(写真=Thinkstock/Getty Images)

ん?同じじゃないの?「確定拠出年金」と「確定給付年金」の違い

確定拠出年金、60歳まで引き出せないのはデメリットではありません

少子高齢化によって将来、受け取れる年金が少なくなるのではないかといわれる中、個人で私的に年金を用意する「確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)」が注目を集めています。2017年1月からは、これまで利用できなかった主婦層などにも対象が広がるとあって、認知度はじわじわと拡大しています。

9月16日には、個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決まったと厚生労働省から発表されました。確定拠出を意味する英語の頭文字の「DC」に、個人で運用する制度の特徴を踏まえ「i」を組み合わせたそうです。

このシリーズでは、そんな確定拠出年金について、「そもそもどんな制度なの?」という部分について根っこから解説しています。今回は、「確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)」と、似た言葉である「確定給付年金(かくていきゅうふねんきん)」との違いを解説します。

【確定拠出年金シリーズはこちらから】
1. これから注目の「確定拠出年金」。そもそも年金ってどんな制度?
2. ん?同じじゃないの?「確定拠出年金」と「確定給付年金」の違い
3. 確定拠出年金に加入できるのはどんな人? 掛け金の上限はいくら?
4. 「口座管理料」が安いのはこの3社!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方①
5. 「商品ラインナップ」も重要!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方②
6. 最終チェックは「商品コスト」「サービス」。個人型確定拠出年金の金融機関の選び方③

確定「給付」ってどういうこと?

まず、「確定給付年金(かくていきゅうふねんきん)」とは、公的年金や企業年金などの従来の年金制度のことです。

確定給付年金の方は、国や企業が将来の年金の額を約束するものです。将来受け取れる(=給付される)金額が国や企業によって決められているから確定「給付」年金と呼ぶわけです。

国や企業が大きく利益が出ようが、大きく損を出そうが、もらえるお金は一定ということです。

確定「拠出」ってどういうこと?

一方、確定拠出年金の場合、将来、受け取れる金額は確定していません。なぜなら、毎月出資する金額を、何に投資するのかについて、出資した個人が自分自身で決めることができるためです。加入者自身が運用商品を選択し、その運用成績次第で将来の受取額が変わってきます。

つまり、リスクを大きくとって利益がたくさん出ても、大きく損をしても、自己責任ということ。

ただし毎月出資する金額が決まっているため、確定「拠出」年金と呼ぶわけです。

確定拠出年金では、3つの給付がある

確定拠出年金に加入すると、将来的にどのような給付がもらえるのかが重要ですよね。

基本は「老齢給付金」として、積み立てて運用したお金を60歳から受け取ることになりますが、このほかに「障害給付金」、「死亡一時金」の2種類があります。3種類それぞれに受取要件が設定されており、それを満たした場合は、積み立てた年金資産を引き出すことができます。

双子 (写真=Thinkstock/Getty Images)

「障害給付金」とは、加入者が死亡した場合や高度障害になった場合は、年金または一時金を受け取ることができます。

「死亡一時金」については、会社から支給される死亡退職金と同じようなもので、税法上“みなし相続財産”として扱われます。「法定相続人の人数 × 500万円」までは税金がかかりません。

60歳まで引き出せないのはデメリットではない!?

一般的に、確定拠出年金のデメリットと言われているのは、「60歳まで引き出せない」ことです。

老後を迎えるまでに、結婚、出産、住宅購入など、さまざまなライフイベントがありますが、それには使うことができません。

でも見方を変えてみましょう。確定拠出年金とはそもそも、老後資金準備のための制度です。運用で利益が出た時、緊急でお金が必要になった時など、途中でお金を引き出すなんてことをしていたら、一向に老後資金は貯まりません。

60歳まで引き出せないからこそ、老後資金としてしっかりと貯めることができるのです。人間は意志が弱いもの。60歳まで引き出せないのは大きなメリットと言えますよね。

次回 は、2017年1月からは個人型DC、企業型DCには掛け金いくらまで加入できるのかについて説明します。

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【確定拠出年金シリーズはこちらから】
1. これから注目の「確定拠出年金」。そもそも年金ってどんな制度?
2. ん?同じじゃないの?「確定拠出年金」と「確定給付年金」の違い
3. 確定拠出年金に加入できるのはどんな人? 掛け金の上限はいくら?
4. 「口座管理料」が安いのはこの3社!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方①
5. 「商品ラインナップ」も重要!個人型確定拠出年金の金融機関の選び方②
6. 最終チェックは「商品コスト」「サービス」。個人型確定拠出年金の金融機関の選び方③

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