(写真=Thinkstock/Getty Images)

ノーベル賞受賞者にユダヤ人が多いワケ。ユダヤ人家庭の教育方法とは

迫害の歴史で得たもの。グローバル社会に通じる知恵とは

ユダヤ人でパッと頭に思い浮かぶのは、アインシュタインのユニークな肖像という方も多いかもしれませんね。

「Jewish Journal」に2013年10月に掲載された『ユダヤ人にノーベル賞の受賞者が多い5つの理由』によると、ユダヤ人は世界の人口の0.2%であるのに対し、ノーベル賞受賞者のうち、ユダヤ人が占める割合は22%にもなるといわれています。

人口に対し、非常に高い割合でノーベル賞を受賞しているユダヤ人。この理由を「Jewish Journal」の解説をもとに考察していきます。

ユダヤ人がノーベル賞を受賞している分野は?

イスラエルの都市リション・レジオンに「ノーベル賞の並木道」と呼ばれる通りがあることをご存じですか?ここには、ノーベル賞を受賞したユダヤ人の記念額が設けられています。

しかし、ユダヤ人は過去の迫害の歴史から世界各地に離散し、そのまま移住した人も多いようです。米国に住むユダヤ人は、現在、人口の2%を占めているとされています。

ユダヤ人は移住先でも2代、3代にわたってノーベル賞を受賞しています。ノーベル賞には、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞、文学賞、平和賞、経済学賞の6つの賞がありますが、6つすべてにわたって受賞していることから、どの分野においても優秀だといえますね。

世界のノーベル賞受賞者の22%はユダヤ人。さらに米国の受賞者でみると、36%がユダヤ人となっています。

なかでも多く受賞しているのが経済学賞で、じつに世界の38%をユダヤ人が受賞しています。次いで生理学・医学賞、物理学賞が多く、それぞれ26%を占めています。

ノーベル賞受賞者にユダヤ人が多いのはなぜ?

なぜノーベル賞受賞者にユダヤ人が多くなっているのでしょうか。その理由は、ユダヤ人がこれまで歩んできた歴史と無関係とはいえないようです。

子供の頃からバイリンガルやトライリンガル

ユダヤ人には、世界中の国々に移住したり戻ってきたりという生活を送ってきた歴史的背景があります。ユダヤ人が主に使う言語にはヘブライ語やアラビア語がありますが、世界各国に移住してきた経験から、言語も生活習慣も多岐にわたって理解していることが多いといわれています。

12カ国語を操るユダヤ人言語学者のハルペン・ジャック氏は、隣人はハンガリー語、向かいの住民はルーマニア語というふうに、小さい頃から世界各国の言葉が飛び交うなかで自然に多言語を覚えていったといいます。

理解できる言語が多ければ、その分多くの情報を早く正確に仕入れることができ、勉強や研究の質があがるといえるのかもしれませんね。

迫害の歴史が「知識」の価値観を高めた

ユダヤ人は迫害の歴史のなかで、「生きている限り奪われないもの、それは知識である」という言葉を残しています。

故郷を離れ、新たな土地に同化してもまた逃げなくてはならないという過酷な状況を経験してきたユダヤ人にとって、「知識」が自分たちの未来を切り開く唯一の手段だったといえるかもしれません。

生きる手段として知識を身につけること。この考えが、ユダヤ人の教育方針の根底にあります。

ノーベル賞, ユダヤ人, 受賞者, アインシュタイン (写真=Thinkstock/GettyImages)

優秀な人を産出するユダヤ人の教育方法とは?

たくさんのノーベル賞受賞者を生みだす秘訣とはどのようなものなのでしょうか。教育方法にヒントがあるのならば、積極的に取り入れたいところですよね。ユダヤ人の思考方法をみていきましょう。

ユダヤ教は分析することに重きを置く

ユダヤ人が信仰するユダヤ教では、教義をただ暗記するのではなく、学習と分析が重要であるとされています。ここに重要なキーポイントがありそうです。

日本の教育の場合、暗記をすれば学校で優秀な成績を取れるようになっています。ですが、インプットしてそのままアウトプットするだけでは、新しい物を生み出すことはできません。

ユダヤ人はあらゆる状況に際し、「なぜ?」「どのように?」と、事実の分析から実践する方法まで思考することが子供の頃から養われているのです。

好きな分野の分析ならば楽しい

暗記は、脳に書き込んで必要な時に必要な物を出してくるという、いわば単純作業。つまらないと感じる人も少なくないでしょう。

分析をするということは、ひとつの事柄に仮説をたて、データを読み取りながら深く掘り下げていくという個性的かつ能動的な行為です。自分の仮説が正しくないと気がつけば、これまでとは違ったアプローチが必要になり、柔軟な思考が育っていくといえます。

自分が好きな分野であればなおのこと、楽しくわくわくする瞬間が多くなるでしょう。

分析脳は生き抜くための知恵

ユダヤ人にとって、物事を多面的に見ることは生き延びるうえで必要なことでした。世界各国の文化を理解し多言語を操りながら、学習と分析によって自分たちが生き延びる場所を獲得してきた背景があります。

グローバル化が進む現代、ユダヤ人の論理的な分析思考や教育哲学から学べることは多い、といえるのではないでしょうか。

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