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「私、お金持ちなのに可哀そう」。資産家のお嬢様C子さんの不安に対する処方箋

お嬢様の「私、お金持ちなのに可哀そう」という気持ちを紐解く!

FP&心理カウンセラーの筆者のもとに、このようなお客様が来ました。

C子さんは資産家のお嬢さまなのですが、「私、かわいそうなんです」とずっとおっしゃってます。どうしてそう思うようになったのでしょうか?

お金持ちであることがアイデンティティ?

C子さんは十分な収入があり、立派な家に住み、金銭的には問題はありません。ただ、お父様が亡くなられたとき、親族の話し合いで予定より遺産が少なくなってしまったこと、それがきっかけで家族が不和になってしまったことを気にかけていました。さらに、みんなお金目当てに近づいてきているように感じて、心から相談できる友達がいないともおっしゃってました。

お話を伺っていて、C子さんの論点は2つあるように思いました。

  • 自分をかわいそうだと思っている
  • 自分はお金持ちとして振る舞いたい

では、これらの原因はどこにあるのでしょうか。

「自分はかわいそう」と思っている原因

1つ目の、自分をかわいそうだと思っている原因は幼少期のお父様の言葉にありました。お父様がごく普通に「家族を養っている」と言われたときに、それを「自分は親に負担をかけている。自分はお金を使ってはいけない」と勘違いして受け取ったようです。

以来、自分は慎ましく、我慢して生きなければいけないと心のどこかで思っていたようです。それが、「いつも我慢している →自分はかわいそう」という思いに繋がっていきました。

しかし、自分がかわいそうと思っていると、どんどんかわいそうな状況を引き寄せてしまいます。遺産が予定より少なくされてしまったのも、家族が不和になったのも、実は自分の心が引き起こしています。自分がかわいそうでいたい状況を引き起こしてしまうのです。

「お金持ちとして振る舞いたい」原因

2つ目の、自分はお金持ちとして振る舞いたいという思いは、1つめの「かわいそう」から自分を守りたくて出てきた思いかもしれません。「私はかわいそうなの。でも、本当はお金持ちのお嬢様なの」と思うことで自分に価値を与えていました。しかし実は、そのお金持ちと思われたいことが、お金目当ての人を寄せ付けていました。

父親からの気持ちが一番の薬だった

ファイナンシャルプランナー, 心理カウンセラー, お金持ち (写真=Thinkstock/GettyImages)

「私かわいそう」と「私、本当はお金持ちなの」、相反する2つの気持ち。そこで私は、C子さんには、自分がどんなに親に愛されていたのか思い起こしてもらうようにしました。他の兄弟と違う扱いだったのでしょうか?どんな会話をしていたでしょうか?お父様が「家族を養っている」とおっしゃった時、どんな表情だったでしょう?

自分は親に負担をかけている存在ではない、それどころか大切に育てられていたことがわかれば、自分がかわいそうという思いはなくなります。そうすれば、そのために自分はお金持ちであると示す必要もなくなります。

C子さんは、これからもう少しリラックスして生きていけるようになると思うとおっしゃっていました。

お金はもちろん大切です。しかしC子さんへの処方箋は、C子さんが忘れかけていたお父さんからの愛情を思い出すことでした。「私かわいそう」はある意味、自己愛の象徴。他者から、または他者への愛を思い出すことで、C子さんはほんのちょっぴりお金に換え難いものを手に入れたのかもしれません。

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