(写真=Thinkstock/Getty Images)

靴トレンドを知る者は、景気動向も予測する?

ハイヒールが流行ると景気不安定は本当か

景気とファッションの関係性は意外に深いといわれています。好景気にはミニスカート、華やかな色使い、デザイナーズブランドが流行り、不景気ではモノトーン、ファストファッションが流行るというのはよく聞かれることですが、実はヒールの高さと景気の間にも深い関係があると証明されています。今回は両者の興味深い関係性をご紹介しましょう。

不景気ではハイヒールが流行る

「景気が悪いときほどハイヒールがよく売れる」

このような分析を発表したのは、なんと米コンピューター大手のIBMでした。米IBMは2011年11月のプレスリリースで、過去100年間におけるレディースシューズトレンドと景気との関連性を発表しています。

2008年から4年間にわたり、何十億件ものソーシャルメディアへの投稿を分析した結果、景気と女性の靴には強い相関性があると結論づけたのです。

1920年代後半から30年代初頭の大恐慌時代、アメリカではハイヒールが流行しました。その後、景気回復につれてハイヒールの売れ行きは悪くなり、一方、景気回復期に好調な売れ行きだったのがフラットシューズです。

大恐慌以降も景気のうねりが現れるたびにその傾向は確認され、景気と女性の靴トレンドには連動性があるとされました。IBMはその頃から「ビッグデータ」解析に取り組み、売り出そうとしていました。靴トレンドと景気の関係性調査は、ビックデータの活用方法を具体的に示したものだったのかもしれません。

景気とヒールの関係はイギリスでも証明

IBMの発表に刺激を受けたのか、イギリスのファッション通販サイト「Very.co.uk」も、2008年~2012年におけるイギリス四半期ベースのGDPの伸びと、ハイヒールを履く女性の比率を「Footsie Index(Footsie指数)」として発表しました。

ちなみに、これはイギリスを代表する株式指数「FTSE(フッツィ)」と足を意味するスラング「footsie(あんよ)」を文字ったものです。

面白いことに、この「Footsie index」ではGDPが伸びるとハイヒール比率が上がり、GDPがマイナスになるとフラットシューズの比率が上がっていることが確認できます。先ほどご紹介したIBMの調査とは逆の動きを見せているのです。

「Very.co.uk」は、お気楽、楽観の象徴であるハイヒールは好景気時に伸び、経済状況が厳しくなると女性たちは安定性を求めて自然にローヒールを選ぶようになると解説しています。

日本は好景気=ハイヒール?ローヒール?

さて、日本ではどうでしょう? ヒールの高さと景気の関連性の調査を正式発表しているデータは見当たりませんでした。

米IBMがヒールと景気の関係性を発表した2011年といえば、まだリーマンショック後の景気の落ち込みから立ち直っていない時期。また、東日本大震災が起き、経済は混乱していました。そのなかで、ハイヒールを格好良く履きこなす黒木メイサや冨永愛の姿が印象的ではなかったでしょうか?

2012年末から、日本はアベノミクスによる景気回復局面に入りました。この時期売れ筋だったのが、スニーカーやバレエシューズといったフラットシューズです。足をキレイに見せるハイヒールよりも、健康志向のカジュアルなアイテムが主流でした。

これを見ると、日本でも女性のヒールと景気の関係性はありそうです。

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景気を判断するには、経済指標や株価など膨大なデータとにらめっこしながら比較検討するものですが、女性の足元で予測してみるのも、簡単で面白いかもしれません。ファッションから、景気の新たな関連性を発見することもできるかもしれませんね。

2016年はまたハイヒールが流行り始めているとか。さて、これは日本の景気が下向きになることを示しているのでしょうか……?

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