「資産運用をしなくてもお金は増える」
「『長期投資すればいい』に騙されてはいけない」

お金の常識を覆すこんな発言が飛び出すセミナーが2016年10月15日、東京都内で開かれました。

セミナーのタイトルは「マイナス金利時代のお金の知恵」(オフィス・リベルタス主催)。この日の講演の中から、ファイナンシャル・プランナー(FP)の前野彩さん、経済コラムニストの大江英樹さん、『日経WOMAN』編集長の安原ゆかりさんの3人による対談を上、中、下の3回にわたってお届けします。

さまざまなお金の情報が飛び交う中で、私たちは一体どのようにしたら安心して将来を迎えられるのでしょうか。対談には、そのヒントがたくさん含まれていました。

【お金の専門家と日経WOMAN編集長の対談から。上・中・下】
家計簿はつけなくてもいい!賢い女はマイナス金利時代をこう生きる
「不安の見える化」できてる?老後も貧困も怖くなくなる、唯一の方法
リボ払いは「誘惑の宝庫」。手を出したら絶対にダメな理由とは

家計簿は本当に「つけなくてもいい」のか?

安原:『日経WOMAN』の安原と申します。簡単に私の自己紹介をさせていただきますと、ずっと雑誌づくりをしておりまして、『日経マネー』という月刊誌の編集長をしていたこともありました。そのあと、『日経おとなのOFF』というシニア向けの雑誌をやって、現在『日経WOMAN』をやっています。

きょうのテーマに、「常識を疑え。思い込みがムダを生む」っていうのがあると思っていて、すごく共感しています。

最初に、今日のセミナーで常識が覆されたのが、前野さんの「家計簿はつけなくていい」ということ。本当につけなくていいんですか?

前野:正直、面倒くさくないですか?(笑) つけた方が家計の見直しはしやすいですが、多くの人が仕事をしていますし、趣味は楽しみたいし、自分の時間がほしい。そんな中で、家計簿にどこまで自分の時間をかけるかということを選択することが大事なんだと思います。

相談者の中に家計簿をつけている人はいますが、つけていても振り返り方がわからない、とおっしゃる人も多いです。結局、振り返り方がわからなければ道具としての魅力は半減してしまいます。だったら家計簿をつけなくてもいいから、お金がうまく回る仕組みをつくる方に労力をかけた方がいいと思うのです。

手書きの記録にこだわらず、最近はアプリを使って、賢く手間を掛けずにやる方法もアリだと思います。

マイナス金利時代のお金の知恵,前野彩,大江英樹,安原ゆかり 対談に先立って行われた、前野さんの講演の様子(写真=DAILY ANDS編集部)

安原:大江さんは一時期、戦略的に家計簿をつけていたとお聞きします。

大江:そんな大層なものではありませんが、定年退職の前後4年間ぐらいつけました。生涯の自分の生活費がどれくらいかかるのかを考えるために、定年前と定年後の生活費おおよそ把握することが大事かなと思って。

その結果、定年退職すると、最初は仕事もしていなかったので、意外と生活費がかからないとわかりました。そうすると安心感がでてくるんです。そういう意味では家計簿って大切すね。

安原:自分の体型を知るために体重計に乗る、みたいな感じでざっくりわかるといいんですかね。

前野:そうですね。現状を知るために、家計相談に来た人に1カ月だけ家計簿をつけるのをおすすめします。太ったなと思ったら体重計に乗って今の自分を確認しますよね。それと同じように、お金も現状把握をして、いつの時点と比べて何キロ太ったのかを把握したり、理想と比べて何キロやせたいか目標設定をするイメージですね。

現状をキープする段階になると、家計簿をつけなくてもある程度は大丈夫になりますから。

安原:体重が増えているときに体重計に乗るのは嫌ですけど、仕方ないですね。(笑)

大江:「貯蓄は記録をつけない方がいい」という考え方もありますよ。最初のうちは頑張って貯蓄してもそんなに増えないじゃないですか。知らないうちに増えているのが一番いい。その代わり、支出をおさえられているかどうかは頻繁に見る。心理的にはそちらの方がいいのかな、という考え方です。

「貯蓄は家計の◯割」を気にしてはいけない

安原:あと、家計で気になることとして、何割ぐらいを先取り貯蓄するのが健全なのか。これはどう考えたら良いでしょうか?

前野:その質問はすごくよく聞かれるんですが、「正解はありません」と答えます。いつも、「その人が何にお金をかけたいのか」から逆算します。

取材のときとかにすごく聞かれるんですよね。「先取り貯蓄は家計の◯割!」と見出しに入れたい気持ちはわかるんですけど(笑)、平均値にこだわる人の方が逆に貯められません。情報に振り回されちゃうんですよね。自分がどこにお金かけたいのかが曖昧だと、結局貯蓄をしても続かないんです。

大江:何割が適当ですか?とか、そういう質問って多いですよね。気持ちはよくわかるけど、ケース・バイ・ケースとしか言いようがない。やっぱりね、自分が本当に何をしたいかを考えるのがものすごく大事なんです。そもそも、何のためにお金を貯めるんですか? お金は目的じゃなくて手段です。

漠然と「とにかく貯める」と思っても生活は変わらない。こういうことは絶対お金をかけたいとか、ここはムダだからやめようとか、優先順位を付けることが大事です。

マイナス金利時代のお金の知恵,前野彩,大江英樹,安原ゆかり この日講演した前野さんと大江さんの著書(写真=DAILY ANDS編集部)

次回は「なぜ老後の不安がなくならないのか」

家計簿や貯蓄など、マネーの初心者にとっては身近な話題から始まったこの対談。次にテーマになったのは「老後の不安」についてでした。(「不安の見える化」できてる?老後も貧困も怖くなくなる、唯一の方法に続く)

【お金の専門家と日経WOMAN編集長の対談から。上・中・下】
家計簿はつけなくてもいい!賢い女はマイナス金利時代をこう生きる
「不安の見える化」できてる?老後も貧困も怖くなくなる、唯一の方法
リボ払いは「誘惑の宝庫」。手を出したら絶対にダメな理由とは

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