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企業型確定拠出年金とは? 個人型と併用できるってホント?

今話題の「個人型」との違いをあらためて要チェック

2017年1月から「個人向け」の確定拠出年金が自営業者や主婦にも拡大されます。それもあって「確定拠出年金」の言葉をメディアでよく耳聞きするようになりました。

ところで「企業型」の確定拠出年金制度がある企業に勤めている人も、制度に「とても詳しいよ!」という人はあまりいないと思います。これを機に、制度の概要について把握しておきましょう。

企業型の確定拠出年金とは

確定拠出年金(DC= Defined Contribution)のうち、企業型の特徴は、会社が年金として積み立ててくれる(拠出する)掛け金を自分で運用するというものです。運用商品は債券や投資信託、預金といったラインナップから選びます。

60歳から70歳までの希望する時期から受け取れるようになります。5年~20年の期間で年金として受け取るか、一時金として受給することもできます。

運用の結果に左右されますから、運用の成果が上がれば年金額が増えますし、うまくいかなければ受給額は減ります。

ポイント①税制面で優遇を受けられる

日本では通常、株式や投資信託の売買で利益が出た場合や、普通預金の利息に対して、20.315%の税金が源泉徴収されます。確定拠出年金で運用する場合は利息、配当、売却益などすべてのもうけに対して非課税です。ただし、もちろん途中で引き出しして使うといったことはできません。

将来、受給するときには、年金形式の受け取りの場合は公的年金等控除の対象になり、一時金の場合は退職所得控除の対象になります。

ポイント②年金が3階建てってどういうこと?

確定拠出年金は国が管理している「公的年金」に上乗せするものです。年金は3階建てとよく言われており、

  • 1階部分として、20歳以上が加入を義務づけられている国民年金
  • 2階部分として、1階部分に上乗せする、会社員、公務員の厚生年金(2015年10月から公務員の2階部分である共済年金が廃止され、厚生年金に一元化)
  • 確定拠出年金は、さらに上の3階部分に相当します。

公的年金は確定給付型(DB=Defined Benefit)と呼ばれています。掛け金を管理する機関が皆の資産を取りまとめて運用し、将来的に給付される年金額は、国や企業が約束してくれます。

世間でよく言われている年金問題は、多くの場合、この1階・2階部分を指しているようです。運用を自分でコントロールできる確定拠出年金をうまく活用していきたいところです。

運用の状況を確認したい場合

年に1~2回、運用にかかわる報告書が郵送されてきます。それ以外にも、随時、ホームページでその時の資産について確認ができます。時々は運用の状況を確認したり、資産の配分がそのままでいいかなど(リバランス)を検討してみると良いでしょう。

個人型との違いは?併用できる?

企業型確定拠出年金は、勤務先の企業が企業型確定拠出年金を採用している人が使える制度です。対して、個人型確定拠出年金を利用できるのは、勤務先が制度に加入していない勤め人や、自営業者でした。

2017年1月1日からは、宙に浮いていた、公務員や専業主婦(夫)も、国民年金保険料を支払っている人なら誰もが確定拠出年金のメリットを享受できることになります。個人型確定拠出年金には9月からiDeCo(イデコ)という愛称も決まりました。

企業型確定拠出年金を採用している企業に勤務している人も、個人型と企業型を併用できる場合があります。詳しくは勤め先に確認してみましょう。

個人型の特徴

  • 掛け金は全額自分が出資する(専業主婦は月額2万3000円まで、自営業者は国民年金基金への拠出と合わせて月額6万8000円まで、など上限あり)

  • どの金融機関を利用するかを自分で選ぶ(金融機関によって商品ラインナップ・手数料に違いあり)

  • 掛け金が全額所得控除 節税効果が気になる人は、以下のサイト(中央労働金庫)で試算できます。

http://chuo.rokin.com/tameru_fuyasu/kakutei/simulation/index.html

企業型の掛け金はどのくらい?

掛け金には上限があり、厚生年金基金等の確定給付型の年金を実施しているかどうかでその金額が変わります。企業型と個人型を併用する場合は異なることがあります。

  • 確定給付型の年金を実施している場合:月額2万7500円
  • 確定給付型の年金を実施していない場合:月額5万5000円

企業型, 確定拠出年金, iDeCo (写真=Thinkstock/GettyImages)

退職前に知っておきたい「脱退一時金」

確定拠出年金は、基本的には60歳以上になってから引き出す制度ではありますが、企業型の資産残高が15000円以下の場合、企業型の加入期間が3年以下か資産額が50万円以下の場といった条件を満たせば、脱退してそれ以前に一時金を受け取ることもできます。受け取る場合は一時所得として税金の優遇もあります。

勤続3年以上か3年未満かという分かれ道

企業型の場合、拠出額の全額を受け取れるかどうかの判断で「3年」というキーワードが出てきます。確定拠出年金法の第4条で、掛け金のすべてを受け取れるかどうかは「勤続3年以上」とされているのが根拠になります。

ただ、これは企業として必ず守らないといけないわけではなく、規約で「〇年以上務めた人は50%を返還、それ以外は給付する」などと定めているケースもあるようです。その企業に勤務した年数が3年未満であれば、掛け金の全額と、退職する時の確定拠出年金の時価評価で、金額が多い方を受け取れます。つまり、運用の結果利益が出ていれば、その分は個人の取り分になります。

まとめ

確定拠出年金は、老後に受け取るための資金として公的年金に上乗せして、個人が運用の内容を決める仕組みです。掛け金が所得控除を受けられ、運用で出た利益は非課税、年金を受給する際にも税が優遇されるなど、さまざまな場面で優遇を受けられます。

運用の内容も、元本保証の預金から、社債、投資信託などのラインナップから商品を選ぶことができます。将来的に受け取る額は運用成績によって異なります。リタイア後の生活に向けて、今からできることを少しずつやっていきましょう。

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