(写真=筆者提供)

そうだ、夏山に行こう。初心者におススメの関東の山5選

「生きててよかった!」と思える美しい景色との出会いを。

こんにちは、梅雨でじめじめした天気が続いていますね。

都会では「生乾きの臭いがする……」と暗澹たるため息が渦巻いていますが、山では一変、清爽な植物の香りと、粛々と森林を打つ雨音が耳に心地好いものです。あなたも登ってみませんか?

たった200メートル登るだけでいい

「えっ、山? ムリムリ、山ってイッテQのイモトアヤコさんが登るやつでしょ?」

登山をしたことのない人にとって、山登りと聞くと、こんな感想が湧いてくるかもしれません。

確かにエベレストは山ですね。けれど、エベレストだけが山ではありません。たった200メートル標高を上げるだけで、「ああ、生きててよかった!」と思えるような美しい風景が、この国にはたくさんあります。

それに登山はダイエットにもうってつけ。渋滞した道路沿いを排気ガスにまみれてジョギングするのも乙ですが、同じ有酸素運動ならば、登山だってたった1回で実に4000キロカロリーをも消費するのです。さらに登山家は所得もモラルも高い方が多いですから、素敵な出会いが見つかるかも……!

なぁんて下世話な思惑はそれこそ都会に捨て置いて、たまには空の広い場所を探しに行ってみましょう! このコーナーでは、プロの登山ツアー添乗員の筆者が、初心者の方でも楽しく安全に登れる山をご紹介して参ります。

1. 筑波山(つくばさん) 877m

筑波山 (写真=筆者提供)

日本百名山の中に2つだけ、標高1000メートル未満の山があります。そのうち一つが茨城県の名峰・筑波山です。

877メートルといえば、東京スカイツリーよりもほんの少し登ったくらい。オススメは白雲橋ルートから目指す女体山。アカガシやモミ、ブナなどの生態系を堪能できる他、今の季節ならば、涼しげに水を張った田園風景を山頂から一望できますよ。

アクセスもつくばエクスプレスで簡単、らくちん。つくば駅からは直行のシャトルバスも出ています。ロープウェイもケーブルカーもありますから、最悪、機械の力に頼ってしまえる安心感もあります。

食事処やお土産屋さんが充実しているのも嬉しいポイント。筑波しゃもの親子丼は絶品です。

2. 塔ノ岳(とうのだけ) 1491m

塔ノ岳 (写真=筆者提供)

神奈川県は「ヤビツ峠」といえば夜景スポットとして有名ですが、実は丹沢山系への登山口でもあります。

車を停めて山中に分け入れば、そこはもう塔ノ岳への入口。傾斜がきついのが難点ですが、そのぶんグイグイと標高が上がっていく、空を飛んでいるような浮遊感がたまりません。筆者に至っては、この感覚だけ欲しさにヘッドランプで深夜に登ったこともあるほどです。

相模湾に沿って小田原・湘南の夜景を展望しながらの尾根歩きは贅沢そのもの。朝焼け・夕焼けもひときわ美しく、幽玄な富士の峰を拝めます。

頂上には尊仏山荘もあり、1泊2食つき6000円でグッと行程が楽になりますよ。横浜や御殿場の夜景も素晴らしいです。

3. 那須岳(なすだけ) 1915m

那須岳 (写真=筆者提供)

避暑地として人気の高い栃木県・那須高原。洒落たペンションもいいですが、山中の秘湯、ランタンの灯る三斗小屋温泉を訪れてみませんか。

噴煙を上げ続ける赤々とした山容は、一見、近寄りがたそうな別世界に見えますが、その実、山頂付近までロープウェイで一気にアクセスできる初心者にも優しい山です。

標高2000メートル付近の稜線は、荒々しいハイマツの群落が圧巻。そこは1000メートル級の山とは一線を画す森林限界、自然の厳しさを感じます。

活動が落ちついているとはいえ火山ですから、入山前には気象庁の噴火警戒レベルを確認してから登るようにしてくださいね。

4. 日光白根山(にっこうしらねさん) 2578m

日光白根山 (写真=筆者提供)

群馬県と栃木県にまたがる、関東以北の最高峰です。

そう聞くと身構えてしまうかもしれませんが、ご安心を。なんと標高1985メートルまでロープウェイが出ており、実質、標高2000メートル「から」登れる山なのです。ピークは2578メートルですから、ざっくり600メートルだけ自分の足で歩けばいいわけですね。

日光白根山の特徴は、なんといってもその植生の豊かさにあります。6月のシラネアオイから8月のエゾリンドウまで、花だけでも実に20種類以上をも楽しめます。

雰囲気としてはジブリ映画に出てきそうな静謐で奥行のある森林で、苔むした倒木に射しこむ木漏れ日が神秘的です。

樹林帯を抜けた瞬間、頬に吹き付ける風にハッと目を見開くこと必至です。山頂からは、広々と中禅寺湖を一望できますよ。

5. 富士山(ふじさん) 3776m

富士山 (写真=筆者提供)

敢えて明言します。富士山は、決して難しい山ではありません!

「いきなり標高3776メートルなんて無茶だよ」とお思いのあなた。どうかこれまでご紹介した山を、ご紹介した順番どおりに登ってみてください。ちょうど500メートルほどずつ標高を上げておりますから、高度順応トレーニングにピッタリです。

さて、富士山には4つの有名なルートがありますが、最初は吉田ルートがオススメです。混雑するのが唯一最大の難点ですが、そこさえ目をつむれば、山小屋の数をとってみてもこれほど安全な山道は他にありません。ツアーも充実していますから、心配ならば申し込んでみるのも良いでしょう。

世界遺産に登録されて以降は国際色も豊かになり、あちこちで英語が飛び交っているのも魅力の一つです。もしかすると、下山するまでに外国人のお友達ができるかもしれませんよ。

ステキな登山ライフを!

7月1日は山開き。あなたも、どうか素敵な山ライフをお過ごしくださいませ!

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