(写真=Thinkstock/Getty Images)

【連載】「金融用語をBL風に解説してみた」

#03 今更聞けない「マイナス金利」をBLで解説してみた

脳天気な学生・太郎に比べて経済に詳しい徹。その意外な過去とは

なんでも最近、金利がマイナスになったとかいうんですけど、

なんかこれ、わけがわからないよね。

しかも私たちが銀行にあずける金利がマイナスじゃなくて、銀行が日銀に預けるお金の金利の話らしくって、そもそも銀行が日銀にお金を預けるって時点で、

わけがわからないよね。

で、よくわからないからマイナス金利をBLで例えて説明することにしてみました。

ちなみにBLとは、男性同士の恋愛を描いたもので、何を言ってるかわからねぇがありのままに起こったことを話すならば、この物語は、金融用語をBLで説明する超大スペクタクル一大ロマンスになる予定なんだぜ……。

【これまでのお話】
#02 英EU離脱がよく分からないからBLに例えてみた
#01 フィンテックが、何がすごいからわからないからBLで例えてみた

☆主要登場人物☆

金融太郎(キンユウタロウ):法経大学3年生。大学を休学して世界一周バックパック旅行をしている。攻。

布井徹(フイテツ):太郎の小学校の幼馴染。風の噂でアメリカにいると聞いていたのだが……。受。

マイナス金利と景気回復ってどんな関係があるの?

「日本銀行ってのは知ってるだろ?」

太郎「銀行の銀行だろ?」

「そう、唯一日本円を発行することができる発券銀行でもあるんだ。そして、日銀は銀行の銀行であるから、銀行は日銀にお金を預けることも貸すこともできる。この日銀に預けた時の金利がマイナスになったんだ」

太郎「マイナスになるとどうなるんだ?」

「……今までは日銀から金利をもらっていた銀行が、日銀に金利を払わなきゃいけなくなるんだよ」

ふうっと徹は何回目になるかわからないため息をつきました。

太郎「えっ、じゃあ俺の預金も金利が差し引かれるってわけ?預けておくと損じゃん!」

「預金者には関係ない話だよ。でも、銀行にとっては日銀に預けておくと損だから、お金を外に貸そうとするわけさ。それで、世の中にお金が回るようになって、消費が拡大されて、景気が回復するって話」

太郎「えー……そんなのうまくいくのか」

そう言えば……と太郎は思い出しました。

太郎「うちの親父もマンション一棟かいませんかってなんか営業受けてたなぁ」

「一棟?そりゃ相当な値段じゃないか?」

太郎「一億円だって笑っちゃうよな。親父、ただのサラリーマンなのに一億円も持ってるわけないよな」

「まあ借りるって手があるけどね。企業に融資先が見つけられないから、銀行は個人にターゲットを変えてきてるだろうね」

徹は少しだけ苦い顔をしました。

太郎「そう言えば、お前の親父さんはなんか工場やってたよな。ネジ工場だっけ?」

「……そうだよ」

太郎「今もやってるの?」

「とっくに潰れたよ」

太郎「えっ」

太郎はドキリとしました。

「銀行が金を貸してくれなくて、手形に不渡りが出てね。祖父の時代からの工場だったけど、潰れるときはあっさり潰れるもんだね」

太郎「そっかぁ……」

「銀行は、景気がいいときはいくらでも貸してくれるけど、返せる見込みがなければ、全く貸してくれないからな。今じゃ、サラリーマンに貸してるぐらいなのに、皮肉なもんだね」

太郎「うーん……まあ時代が悪かったんじゃね?」

「時代ね」

徹は皮肉っぽく笑いました。

太郎「これが本当の父さんが倒産ってやつか」

「殺すぞ」

太郎は徹から殺意の波動を受け取り、ビビりました。

太郎「悪い悪い。シリアスな雰囲気を何とか変えようと……。あっ、でももしかしてお前が小学校の時、急に転校したのはもしかしてそのせい?」

「……そうだよ。父さんが急に蒸発しちゃってね」

今日見た夢を徹は思い出しました。
お父さんが帰ってこないとお母さんが、叫んでいます。
おばあちゃんが泣いているようでした。
誰がドアを叩いています。
とてもうるさいはずなに徹には何故だからあたりが静まり返っていたような気がしたのを覚えています。

太郎「わあ……お前苦労したんだな」

「そうでもないさ」

徹は肩をすぼめました。

「おしゃべりはここまでだ。僕はインターン先にいかなきゃいけないから、もう行くよ。もう廊下で寝たりすんなよ」

太郎「えっ。インターン先ってあのフィンテックとかいうベンチャー企業?」

「そうだよ」

太郎「へー。俺もつれてってくれよ」

「え」

太郎がそんなことを言うので徹は目を丸くしました。

太郎「シリコンバレーのベンチャー企業を見学とかかっこいいじゃん。就活のネタになるかもしれないしよ。いいだろ」

「そんな急に言われても困るよ」

太郎「いいじゃん。こんな所で再会したのも、偶然じゃないじゃん?運命じゃん」

そう言って、太郎はばちっとウインクをしました。

「ばっかじゃないのか……」

徹はまたなぜか赤くなるのでした。

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