(写真=Thinkstock/Getty Images)

生命保険会社 どこに気を付けて選んだらいい?

保障内容と同じくらい保険会社選びも大切

30代は、将来や老後のことに敏感になり始める世代。

30代になり、保険選びについて真剣に考え始めたという女性は多いようです。それでは、生命保険の見直しや新規加入を検討している場合、どのような点に気を付けて保険会社を選ぶべきなのでしょうか。

商品そのものの選び方ばかりを重視してしまいがちですが、実は、保険会社の選び方もとても大切なのです。生命保険会社の基本的な知識を学び、正しい生命保険会社選びのポイントを押さえておきましょう。

なぜ保険会社選びが大切なの?

それは、保険会社も普通の会社、破たんすることもありえるからです。長期間の加入になる生命保険。万が一、加入した会社が破たんしてしまった時のことについて学んでおきましょう。

まず、加入している生命保険会社が破たんした場合、契約を引き継ぐ「救済保険会社」が現れるかどうかによってその後の措置が変わってきます。救済保険会社が現れると、「生命保険契約者保護機構」が法令に則り、救済保険会社に対して資金援助を行い、経営をサポートします。

現れなければ「生命保険契約者保護機構」自ら、もしくは子会社として設立される「継承保険会社」が契約を引き継ぐことになります。いずれにしても、保険契約がなくなるようなことにはなりません。ただし、加入している生命保険会社が破たんすることにより、契約条件が変更されるなど、契約者にとってはいくつかのマイナス面もあります。

たとえば、責任準備金の削減や、予定利率の引き下げなどです。責任準備金とは、生命保険会社が、将来の支払いに備えて積み立てているお金のこと。保険会社が破たんした場合、高予定利率契約を除き、責任準備金の90%までは保護機構により補償されますが、契約者にとっては不利な変更点です。

また、保険金額が削減されることもあります。特に、終身保険や養老保険、個人年金保険など貯蓄性が高く、保険期間が長期に渡る保険は、減少幅が大きくなる傾向にあります。他にも、移転後の一定期間に解約した場合、支払われる解約返戻金が少なくなるといった措置が取られることもあります。

このように、保険契約そのものがなくなることはないものの、加入している生命保険会社が破たんした場合、不利益を被ることが有りえますので、保険会社の見極めは必要不可欠になるのです。ちなみに、過去には、2008年10月に破たんした大和生命が、生命保険契約者保護機構から資金援助を受けたという事例があります。

保険会社選びはしっかりしておきたいですね。

生命保険会社選びのポイント

世の中には、数多くの生命保険会社があります。会社によってそれぞれ特徴は異なりますが、各社メリットを打ち出してきますので、どれもこれも良さそうに思え、保険会社を決めるのに大きな労力を費やした経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、私のところにセカンドオピニオンとして相談に来るお客様の中には、「CMで有名だから」「昔からある会社だから」といった理由で安易に保険会社を決めてしまったという人がいますが、名前が知られているからといって必ずしも良い保険会社、安心な会社とは言い切れません。

そして、「保険販売員が親切だから」もNGです。保険商品を管理し、いざ保険金を支払ってくれるのは保険販売員ではなく、保険会社だからです。

つまり、生命保険会社を選ぶ際には、知名度とは別の尺度で会社の安定性を測ることが重要なのです。生命保険は通常、10年、20年、もしくは一生涯といった長きに渡り加入するものです。その間に保険会社がつぶれるようなことがあっては、支払った保険料がゼロになる事は無いにせよ、大きな損失を被ることになってしまいます。そのため、保険商品そのものを選ぶ前に、その会社の経営状況を知っていくことが非常に重要なのです。

生命保険会社選びの前に知るべきこと

生命保険, 格付, ソルベンシー・マージン (写真=Thinkstock/GettyImages)

それでは、生命保険会社の経営状況を知るためには、どうすればいいのでしょうか。 私たちが簡単に会社の経営状況、財務状況を知る方法としては、「ソルベンシー・マージン比率」「格付」の2つの指標があります。

「ソルベンシー・マージン比率」とは、「保険金の支払余力」があるかどうかを測る指標と言えます。生命保険会社は、将来の支払いに備え、責任準備金を積み立てていますので、通常考え得るリスクには充分対応することが可能です。

しかし、大災害や株価の大暴落など、予測を超えるリスクが起こった場合にも対応できる「支払い余力」を有しているかどうかを判断するための指標が、このソルベンシー・マージン比率なのです。この比率が大きいほど、支払余力があるとみなされています。

生命保険会社がこの指標が200%を下回った場合、監督当局から経営の健全性を回復するための措置が図られます。逆に、200%を超えていれば、経営状況に関しての一つの基準をクリアしていることになりますが、実際には過去に、この比率を大きく上回る会社の倒産も起きています。そのため、最低でも400%を超える保険会社を目安にすることをおすすめします。

一方、生命保険会社の「格付」とは、「スタンダードアンドプアーズ(S&P)」や「ムーディーズ(Moody’s)」などの格付会社が、各保険会社の財務力を客観的立場から評価したものです。「AAA」が最上位、「C」が最下位の評価となっています。通常、「BBB」以上に格付けされている会社は、債務が履行される可能性、つまり財務の健全性が高いと判断されます。

生命保険会社各社のソルベンシー・マージン比率や格付は、ネットなどですぐに知ることができますので、保険会社を選ぶ際には非常に役立つ指標となっています。ただし、あくまでこれらは基準の一つに過ぎません。できれば、会社の規模や成長性なども考慮し、総合的に判断していきたいものです。

生命保険会社の種類

生命保険, 格付, ソルベンシー・マージン (写真=Thinkstock/GettyImages)

次に、生命保険会社の種類について説明していきます。日々、多くの生命保険会社の名前を目にする機会がありますが、それらの種類と言われてもあまり意識していなかったかもしれません。ここで一度、生命保険会社の種類について学んでみましょう。

まず、生命保険会社は、国内企業と外資系企業に分類ができます。現在では様々な国の保険会社が日本へ参入してきていますが、それでは、国内と外資系の保険会社では、どのような点が異なるのでしょうか。一般的に、医療保険やがん保険は外資系企業が先駆けとなっており、保険料を比較してみると、外資系企業のほうが安い傾向にあります。そうした理由から、外資系の保険会社を選ぶ人も多いようです。

しかし、万が一、日本での売り上げが悪化してきた場合、国内から事業を撤退することも考えられます。そうなると、既存の加入者の管理は引き続き行われますが、サポートに難が生じてくる可能性が出てきます。

国内と外資系のメリット、デメリットを考慮したうえで選んでいきましょう。

次に、販売の形態から、保険販売員、ダイレクト保険、インターネット生保といった種類に分けることができます。保険販売員は、保険会社や代理店の保険募集人のこと。生命保険の加入と言えば、長きにわたり、この保険販売員を窓口に申し込むことが一般的でした。直接商品についての詳しい説明を受けることができますが、その分保険料は割高になります。

一方、ダイレクト保険とは、インターネットや通販窓口により、契約者と保険会社の直接契約をする保険です。人件費が抑えられるため、その分保険料が安くなっているのが特徴です。

最後にインターネット生保ですが、こちらは名前の通り、インターネットからの通販のみを取り扱う生命保険会社のことです。ネット生保のメリットは、何といっても保険料が格安なこと。しかし、その分商品説明を自分で理解しなければならないため、保険に詳しくない人には向かないといったデメリットもあります。その他、損害保険会社が生命保険を販売しているといったケースもあります。

これらをまとめますと、生命保険会社の種類は、大きく分けて、「国内企業か外資系企業か」、さらに、販売形態から「保険販売員」「ダイレクト保険」「インターネット生保」に分類されることになります。

 

生命保険会社選びの注意点

以上のことを踏まえて、生命保険会社選びの注意点について解説していきます。

よく、「生命保険はネットなどのランキングを参考にする」といった人がいますが、長く付き合うことになる保険会社ですので、「ランキングで上位だから」「有名な会社だから」といった理由で決めるのではなく、できるだけ自分の意見を持つようにしましょう。 保険会社から様々な売り文句が提示されていますが、果たして自分にとって優先すべきメリットなのかどうか、改めて考えてみる必要があるはずです。

また、ランキングや知名度などは、生命保険会社を選ぶ際のわかりやすい基準にはなりますが、先ほど説明しましたように、保険会社の経営状況や成長性を知るといったことも重要です。これらを調べて検討するのは、ランキングや知名度などに比べれば、手間のかかる作業です。

しかし逆に、簡単にわかる情報だけで、大切な保険料を支払う保険会社を決めてしまうのは危険とも言えるでしょう。与えられた情報だけで、受け身の姿勢で判断するのではなく、一歩踏み込んでみることが必要です。また、自分一人では専門的な判断ができないこともあります。

その場合は、私のような金融機関に属していない中立のファイナンシャル・プランナーなどお金の専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。保険販売員の中にもファイナンシャル・プランナーはいますが、会社に属しており、会社の利益に一番つながるような保険証品の提案をされてしまう可能性があります。中立な立場での提案とは言えませんよね。

生命保険会社選びで女性が気をつけたいポイント

生命保険, 格付, ソルベンシー・マージン (写真=Thinkstock/GettyImages)

最後に、女性が生命保険会社を選ぶ際に気を付けておきたいポイントについて解説していきましょう。選び方の注意ポイントなどはこれまでと同じ。さらに女性が保険選びで悩む点としては、「女性向けの保険」や「女性特有の病気に備える保険」に加入するべきかどうか、ということでしょう。

これらの保険を選ぶスタンスも、保険会社を選ぶ際と同じです。自分にとって本当に必要な保険なのか、メリットはあるのか、いつまで必要なのか、必要な保険金額は適切なのかということを考えるようにしてみましょう。

おわりに

生命保険を選ぶ時は、商品の内容ばかり見ていて「生命保険会社の経営状況までチェックするという意識はなかった」という方がほとんどかもしれません。実際、私のところに相談に来るお客様は、会社のことをあまり調べずに契約してしまっていることが多いです。 もちろん、最終的には商品に注目して、選んでいくわけですが、今回ご紹介したような点を改めて確認してみることで、より納得して生命保険会社を選ぶことができるようになるはずです。

繰り返しになりますが、生命保険は大切なお金を支払い続けるものです。ランキングや知名度だけに振り回されず、賢く保険会社を選んでみて下さい。

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に