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夢の分配金生活。…それって本当に可能なの?

分配金型投資信託でこれだけは押さえておきたいポイント2つ

貯蓄から投資へ。このように言われて久しいですが、数ある金融商品の中で、長く売れ続けているものがあります。

それが、「分配型投資信託」です。はじめてこの言葉を見る人は「何コレ?難しそう…」と思われるかもしれません。この商品は、金融機関にとっては大切な主力商品であり、証券会社や銀行が販売に力を入れています。実際にこの商品はよく売れています。

なぜ売れているのかというと、定期的に「分配金」という収入が得られるという特徴があり、多くのお客様が定期的に得られる「分配金」に魅力を感じておられるからです。。

けれども、現実はそう甘くはありません。

「分配型」「投資信託」って何?

これから投資をしようと思っている方のためにあらためて説明すると、「分配型投資信託」とは、保有していると、定期的に「分配金」という収入を得られる「投資信託(ファンド)」のことです。

分配型投資信託, 分配金生活, ファンド, 投資信託 (写真=Thinkstock/GettyImages)

投資というと、多くの方は株式投資を想像されるでしょう。安く株を買って、高く売って利益を得る。これが投資の基本です。投資信託も基本的には安く買って、高く売ることで利益を得ることができます。さらに、毎月もしくは数ヶ月ごとに定期的に「分配金」という名のお小遣いをもらえるのです。

ところで「投資信託」とは何かというと、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品」で、投資家は運用成果に応じて利益を受け取ることができます。受け取れる利益は、それぞれの投資額に応じて分配される仕組みとなっています。

1万円から購入可能なものもあり、株式投資よりも手軽に始めることも、投資信託の人気を支えています。

なぜ魅力的に映るの?

「分配型投資信託」の中には、100万円の投資で年間32万円、1000万円の投資で年間320万円の分配金を手にすることができる、と説明されているファンドが実際に存在しました。

これだけ聞くと、一度購入すれば、あとは寝ているだけでもチャリンチャリンと収入がある「夢の分配金生活」も実現しそうだと思えるかもしれません。

上に紹介した商品はちょっと極端ですが、REIT(不動産投資信託)が人気を集めているのも、分配金に魅力を感じている人が多いからにほかなりません。

現実はそううまくはいかないもの

筆者は金融機関で投資信託の販売をしていますが、「夢の分配金生活」の話は、お客様との会話の中でしばしば出てきます。同じことを考える人は大勢いるのです。

では、実際にどうかといえば「夢の分配金生活」はそう簡単に実現できるものではありません。

投資信託の分配金はこれから先、ずっと保証されるものではないのです。突然、なんの前触れもなく減額される可能性もあります。現在、30%以上の分配金利回りがうたわれている商品であっても、予告なしに減らされる可能性もあるのです。

実際、最初に例として挙げた投資信託では、今年の3月まで1万口あたり200円の分配金が出ていました。これなら100万円で年間30万円を超える分配金を手にすることが出来たのです。しかし、4月から分配金が半分になってしまいました。

投資信託の価格(基準価額)は、大きく値下がりする可能性もあります。分配金をたくさん出すために、複雑な仕組みを利用したファンドも増えていることも問題です。「株式カバード戦略」や「通貨カバードコール戦略」といったものです。

せめてこれだけは確認すべき

「それでも分配金が欲しい」。そう言う投資家は大勢います。そうした人たちに対して「分配金の多い投資信託はダメです」と言い切ってしまうのは簡単ですが、それでは身もふたもありません。

ですから、分配型の投資信託を買おうと考えているあなたには、せめてこれだけは確認していただきたいのです。

1.分配金のうち利子収入でどれだけまかなえるか

あなたの持っている投資信託が現在、どのような状況にあるのかは、その投資信託を運用している会社のホームページに掲載されている「月報」や「マンスリーレポート」で知ることができます。

筆者がおススメしたいのは、この「月報」や「マンスリーレポート」で直接利回りを計算することです。

ファンドは投資家から集めた資金で債券や株式、そのほかの金融商品を購入しています。これらの利子や配当の合計を基準価額で割れば、直接利回りを計算することができます。

これにより、分配金のうち利子収入でどれだけまかなえるかが判断できます。つまり、直接利回りを明らかに大きく上回るような分配を行っているファンドは無理をして分配を行っているということになるのです。

分配金の利回りが30%のファンドであっても、直接利回りは10%に満たないというケースも実際にあるのです。このようなファンドは基準価額が下落し続けるか、分配金が削減される可能性が高いことを頭に入れておく必要があります。

2. あと何カ月、分配金を出し続けることができるか

投資信託を保有していると、決算期ごとに「運用報告書」が送られてきます。こちらに記載されている投資信託の「収入」と「分配対象額」を確認しましょう。この数字から、現在の分配金があと何カ月もらえるかが分かります。

単純に「分配対象額」を、投資信託の「収入」で割ってみて下さい。そうすれば、あと何ヶ月分配金を出し続けることができるかが計算できます。数ヶ月分の余力しか無いファンドは今後分配金が削減される可能性があります。

計算方法は金融機関の担当者に尋ねてもいいでしょう

この2点は、投資信託の健全性を計算するうえで重要です。投資といえども、お金儲けはラクにできるものではなく、せめてできるだけ調べておかねばなりません。運用会社のホームページにも、ファンドの情報は公開されています。直接利回りや分配金継続期間の計算方法が分からなければ、金融機関の担当者に尋ねてみるのもいいでしょう。

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