
(写真=Thinkstock/Getty Images)
築30年以上のマンション買う?買わない?見極めポイント教えます
中古マンションは「立地」次第。5つのチェックで狙い目を判断する
新築マンションが建てられる場所が限られ、これまでのように、どんどん建てられる可能性が少なくなってきました。今後、特に都心部でこの現象は進むでしょう。
そこで注目されるのが、中古マンションです。家というものは、皆が「住みたい」「便利だ」と考える人気エリアから建てられますから、古い建物ほど、いわゆる「いい場所」に建っていることが多いのです。
好立地の中古マンションは狙い目物件
「中古マンション」というだけでマイホームの選択肢から外してしまう人がいますが、それはもったいない。なんといってもマンションの価値は第一に「立地」。リーズナブルで立地のいい中古マンションは、狙い目といえるのです。
かといって、「築30年を超える古いマンションを買っても大丈夫だろうか?」と不安な気持ちもあるでしょう。そのような方のために、築年数の古い中古マンションを買う際にチェックしておきたいポイントがあります。
管理のポイントは「ゴミ置き場」や「掲示板」
築年数がたって古くなったマンションでも、適切な管理と修繕が実施されていれば、マンションには清潔感が漂っています。エントランスや共用廊下がきれいに清掃されているかどうかはもちろんですが、私はあえて、「ゴミ置き場」を見ておきます。
ゴミの分別がきちんとされているか、ゴミ置き場は清掃されているかで、そのマンションに住む方の暮らし方が分かります。
また、「掲示板」も管理状況が見えやすいところ。清掃や点検の予定が告知されてたり、管理組合主催のイベントが定期的に開催されていたり、町会に参加しているかどうかも見るべきポイント。コミュニティーがしっかりと形成されているマンションは安心です。
修繕の記録は残っているか?
マンションの修繕記録は、人間にとってのカルテと同じです。いつ、どの部分に不具合があり、どのように処置されたかという記録は、そのマンションの寿命を表すものにもなります。旧耐震の建物であっても、診断が定期的に実施されているかなどを確認するのにも必要です。
何よりも、修繕記録がきちんと整理されているということは、そのマンションの管理能力が高いという証明でもあるのです。逆に、そのような書類が残っていないということは、管理体制に不安が残ります。
土地の「持分」に気を付けよう
古いマンションを購入するときに、頭に入れておきたいのは「建て替え」です。その場合、住民の資産に影響するのは土地の「持分」で、一般的には
持分割合=敷地権割合=総専有床面積÷自宅専有床面積
で計算されます。中古マンションを売買する際、あまり問題にされていませんが、チェックしておくことをお勧めします。土地の持ち分があまりに少ない物件は、建て替えができない可能性が高くなるからです。
不動産会社にきちんと確認するべき事項ですが、一応の目安となる見極めポイントは以下の3つです。
- 広い中庭がある
- 平置き駐車場がある
- 低層マンションである
このポイントを満たすマンションは個々の土地の持ち分が多いので、将来的に建物を壊すことになっても、土地という資産が残ります。
管理員さんと話してみよう
物件を見に行ったときに、管理員さんにあいさつしておくのもポイントです。管理員さんの人柄は、住み心地に大きく影響します。できれば、管理規約なども確認しておくといいでしょう。ペットが飼えるか、ゴミ出しの方法、駐車場の空き情報などの現状も確認しておくことをお勧めします。
きちんと対応してくれる管理員のいることで、マンションの管理組合が正常に機能していることが判断できます。意外に思うかもしれませんが、仲介業者は物件の細かいことまで把握していません。逆に、不安なことがあれば質問しましょう。しっかり調べて返答してくれる業者であるかどうかは、信頼できる目安になります。
住んでいる人を観察しよう
マンションの住人と出会ったら、こちらもきちんとあいさつしましょう。マンションの住民がお互いにあいさつし合うマンションは防犯に優れていると言われています。また、どんな年代やライフスタイルの方が住んでいるかも知っておくと、入居後のトラブルが少なくなるでしょう。
以前、友人のマンションの内見に立ち会ったときに、住民の方が来客用駐車場の場所を教えてくれたことがあります。その親切な対応は、これから住民になるかもしれない人を歓迎してくれているようにも思え、好印象を持ちました。
築年数がたったマンションでは、大規模修繕や管理規約についてなど、住民同士の話し合いが必要になることも多くなるものです。その際、住民同士のコミュニケーションがうまくいっているかどうかは重要なポイントになります。
築30年以上の中古マンションも、条件さえクリアしていればオススメの狙い目物件。立地、土地の持ち分、管理状況、耐震構造――いろいろ気になる点はありますが、ここまでお話してきた見極めポイントに気を付けて、どうぞ賢い選択をしてください。