元ファイナンシャル・アドバイザーの大山さん(左)とFPの北野さん(写真=DAILY ANDS編集部)

資産運用アドバイザーを辞め、ガーナで起業するまで。大山さんが金融機関で感じた疑問

FP北野琴奈が訪ねる『ファイナンス』な女性たち①<前編>

皆さんはじめまして。ファイナンシャル・プランナー(FP)の北野琴奈です。

今回から始まった、「FP北野琴奈が訪ねる『ファイナンス』な女性たち」。文字通り、金融業界にゆかりのある女性にフォーカスするものです。(もちろん、男性の方もぜひご覧ください!)

運用とか投資というと、まだ何か男性的なイメージがついていると感じます。そこでちょっと視点を変えて、「お金の現場」に関わりのある女性にインタビューし、運用や投資について考えてみたら面白いのではと思ったのがこの企画のきっかけです。

ここでは堅苦しい話しをするつもりはなく、取材に伺った方々のお仕事内容や実際現場での話しも含め、様々な視点から考えられる機会にしたいと思っています。

記事を通して、皆さんにお金・運用・投資といったことについてより身近に感じていただけるようになりましたら幸いです。

第1回となる今回は「ファイナンシャル・コンサルタント」として、国内・海外の金融業界で7年間仕事をし、その後アフリカで起業をされたという異色の経歴をお持ちの大山知春さんにお話しを伺ってきました。

金融を選んだキッカケは「食いっぱぐれのない仕事をしたい」

私としては、金融業界にいる女性は、何をきっかけにその道を選ばれたのかが気になるところ。今回お会いした大山さんは大学の英文科を卒業後、2005年に某メガバンクに入行したそうですが、一体なぜだったのでしょう?

画像縮小,大山さん 大山知春さん(写真=DAILY ANDS編集部)

質問すると、大山さんから「学生時代から、食いっぱぐれのない仕事をしたいと思っていたんです(笑)」という明快な答えが返ってきました。

「私の両親は離婚しているのですが、母に生活力があればもっと早くに離婚していたと思うんです。だから、自分1人と子供2人ぐらいは簡単に養える金額、年収1000万円は絶対稼げるようになりたいと就活のときに思いました。また、もともと英語が好きなので、将来は外資系の金融機関に行くことを考えて、銀行に勤めながら英語の勉強もしていました」(大山さん)

資産運用は若いうちに始めないとダメ

大山さんが最初に就職したメガバンクでの仕事は、ファイナンシャル・コンサルタントとして、個人のお客様の自宅を訪問し、それぞれの方に合った金融商品を販売することでした。

「金融業界に入る前と後とでギャップはありましたか?」とお聞きしたところ、「もともと期待はしていなかったので特になかったけれど、資産運用が必要な人と話をしたいのにそれができなかった」というお言葉がありました。

メガバンクでは顧客とのコミュニケーションにメールも使えないため、平日の日中にアクセスできるのはお年寄りばかりです。大山さんの中には「本当に資産運用が必要な人たちなのだろうか?」との疑問が拭えなかったようです。

資産運用はやっぱり若い時からはじめないとダメ。若い時なら失敗してもいくらでもまたお金をつくることができるけれど、定年を過ぎてからだと練習ができません。若いうちに始めないんだったら、むしろやらない方がいいと思います」(大山さん)

ちなみに「大山さんご自身、資産運用はされているんですか?」とお聞きすると、「銀行を辞めたあと、いろいろやりましたね。でも、失敗もたくさんしたので成績はトントンかな(笑)」とのことでした。

画像縮小 北野琴奈さん(写真=DAILY ANDS編集部)

「こんな若いお姉ちゃんに」と言われ、猛勉強

制約が多い当時の仕事から幅を広げたいと感じることも多くなり、大山さんはメガバンク入行から2年弱がたったころ、外資系のファイナンシャル・アドバイス会社へ転職しました。

「資産運用をしたい!」という意志のある個人の方に海外の金融商品などを投資先として紹介するのが仕事です。こちらの会社では裁量が広がり「仕事が初めて楽しくなった」と大山さん。

一方で、「こんな若いお姉ちゃんで大丈夫?」というようなイメージを持たれ、苦労することもあったそうです。

そんな相手の認識を覆すには、圧倒的な知識・経験しかありません。大山さんはありとあらゆる勉強を続け、資産運用の知識を身につけました。すると、どんなに売れている書籍でも、「これは間違った認識」ということもわかるようになります。また、お客様から質問される内容も似たようなことが多いことに気づくように。大山さんは個人のウェブサイトを立ち上げ、情報発信することにしました。

次第にサイトを見たお客さんから運用相談の依頼も入るようになり、最終的には企業に属していなくてもやっていけるくらいになったそうです。

ファイナンスな女性 (写真=DAILY ANDS編集部)

会社が日本法人を閉めたのを機に、タイへ

ちょうどその頃、勤めていた会社が日本法人を閉めて、タイへ移ることになります。「タイ好きだし、ちょっと行ってみようかな」と、フットワーク軽く、大山さんはタイへ移ります。ただ、転職から5年ほどたち、「ちょっとした閉塞感」を感じるようになったといいます。

「最初はみんなすごいなーと思って入ったのが、自分が勉強してスキルアップすると、学べることがどんどんなくなってくるんです。これからどうしようかな?と考えたときに、『私はたぶん仕事が好きだから、ビジネスを勉強すればいいんじゃないか』と。よく知らないのにMBAへ行こうと決めました(笑)」(大山さん)

このとき、大山さんは個人で運営するウェブサイトも軌道に乗っていましたから、将来独立することも見据えてオランダのビジネススクールへ行くことを決めます。

当初、金融業界へ戻ってくるつもりだったのですが、このオランダのビジネススクールでは大山さんのその後の人生を大きく変える出会いがあり、結果として金融とは一見関係のなさそうな世界に大山さんをいざなうことになります。(後編へ続く)

こちらの連載では、「実践型FP」として活躍する北野琴奈さんが、金融業界にゆかりのある女性へインタビューをし、女性の目から見た「金融」や「資産運用」についてお聞きします。

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個性的な連載で「投資」を身近に