(写真=PIXTA)

独立する前にマンションを買った方がいい、これだけの理由

女性、独立起業家の信用力とは?

会社員でいることのメリットは、退職してから気づくことがいろいろあります。マイホームの購入もそのひとつ。フリーランスは住宅ローンの審査が厳しくなるうえ、住宅ローンの金利にも大きく影響します。そのうえ、頭金も会社員より多く払わなければならないなど、条件は悪化するばかり。

独立起業してからマンションを購入した、筆者の苦い体験をお話しします。

低金利の銀行ローンは借りられなかった

30年ほど経ちますが、私が20代後半でマンションを購入した際、独身女性、フリーランスという二重苦で、都市銀行からはローンを借りることができませんでした。金利の高いノンバンクで借りることができましたが、金利は都市銀行の倍以上。6年住んで売却した際に、元金は50万円ほどしか払っていないことに気付き、愕然としたのを覚えています。

買い替えることにして次のマンションを購入したのですが、今度はマンションの築年数が古すぎて、またもやノンバンクのお世話になりました。

女性への信頼は上がったものの、フリーランスは銀行の評価が低い

私がマンションを購入した当時に比べると、女性だから住宅ローンが組みにくいということはなくなってきたようです。むしろ女性のほうがきちんと返済するという実績もあり、最近では女性が優遇される住宅ローンも用意されている場合があります。しかし、依然として会社員や公務員以外へのローン審査の目は厳しいようです。

以前、リスク管理を担当している銀行員の友人に「どうしてフリーランスは住宅ローンが厳しいの?」と聞いてみたことがあります。その時の答えは「サラリーマンには退職金がある。それを担保にして貸している」でした。

なるほどと思いつつ、これからは定年退職まで1つの会社にずっと勤務するより、海外のように転職することが当たり前になったり、クラウドファンディングなどで独立起業の壁が低くなったり、生き方が多様化していく時代に相変わらず銀行業界は変わらないなと思ったものでした。個人の資質より、勤めている企業、年収、勤続年数などのわかりやすい属性が評価されるわけです。

会社を辞める前にマイホームを確保しておこう

フリーランスになっても、独立起業した場合でも、銀行からの評価は厳しくなると思ったほうが良いでしょう。それなら安い金利で住宅ローンを借りておくほうがお得です。

借入金額3000万円・35年変動金利・ボーナス時払いなしで計算した利子を銀行とノンバンクで比較してみます。銀行の金利が0.8%の場合、利子の総金額は440万5678円。ノンバンクの金利が3.9%の場合は、利子だけで2503万6368円にもなるのです。さらに、用意しなくてはいけない頭金の割合も多くなる可能性があります。

とかく独立前はお金が必要なうえに、しなければならない業務も忙しくなり、ついマイホームのことは後回しになりがち。ですが、「住まい」のことは親の家に住み続けられる人以外は一生の問題なので、会社を辞める前に考えておいたほうが賢明だと思います。

住宅ローン, 独立起業, フリーランス (写真=Thinkstock/GettyImages)

「持ち家」を持つことは社会的信用にもつながる

あくまでも私の実感ですが、住宅ローンの審査を受け、住宅を購入するという作業は結構大変です。自分が社会的にどう評価されているかを知ることで打ちのめされることも多かったのですが、大人になった気がしました。そして、会社員のうちに住宅ローンを組めるということが、どれほど大きなメリットだったのか身に沁みました。

ただ、持ち家があるということは、支払いの責任をともなうと同時に社会的信用が一段上がるように思います。「住宅ローンをきちんと払っていこう」という気構えが仕事への責任にもつながります。

家賃並みの返済で抑えられる物件を選ぼう

ただし、無理な住宅購入はおすすめできません。最高でも、いま現在の家賃並みの支払いになる住宅ローンで購入を考えたほうがいいでしょう。いま払っている家賃と、毎月の返済額に管理費等を入れた合計金額が同等であれば、独立いかんにかかわらず、ずっと必要になる金額です。

また、いざとなった時に売却や賃貸が可能な物件かということも視野に入れておく必要があります。いずれにしても金利の問題は大きいので、独立起業するタイミングには住宅問題を頭に入れておいたほうがいいと思います。

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