
(写真=Thinkstock/Getty Images)
最終チェックは「商品コスト」「サービス」。個人型確定拠出年金の金融機関の選び方③
運用の利回りに大きく影響するので要チェックです!
2017年1月の対象者拡大を前に、老後の自分年金づくりにぴったりの制度「確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん、略称:DC)」をめぐる金融機関同士の競争がどんどん活発化しています。
ネット証券最大手のSBI証券では、2017年11月8日より3商品を追加し、53商品のラインナップになります。また、りそな銀行では2018年12月末までは残高にかかわらず2年間は運営管理機関手数料が無料というキャンペーンを始めました。
このシリーズは、今後ますます注目のDCについて、ほぼ週1回のペースでわかりやすく解説しています。今回は、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo、イデコ)の口座を開く金融機関の選び方について、商品コストとサービスの観点から解説していきます。
【確定拠出年金シリーズはこちらから】
1. これから注目の「確定拠出年金」。そもそも年金ってどんな制度?
2. ん?同じじゃないの?「確定拠出年金」と「確定給付年金」の違い
3. 確定拠出年金に加入できるのはどんな人? 掛け金の上限はいくら?
4. 「口座管理料」が安いのはこの3社!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方①
5. 「商品ラインナップ」も重要!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方②
6. 最終チェックは「商品コスト」「サービス」。個人型確定拠出年金の金融機関の選び方③
商品コストは、投資信託の「信託報酬」で見よう
iDeCoでは、「定期預金」「保険」「投資信託」の3分野から商品を選べます。このうち、チェックしてほしいのは、投資信託の「信託報酬」というコストです。これによって大きな差が生じるからです。
投資信託は一般的に、購入時に「購入時手数料」が、運用期間中には「信託報酬」が、解約時には「信託財産留保額」がかかります。このうち、iDeCoでは、購入時手数料と信託財産留保額がかかる商品が少ないです。
一方、通常通りかかってしまうのが「信託報酬」というコストです。iDeCoでは一般よりも安く設定されていますが、運用期間中ずっとかかるものなので、あなどってはいけません。
資産運用でどれくらいの利回りが確保できるかは、ほぼコストが決め手となっていると言って過言ではありません。いくら価格が上昇していても、コストが高ければ帳消しになってしまうからです。継続的なコストとなる「信託報酬」は、トータルの運用益に大きな影響を及ぼすことを覚えておきましょう。
コストの低い商品がそろっている金融機関はココ!
では、コストの低い商品がそろっている金融機関はどこでしょう。投資信託の中でも信託報酬が低い「インデックス型」の最安値を比べてみましょう。
表を見ると、楽天証券、SBI証券、りそな銀行、野村證券が信託報酬の低いインデックス型をそろえていることがわかります。
また、バランス型投資信託(国内外の株や債券などにバランスよく投資する金融商品のこと)の信託報酬で比べてみると、楽天証券は0.648%〜1.55%、スルガ銀行は1.1016%~1.674%、SBI証券は0.1836%~1.296%、りそな銀行は0.1944%~1.134%、野村證券は0.2376%〜1.7%となっています。
コストの低い商品の品そろえの観点では、楽天証券、SBI証券、りそな銀行、野村證券に軍配が上がりそうです。
金融機関を選ぶ時はサービスのよさもポイント
iDeCoへの加入者がまだ少ないことと、利益が少ないなどの理由から銀行や証券会社の中には取扱窓口がないところが少なくありません。
その代わり、ホームページ上に手数料や商品の情報を掲載したり、資料を請求したりする仕組みになっています。また、コールセンターなどが置かれ、そこが問い合わせに対応するのが多いのが実情。
サービスのよい金融機関とは、
①店頭で制度説明や加入相談、申込の受付まで対応している
②ホームページ上でわかりやすく情報公開をしている
③コールセンターの対応がよい
④申込の手順がわかりやすく調べやすい
と言えるでしょう。
りそな銀行では、約600店でiDeCoの制度説明や加入相談、申込の受付まで対応してくれます。筆者が調べた限りでは、サービス面ではりそな銀行に軍配が上がりそうだと感じました。
総合的におススメする3つの金融機関
以上、口座管理料、商品ラインナップ、商品コスト、サービスの4点で金融機関を比較してきました。
総合的に見て、ズバリおススメするのは、楽天証券、SBI証券、りそな銀行の3つ。これら3つの中から選んでおけば間違いないでしょう。
次回は、自分にあった運用方法について解説します。(続く)
【確定拠出年金について、筆者が一から十まで詳しく説明した本がこちら!】
頼藤太希さん、高山一恵さんの著書『一番わかる 確定拠出年金の基本のき』
【確定拠出年金シリーズはこちらから】
1. これから注目の「確定拠出年金」。そもそも年金ってどんな制度?
2. ん?同じじゃないの?「確定拠出年金」と「確定給付年金」の違い
3. 確定拠出年金に加入できるのはどんな人? 掛け金の上限はいくら?
4. 「口座管理料」が安いのはこの3社!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方①
5. 「商品ラインナップ」も重要!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方②
6. 最終チェックは「商品コスト」「サービス」。個人型確定拠出年金の金融機関の選び方③