(写真=Thinkstock/Getty Images)

老後の生活資金が不安。年金だけで生活できる?

老後はまだまだ先と思いつつ、不安ですよね……

老人の貧困層が増えているというニュースなどを見て、自分の老後が不安になったことがありませんか?将来的に2人で1人の老人を支えるというデータを聞いたことがある方も多いかと思います。またメディアなどで「老後破綻」について特集が組まれているのを目にする機会も増えました。

「平成28年度 生活保障に関する調査」(生命保険文化センター調べ)によると、現在老後に不安を感じている人は、なんと86%。

現在、貧困老後の状態にある高齢者は年々増加しており、今では4人に1人が貧困層というデータもあります。貧困とは、夫婦で年収160万円に満たない状態のこと。確かに160万円では2人で暮らすのは大変そうですね。

ではいったい、いくらあれば不安のない老後の生活ができるのでしょうか。

老後の生活費、いくらかかるの?

65歳で退職した夫、専業主婦の妻というケースで考えてみましょう。

「平成27年度家庭調査年報」によると、食費や水道光熱費、衣服代、住居費、医療費、交通・通信費、娯楽など生活に必要な支出を含めると、総支出は月28万7373円。男性の平均寿命が80.79歳、女性の平均寿命が87.05歳なので、老後はほぼ20年。これで計算すると、老後に必要な金額は下記の通りとなります。

28万7373円✕12カ月✕20年=6896万9520円

受け取る年金をまったく考えず、貯金だけで老後をまかなおうとすると、なんと6800万円以上が必要という計算に。ここから大きな病気になったときの医療費や要介護状態になった時の介護費、家のリフォームなどを考えると、もっとお金は必要になります。

年金だけで老後の生活ができる?

老後の主な収入源は、やはり「年金」です。

先ほどと同じ65歳で退職した夫、専業主婦の妻という夫婦の場合で考えてみましょう。

社会保障給付(国民年金)が19万4874円、その他が1万8505円、月の総収入は21万3379円となります。前述の通り、総支出は28万7373円なので、総収入から総支出を引くと以下のようになります。

総支出21万3379円–総支出28万7373円= ▲7万3994円

毎月7万3994円の赤字なので、数字だけを見るとやはり年金だけで老後を暮らすのは難しいといえるようです。

老後はいくら準備すれば不安がない?

まずは自分が老後、いくら年金をもらえるかをチェックしてみましょう。

毎年、日本年金機構から誕生月に「ねんきん定期便」が届いていると思います。その中の老齢年金の見込額を確認してください。この金額をもとに、老後に必要な資金はいくらかシミュレーションしてみましょう。

この夫婦の場合、毎月赤字額は7万3994円なので、老後に準備する資金は

7万3994円✕12カ月✕20年=1777万58560円

1700万円以上に準が必要ということになると、結構大変ですね。

単純に1700万円貯めるには、月々3万6000円弱ずつ積み立てて、ちょうど40年ほどかかります。この気長な方法もひとつではありますが、インフレや、今のゼロ金利などを考えると、あまりお得な方法とはいえません。また、不慮の事故や病気などに備えて、もう少し余裕を持った準備資金がほしいところです。

もちろん、会社員や公務員など共働きしている家庭なら、それぞれ退職金や企業年金もありますので、もっと少なくても大丈夫かもしれません。

でも逆に自営業のご夫婦だと国民年金しか年金がないので、もっと多くの準備が必要になるでしょう。さらに寿命も伸びてきていますし、年金の受給年齢が70歳、75歳まで引き上げられることも十分に考えられます。

貯金がただ減っていくだけの生活は不安ですよね。老後もなんらかの手段で収入を得る方法をしっかり考えておかないと、厳しい老後となりそうです。

退職してからも仕事はある?

老後不安 (写真=Thinkstock/Getty Images)

余裕ある老後を過ごすために、やりがいや生活の張りのために、退職してからも働きたいと考える人も少なくないはず。老後貧困にならないために、退職後でも、これまでの経験と実績が生かせる仕事について考えてみましょう。

・講師業
その道のプロとして過ごしてきたのであれば、豊富な経験と知識があるはずです。その知識を生かして後進のために指導者となったり、講演を行なったりといった道があります。専門的な仕事をしてきた人におすすめです。

・執筆業
近年、自社サイトやコラムサイトを運営している企業が増えています。それに伴い、コラム執筆案件の求人が急激に増加しています。今までの経験や、専門的な意見などをコラムに反映していくことができます。

・接客業
高齢の店員さんを見かける機会が増えてきました。若い人に比べ、言葉遣い、物腰などが丁寧で、気遣いも上手な方が多いようです。

・士業
税理士や弁理士といった「士」のつく資格を取っておくと、老後に大変役に立ちます。国家資格ですのでどれも難関ですが、定年はなく、元気なうちはずっとできる仕事です。

人生100年時代の老後とは

老後を年金だけで生活することは、やはり難しいといえます。でも、早めに計画を立てて準備することで、貧困化するリスクは大幅に減らせるはずです。

最近では人生100年とも言われるようになってきました。65歳で定年退職したとすると、なんと老後は35年。もはや老後でなく、別の生活を送る手段を考える必要があります。

この長い期間に貧困化しないためには、まずは貯金。節税効果の高い確定拠出型年金などを上手に利用して長期にお金を貯めていきつつ、物価の上昇を考えると投資も何らかの形で行っていきたいものです。

また、定年後も働ける資格を取得するなど、労働収入の手段も考えておく必要があります。長い老後を誰と、どこで、どうやって過ごすかをきちんとシミュレーションすることで、豊かな老後が見えてくることでしょう。

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集