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個人投資家にこそ心してほしい。無視できない鬱症状

楽しめないその投資、「投機」になっていませんか?

近年、鬱(うつ)病になる投資家が増えていると聞きます。正確な統計があるわけではないので、具体的なデータは示せませんが、筆者の知る限り、まんざら間違った情報ではなさそうです。するもやめるの自分の自由。個人の采配が大きい投資で、なぜ鬱病になる人が増えているのでしょうか? そして、鬱病対策はあるのでしょうか。

なぜ人は鬱病になってしまうのか?

鬱病を意識し始めるのはどんなときでしょうか。多くの場合、本来は楽しいはずの出来事が楽しいと感じられなくなり、逆に強いストレスを感じるようになったときだといいます。

例えば、ゲームが大好きで、ゲームをプレーしているときが何より楽しかったはずなのに、急に楽しめなくなってしまった。遊びも仕事も、何をしても楽しくない。このような状態が鬱病の最初の症状だったと多くの人が話しています。

これを投資に当てはめてみましょう。最初は投資するのが楽しかったはずです。買った株が値上がりしたとき、おっかなびっくりで始めたFXで利益が出たとき。その感覚をあなたはきっと覚えていることでしょうか。面白くて仕方がなかったはずです。

もとは「楽しみ」だった投資が楽しめなくなってしまったとき。それが「トレード鬱」の始まりかもしれません。

鬱病へのプロセスは「負のスパイラル」から

投資家が陥ってしまうトレード鬱。どんな投資を行っている投資家が、このトレード鬱になるのでしょうか?

成功している投資家とうまくいっていない投資家、どちらが鬱になりやすいかといえば、当然うまくいっていない投資家でしょう。

ある程度投資を続けている人の大半は、投資を始めて間もないときに成功体験がある人でしょう。その投資がうまくいかなくなったときの行動が、鬱になるかどうかのポイントです。

投資で負けが増えてくると、冷静な判断ができなくなってしまいます。通常ならば考えられないような、バカげた行動をとるようになります。それがさらに負けの要因となり、負けが負けを呼ぶ「負のスパイラル」に陥ってしまうのです。

このとき、多くの投資家は自分が精神的に追い詰められ、正常な判断ができない状態に陥っていることに気付くことができません。「こんなはずではない」「何かがおかしい」と思いながら、トレードを繰り返してしまいます。

こうなると、投資はもはや「投機」。言ってしまえば「博打」になってしまっているのです。

社会情勢や政治・経済の流れに目をやる心の余裕はないでしょう。これまでの負けを取り返すために投資金額は膨らみ、ただ高騰か下降かだけの単純なトレードを繰り返すだけになりがちです。そんな投資が楽しいはずがありません。気が付いたときには、あなたにとって投資は負担でしかなくなっているはずです。

多くの人が大損失を出して相場から去って行きます。信用取引で投資額以上の損失を出してしまった結果、財産のほとんどを失い、投資を続けられなくなった人も少なくありません。

しかし、こうして相場から去れた人は、むしろ「ホッとした」と感じていることが多いのです。楽しかったはずの投資が負担でしかなくなってしまっていたのですから。

トレード鬱は防げるか?

まずは「投資に依存しないこと」が何よりの対策です。あなたの本業は投資ではないはずです。投資はあくまで生活のごく一部に過ぎません。

あなたは投資に過大な期待を寄せていませんか? まるで宝くじを当てるかのような気持ちで投資に向き合っていませんか? 自分の身の丈に合った投資を意識することが、何より大切なのです。

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さて、もう一つ大切なことをお話ししておきます。「卵が先か鶏が先か……」。なかなか好景気を感じられないこの現代社会、職種に限らず全体的に鬱病を患う人が増えています。

会社を辞め、社会との交わりを絶った人が収入を得ようと考えたとき、手っ取り早い方法がネット証券を利用した「投資」です。パソコンの画面を見ながらトレードするだけで、社会との接点はありません。社会との接点を拒絶したい人たちが、次々と投資の世界に足を踏み入れているとのも事実です。

投資にのめり込んだ結果、鬱になってしまったという人もいるでしょうが、すでに鬱症状があった人が投資の世界に足を踏み入れたというケースも、かなりの確率であるのではないでしょうか。

そう考えると、そもそも投資家の鬱病対策を考えること自体に意味があるのか、疑問も感じます。いずれにしろ、投資は「楽しみ」であってほしいものです。あえて対策を伝授するなら、投資が楽しくなる方法を考えてみましょう。

株主優待を目当てにするのも一つの方法かもしれません。負担にならない範囲で、仲間とゲーム感覚で成果を競い合うのもいいでしょう。あくまで「楽しみ」でありさえすれば、投資をすることが鬱病対策であると同時に、負けないための秘策でもあるのです。

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