
(写真=Thinkstock/Getty Images)
独身でも構わない。中国キャリアウーマンの「超人的」生き方とは
人の目なんか気にしない!
フォーブス誌が発表した「2015年版世界でもっとも権力のある女性100人」。中を見てみると、日本人女性は一人もランクインしていません。一方、アジア圏からもっとも多くランクインしたのが中国人で5人となっていました。
一体、中国のキャリアウーマンは、どのような人が多いのでしょうか? 中国人女性を妻に持つ筆者がひもといてみました。
中国企業では男性よりも女性が優位
中国女性は、家庭内は言うに及ばず、ビジネスでも実権を掌握している、と言っても過言ではありません。中国の企業では男女の地位は女性の方が優位に立ち、一部地域では大学進学率でも女性が男性を上回っています。
それではどのように地盤を確立してきたのでしょうか? まずは歴史の面から見てみることにしましょう。
1人っ子政策は働く女性にとって「良い条件」
中国の男女の地位の歴史をひもとくと、1949年の共産党政権誕生までさかのぼります。
当時、中国では共産党政権によって地主が追放され、今までなら使用人として独身のまま生涯を終えたであろう男女が結婚できるようになりました。この結果、世帯数は増え1940年から1980年までの40年間で人口は2倍となり、1人っ子政策導入の原因ともなりました。
1人っ子政策と経済の改革開放政策は、ほぼ同時(1978~79年)に始まっています。このとき男女は同等に、新しい市場経済へ飛び出しました。
子供が1人に制限された結果、女性たちは育児や家事に拘束されにくくなります。性差を越えて実力の世界で地位を上昇させていったのです。
他人より先に貧困から脱して成功してみせるという目標は明確で、男女関係なく仕事か家庭かの選択で悩む余地もありません。成功した人は、仕事に貪欲だった以外に力みはなく、自然体でした。
結婚しないバリキャリの誕生
中国のキャリアウーマンたちの人物像を一言でいうと、「欲しいものは何でも手に入れる」、という気迫に満ち、実際にそれを実現してきた超人です。
中国では元々自らを飾りたがる儒教的傾向に加え、都市は農村を見下し、上層の人間は下層の人間を見下す傾向が年々ひどくなっています。さらに、公の意識も希薄のためキャリアウーマンたちもその例にもれず、自己中心的です。
日系企業に勤めるキャリアウーマンでも、出産に関しては法的権利を最大限に主張し、それをしっかり行使するのが一般的です。
一方で、キャリアウーマンは、自分より下の階層の男性や自分の地域よりも田舎であれば除外され、相手も自分の地域出身者に限定されてしまう場合もあります。
子どもを産むことに対する考え方は?
日本人との違いという観点でいうと、DINKS(共働きで子供を作らない夫婦)、という発想はなさそうです。
なぜなら中国人は、神仏や他人を信用しません。信じるのは家族、一族と風水くらいです。まして貧乏でも結婚できるようになったばかりの中国では、結婚して子供を産み、家族を形成することは極めて自然な選択でした。このためか、未婚の母というケースは、実話でもテレビドラマでもあまり見聞きしません。
ちなみに最近は条件を下げるくらいなら独身でかまわない、というケースも増えているようです。中国のキャリアウーマンはもしかすると、一度結婚をしないと決めたら、恋と仕事に生きればよいと割り切りができているのかもしれません。
その芯の強さは、どのような家族の境遇でもまったく関係ないように見えます。
人の目を気にしないで我が道を行く、そのような生き方は見習うところなのかも知れませんね。