(写真=Thinkstock/Getty Images)

延期だけど影響大!築地移転による「狙い目」の3分野とは

ここに投資をしてみては!?

2016年8月31日、東京都の小池百合子知事は、11月7日に予定されていた築地市場の豊洲新市場への移転を延期する方針を正式に表明しました。新たな移転時期は、来年2月以降になるようです。築地市場の老朽化から安全面・衛生面の問題はすでに表面化しています。2020年の東京オリンピックまでに築地を再開発するといった時間的な問題もあります。移転が中止になる可能性は低いでしょう。

では、築地市場移転でメリットを受ける銘柄にはどのようなものがあるのでしょうか?

安全・衛生・効率化、築地移転は避けられない

築地市場は、東京都中央区築地にある水産と青果がメインの東京中央卸売市場です。面積は東京ドーム約5個分の23万836平方メートル。その取引金額は世界一です。

1923年の関東大震災で、東京の中央市場だった日本橋魚河岸が壊滅しました。その代替として、水運、陸運どちらにも恵まれていた築地の海軍省所有地を譲り受け、同年12月に臨時開設されたのが東京市設魚市場です。その後、1935年に東京市中央卸売市場が開設されたのが、現在の築地市場の始まりです。

開設からすでに80年以上。市場の老朽化による安全面や、雨漏りといった衛生面での問題、アスベストなどの環境問題も指摘されています。当初は、鉄道と水運が前提で自動車輸送は想定されていなかったため、物流面での効率の悪さも問題化しています。駐車場は常に不足。駐車場渋滞も発生し、積み荷場が離れているため、搬出に数時間かかることもザラだといいます。

そこで東京都は、築地市場を再整備するよりも移転を選択し、2016年11月7日をもって豊洲新市場をオープンすると決定していました。

豊洲新市場は約40万8000平方メートルで、築地市場の約1.7倍以上となります。取扱量も、水産物で1日2900トン、青果物では1日1300トンが想定されており、2013年度実績比で見ると、それぞれ63%、14%増えることを想定しています。駐車場も1000台分以上増え、車両待ち時間はゼロ、搬出入は30~40分となる物流モデルのようです。

移転延期は豊洲の安全確認のため

すでに移転まで2カ月を迎えた段階で延期を決めた最大の理由は、豊洲の土壌汚染問題です。元東京ガスの製造工場だったため、新市場の土壌および地下水から国の環境基準を上回る有害物質数点が検出されました。特に、局地的ではありますが、発がん性物質であるベンゼンが基準値を上回る量で検出されています。

土壌汚染対策法によって、地下水の汚染物質は環境基準以下に減らし、2年間にわたってモニタリングする必要があります。モニタリングにおける最後の採水が今年の11月18日、分析結果が出るのは翌2017年1月くらいになりそうです。したがって、新市場のオープンは安全面を確認してからというのが、延長の最大の理由なのです。

東京都は、すでに約850億円をかけて汚染物質の除去等を進めてきていました。これまでのモニタリング調査では、すでに環境汚染基準を下回る数値になっていて、年明け1月にリリースされる最終報告も問題がないとの結論になるだろうとされています。では、なぜ結論を待たずに開設を急いだのでしょうか?

築地, 市場, 豊洲新市場, 豊洲, 移転, 延期, 土壌汚染, 東京オリンピック (写真=PIXTA)

築地は東京オリンピックでの重要な再開発地域

築地市場跡地は、2020年の東京オリンピックで重要な拠点となります。晴海の選手村と新国立競技場を結ぶ五輪のメイン道路「環状2号線」が、築地の移転跡地を通って建設されることになるからです。

年内にも、築地市場跡地に仮設道路を作り、有明~神田佐久間町間の全線を開通させます。その後、地下トンネル建設を進めて、オリンピック前に完成させなくてはならないのです。時間との勝負となるため、一刻も早く移転したかったのでしょう。

そもそも築地は、外国人居留地だった歴史的背景もあるように、銀座に近いという地利的メリットがあります。再開発は東京オリンピックの核となる大プロジェクトになることでしょう。築地を国家戦略特区として、国際観光拠点にすべく整備を進め、カジノを誘致するという話も出ているのです。

築地市場移転関連銘柄は3つの分野が注目

関連銘柄として注目されるのは、新市場での取引量の拡大と効率化で活性化が期待される水産関連会社、豊洲開発、築地再開発関連という3つのカテゴリーに分かれるでしょう。

【水産関連】

築地市場移転が話題になるたびに物色されていたのは、東京都公認である築地の卸売業7社のうち、上場している築地魚市場 <8039> 、大都魚類 <8044>、東都水産 <8038> 、中央魚類 <8030> の4社でした。市場移転により取扱量の増大が期待されます。2007年に株価が高値を付けた頃は、こういった築地卸売業各社の大株主にゴールドマン・サックス <GS> など外資系投資銀行の名義が出ていた時期もありました。築地移転の利権が狙いではないかともいわれていましたが、現在は大株主から外れています。

また、水産大手のマルハニチロ <1333> や日本水産 <1332> 、極洋 <1301>なども、水産品・水産加工品の扱い拡大のメリットを受けそうです。マルハニチロは、先に上げた卸売業「大都魚類」の筆頭株主でもあります。

【豊洲開発関連】

そのほか、築地移転で話題となるのは、人気のグルメゾーン「築地場外」がどうなるかでしょう。東京都は、築地市場特有の歴史と伝統あるにぎわいを継承・発展させるために、豊洲の商業・観光の拠点として「千客万来」というモールをオープンする予定です。商業施設だけでなく温泉やホテルも計画されているなど、ここを豊洲市場の「場外」として活性化したいようです。

「千客万来」の施設事業者として、当初は大和ハウス <1925> や「すしざんまい」を経営する喜代村(未上場)が運営に関わると見られていました。しかし、両社は事業主体となることを降り、小田原や横浜みなとみらいで温泉を運営する万葉倶楽部(未上場)が事業者と決定しています。建設開始予定は2017年1月、2018年の商業ゾーン、2019年の温泉・ホテルゾーン開業を目指しています。

豊洲が活性化し、東京オリンピックの選手村や競技施設が集まる臨海部と、都心をつなぐ環状2号線建設が開通すれば、地価も上がると見られています。となると、新豊洲一帯に土地やマンションを多く保有する三井不動産 <8801> のメリットが大きそうです。

【築地再開発関連】

豊洲新市場の基幹施設工事を請け負ったのは、清水建設 <1803> 、大成建設 <1801> 、鹿島 <1812> といった大手ゼネコンの共同企業体(JV)です。築地を通る環状2号線の地下トンネルの仕上げは、鹿島 <1812> の子会社である鹿島道路などが受注しているようです。また、防災設備メーカーの能美防災 <6744> は、環状2号線の地下トンネル設備工事や、豊洲新市場のスプリンクラー工事を受注しています。

一方、築地再開発のポテンシャルは豊洲以上に高そうです。国際的なコンベンションセンターやホテル、カジノなどが認可されれば、波及効果はかなり大きくなることでしょう。

築地に本社がある企業には、先にも挙げた築地卸の築地魚市場 <8039> 、大都魚類 <8044>、東都水産 <8038> 、中央魚類 <8030> のほか、三井造船 <7003> 、ニチレイ <2871> 、ホウスイ <1352> 、扶桑電通 <7505> 、小僧寿し <9973> 、ダルトン <7432> 、旭コンクリート工業 <5268> などがあります。今から注目しておくのもよさそうですね。

【無料会員登録】ANDS NOTEであなたも「投資家」デビュー!

ANDS NOTE ANDS NOTEの画面と、株が大好きなゆるキャラ「あんずちゃん」

ANDS NOTEは無料の株式投資シミュレーション機能です。会員登録(無料)をして、気になる企業の「株主」になってみよう!

>>無料会員登録はこちら<<

↓↓記事下「ADD TO ANDS NOTE」から企業を選ぼう↓↓

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に