(写真=Thinkstock/Getty Images)

結局どうだった? 選挙で上がるハズだった株のゆくえ

あの選挙関連銘柄、選挙でどうなったのか検証してみよう

風が吹けば桶屋が儲かる…ということわざのように、株の世界では◯◯があると、株価が上がるという現象があります。その一つが、国政選挙です。

国政選挙があると、関連する上場企業の株価が上がる傾向があるのです。DAILY ANDSでは今年6月、に選挙関連10銘柄を紹介しましたが(上がっちゃうかも?選挙関連銘柄10選)、選挙が終わって実際どうだったのでしょうか?

動きを振り返ってみると、そこには株式市場で覚えておきたい重要な教訓が見えてきました。

「ど真ん中」はなぜか、ジリ貧

株価, 選挙, 銘柄 (写真=Thinkstock/GettyImages)

DAILY ANDSで紹介した後に、選挙関連ど真ん中銘柄の、グローリー<6457>と西尾レントオール<9699>はすぐに10%程度上がるなどほとんどの銘柄が順調に上げたのですが、残念ながらほとんどの銘柄がその後、急落しました。

選挙関連ど真ん中3銘柄のムサシ<7521>、グローリー、イムラ封筒<3955>の動きを細かく分析してみましょう。

投票用紙読み取りなどのシステムを提供「ムサシ」の場合

ムサシは、投票用紙読み取り分類機、計算機、交付機や投開票業務管理ソフト、投票箱や記載台などに至るまで選挙に必要なシステムを提供しています。

7月4日にリリースされた同社の2016年3月期の年次報告書によると、金融関連機材・選挙システム機材部門は、売上構成比は14%ながら、営業利益段階では55%の貢献度となっている同社の基幹ビジネスです。年次報告書や決算短信は上場企業であればHPで閲覧可能です。投資する企業の決算等のIR情報に目を通すことをおすすめします。

ムサシの長期の株価の動きを見てください。(株探のサイト→探検隊に「7521」を入力→チャートのタブ選択→期間:月足選択)などで簡単に長期の値動きが見られます)

ムサシ ムサシの長期の株価の動き(画像=株探より)

こちらのグラフをみると、ムサシの株価は、2012年11月、2013年5月、2014年11月、2016年1月に高騰しています。

勘のいい人ならもうおわかりですね。国政選挙は、2012年11月に内閣解散で12月に衆院選、2013年は7月に定期参院選、2014年は11月に内閣解散で12月衆院選が行われています。選挙の公示前にムサシはほとんど急騰するのです。

ただ今年は、1月に1900円の年初来高値をつけた後、5月までは1600〜1800円の高値ゾーンでの商いでしたが、6月初から急落しはじめました。6月30日には年初来安値の1290円をつけています。

投票用紙分類機を扱う「グローリー」の場合

グローリーは、開票作業をスムーズに行う投票用紙分類機、投票用紙自動交付機、投票用紙計数機といった機器を扱っています。貨幣処理機の大手であるため、選挙だけでなくカジノやデノミ関連銘柄として物色されることもあります。

グローリー グローリーの長期の株価の動き(画像=株探より)

長期の株価を見てみると、ムサシほど顕著ではありませんが、過去の国政選挙時はかなりの確率で上がっています。今年は2月12日の3980円を年初来高値に5月までは高値ゾーンでの取引でしたが、6月から下げはじめ7月1日には年初来安値の2606円をつけています。

窓封筒のシェアが高い「イムラ封筒」の場合

イムラ封筒は、選挙の際に需要が増す窓封筒(透明な『窓』が付いた封筒のこと)でのシェアが高く、国政選挙が行われる際に物色が強まる傾向が強いです。

イムラ封筒 イムラ封筒の長期の株価の動き(画像=株探より)

こちらも株価の動きを見てみると、特に2014年11月の解散総選挙時は1020円まで急騰し、株価は1月で3倍程度になりました。イムラ封筒も今年に限って言うと、5月の720円が年初来高値で8月1日には441円の年初来安値をつけました。

今年はなぜ国政選挙でありながら過去のパターンを踏襲しなかったのでしょうか?

選挙関連銘柄も日経平均の下げに引きづられた

実は、金融市場に興味がある人ならもう想像がつくでしょうが、英国のEU離脱が原因なのです。

6月23日に国民投票が行われ、英国はEU離脱を選択しました。国民投票前から、世界の金融市場は「もしも」のことを考えてリスク回避の動きが強まり、機関投資家は株式などの変動率の高い資産を安定的な債券などにシフトする動きが加速していました。

株価, 選挙, 銘柄 (写真=Thinkstock/GettyImages)

国民投票では市場の予想に反してBREXITが決まったため、世界の株価は6月24日にさらに急落したのです。日本株も多分にもれず5月31日の17251円から6月24日の14864円まで約14%下落しました。

株式初心者の方は、個別銘柄はその銘柄の材料で売り買いされることが多いと思うでしょうが、実は個別銘柄の材料や需給よりも、相場全体の方向性が大きく銘柄の動きに影響を与えることが多いのです。

選挙関連銘柄は選挙の公示6月22日を控えて、期待感から買いもちにしている投資家が多かったため、BREXITで投げ売りを誘ったのでしょう。

噂で買い、現実で売る

選挙関連銘柄の過去の株価を見る上でもう一つ大事なポイントがあります。ムサシの株価をもう一度みてください。

ムサシ ムサシの長期の株価の動き(画像=株探より)

国政選挙時に株価は急騰するのですが、株価のピークは選挙実施日より前の公示後くらいとなっています。 総選挙前には株価は選挙特需を織り込んでしまい、実際の選挙時はすでに株価はピークを打っているのです。

「ポケモンGO」の人気で、任天堂<7974>の株価が1週間で2倍になって大変な話題になりました。任天堂の株価も、海外でアプリがリリースされた時点で少しずつ動き始め、ダウンロード数が過去最高になり、海外で社会現象になっていることが報道されるにつれ株価は大商いで急騰しはじめました。ただ実際に日本でアプリのダウンロードが始まった日をピークに株価は一旦、下がっていきました。

株式市場では、「噂で買い現実で売る」「理想買い現実売り」などと言って、新製品などの噂の段階で買われていた企業が、実際に新製品がリリースされることで、売られることがよくあります。

株価の急落は期待の裏返し

DAILY ANDSが選挙関連銘柄として紹介後、その後の安値までもっとも下がったのは、21%下落のイムラ封筒でした。プラップジャパン<2449>とパイプドHD<3919>も19%下落しています。

DAILY ANDSでは、イムラは「ど真ん中」として紹介、プラップジャパンは18歳選挙、ネットマーケティングの注目銘柄として、パイプドHDはAKB選挙関連として力をいれて紹介しています。期待感が大きい銘柄ほど、下げるときは大きくなるというのが相場の常道です。

ちなみに、こちらの記事の最後に付いている「ANDS NOTE」では、気になる銘柄を1タップで登録でき、「なんちゃって株式投資」をできます。

「振り返り」の重要性

株式投資をするのに大切なのは、株式相場での経験値を上げることです。「こういったニュースがでればこの銘柄が買い」だとか、「この銘柄が買われるならこの銘柄にも注目」といった連想ゲームが出来るようになると楽しくなってきます。

経験値を高めるのに一番効果的なのは、株の情報を発信しているメディアの記事で紹介された企業の株価の値動きをフォローし、検証しておくことです。

是非、ANDS NOTEに登録した銘柄の株価の動きをフォローしながら経験値を上げていってください。

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