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実はハイリスク?! マンション投資の失敗例あるある

女性にありがちな失敗例って?

いきなり一棟を買うのは怖いけれど、ワンルームならば初心者でも…。待ってください、その考えがすでにアウトかもしれません。

老後の資金を貯めるため、あるいは副収入を得るために、投資をしたいと考える方が増えています。かくいう筆者も、戸建て3戸を所有し利回り15%を実現している個人大家です。けれどマンション投資に手を出そうと思ったことは、今のところ一度もありません。

不動産投資には新築マンション投資から築古ボロ戸建て投資まで様々なスタイルがありますが、マンション投資は初心者が手を出すにはリスクが高すぎると判断したからです。

この記事では、「マンション投資を始めてみようかな?」と悩んでいるあなたのために、他にも選択肢はあるのだということを知って頂きたく、よくある失敗談を見てまいります。

マンション投資でありがちな失敗は?

最もありがちなのは、購入から数年が経過した時点で、利回りが大幅に下がってしまうというケース。

なぜそんな悲劇が起きるのかと言えば「うっかり諸経費を計上しそびれている」の一点に尽きるのですが、この「諸経費」の試算がなかなかに曲者なのです。例えば自宅のポストに、こんなマンションの売り出し広告が入っていたと想像してみてください。

  • 物件名:ウハウハマンション
  • 物件価格:1000万円
  • 頭金:100万円
  • 金利:1.2%
  • 返済期間:20年。この20年は家賃保証付き

ざっとシミュレートすると月々の返済価格は2万6000円。仮に家賃9万円とすると、ウハウハマンションからは単純計算で月に6万4000円のキャッシュフローが生まれます。しかしながら、現実にはそうは問屋が卸しません。なぜなら、ここに金利や固定資産税、積立修繕費や管理費が掛かってくるからです。

マンション投資が失敗する理由は?

経費をきちんと把握し、差っ引く勘定さえできれば失敗も避けられるのでは……というのがまずはスマートな回答として浮かびそうなところですが、実際はこれが非常に難しいものです。というのもマンション投資における経費は、固定のものがほとんどないからです。

例えば金利一つ取ってみても、つい5年前、2011年3月では年2.54%だったものが、2016年3月には1.25%。下がっているから結構なことではないかと感じるかもしれませんが、ちょっと立ち止まって思い出してください。

マンション投資, 失敗例 (写真=Thinkstock/GettyImages)

日銀がマイナス金利政策導入を決定した2016年1月29日、日経平均株価が異常なほど乱高下しました。市場が混乱したからに他なりません。要するに政策が完全なる不意打ち、サプライズだったというあらわれです。

裏を返せば、今後もなんの前触れもなく政策が引っくり返され、ある日を境に唐突に金利が上がる可能性も否めないということ。なるほど今日、この瞬間だけを見れば歴史的低金利であることは間違いありませんが、果たして長い返済期間中、例えば向こう20年間、ずっと今と同じ低金利が続くと断言できるでしょうか。

上記「ウハウハマンション」の場合、この5年で約半分になった金利がまたいつか2倍の2.5%になる想定で試算すると、月々の返済額は3.1万円に跳ね上がります。この時点でキャッシュフローは5万9000円に下がってしまいます。

マンション投資で見落とされがちな「経費」とは

その他にも計算の難しい経費として、積立金や管理費が挙げられます。

当然のことながらマンションも「物」ですから、時間が経てば老朽化します。屋根や外壁の塗装、廊下やバルコニーの防水工事、給湯器の交換、給排水管の大規模修繕ともなってくれば何百万円単位のお金がかかります。それらを見越して、月々徴収されるのが積立金や管理費と呼ばれるものなのですが、非常によくある事例が、この経費の見落としです。

仮にウハウハマンションの積立金が月々1万円とすると、キャッシュフローは4万9000円…

ではありません。これこそが最も陥りやすいトラップです。

実は、マンションにおける積立金・管理費は、ほぼ間違いなく値上がりします。どんな物でも、年月を重ねるほど細やかなメンテナンスが求められるのは道理ですから、仮に売り出し時に積立修繕費が月1万円と明記されていたとしても、数年後には2万円になっている可能性も。

とするとウハウハマンションのキャッシュフローは3万9000円です。これをさらに10年スパンで考えていけば、赤字になっても少しも不思議ではありません。

ワンルームマンション投資での成功例は少ない?

以上のような理由から、そもそもキャッシュフローを確保するという時点で、マンション投資は非常に先読み困難だと分かりますが、極めつけは出口戦略の難しさです。

特にワンルームマンションの場合、分譲会社の販促コストが市場価格に上乗せされていることが大半ですから、購入当初の価格で売り抜けるのはほぼ不可能です。

マンション投資, 失敗例 (写真=Thinkstock/GettyImages)

もっとも、購入時の価格より値下がりするのはどんな物件でも同じでは? と思うかもしれませんがそんなことはなく、例えば中古木造戸建てならば、販売時に建物価値がすでにゼロになっていて、土地値で買えるというラッキーなケースも。必然、満室にして付加価値を上げれば、購入時より高く売却することもできますし、そうした事例は決して珍しくありません。

つまり、出口戦略の難易度においてはマンション投資が抜きん出て高いということです。

新築ワンルームマンション投資での失敗事例

この傾向が特に顕著なのが新築ワンルームマンションです。

新築ワンルームにありがち①価格が下がる

モデルハウスの建設費や広告宣伝費、ディベロッパーの利益など、それはもう膨大な費用が乗算されていますから、極論、1000万円で購入したマンションの価値が、翌年には30%下がって700万円になってしまうというケースも。

実際、新築ワンルームマンションの価格は概ね最初の5年間で急激に下落し、その後も15年間ほどは右肩下がりが続く傾向があります。

新築ワンルームにありがち②固定資産税は下がらない

その一方で、RC(鉄筋コンクリート)の耐用年数は47年ですから、マンション価値が下がり続けている間も、固定資産税が下がることはありません。つまり資産価値だけが目減りし、税金はほぼ変わらないということです。

新築ワンルームにありがち③長期家賃保証が変更される

また、新築ワンルーム投資においては、長期家賃保証が付帯していることが多く、これも安心材料として誤解されがちです。実際は購入当初は10万円保証だったものが、2年後には周辺相場に合わせ8万円に引き下げられるなど、随時変更されていくケースもよくあること。

そもそも日本企業の20年生存率は0.3%とも言われる中、果たして家賃保証を付けてくれている会社自体が、マンションと同じだけ存続してくれるものかも疑問です。

中古マンション投資での失敗事例

ならば、すでに建物価値の下がりきった中古マンションに投資をすれば良いのでは? という発想が生まれてきます。しかし中古マンションは文字通り中古であり、築20年も経過していれば、上下水道やガス管など見えない箇所が磨耗しているものです。

中古マンションにありがち①原料が古い

例えば高度経済成長期に建てられたマンションにおいては、現在のコンクリートとは異なり原料に海砂が使われていたことが知られており、筐体が非常に錆びやすいという特性があります。

必然、物件調査費やリフォーム費用など、新築では不要とされる予算や手間が生じてきますし、何より、人様に住んで頂く上で責任も重くなってきます。

新築だから軽いというわけではありませんが、地震大国の日本において、いつ潰れるとも知れないマンションを貸しに出す……というのは、もちろん最終的には双方の合意あってこその賃貸借契約ですが、大家のメンタル的によろしくないのでは、というのは私自身が感じている部分です。

中古マンションにありがち②きれいな部屋だけ見せられる

こうしたことを販売業者が逐一教えてくれれば良いですが、残念ながら、そこまで親切なケースはまずありません。個人的な感触としては大家が確認しない限り、向こうから教えてくれることは皆無です。

それどころか、例えば全20室のうち内装のきれいな2室だけを見せられて、残りの部屋では雨漏りが……などという悲惨なエピソードも散見しているのが恐ろしいところです。

女性にありがちなマンション投資の失敗例

これは女性に限らずの話ですが、こと日本においては女性のほうが被害に遭いやすいと感じていることとして、不動産営業の口車に押し切られてしまうことが挙げられます。

マンション投資, 失敗例 (写真=Thinkstock/GettyImages)

不動産業界ではまだまだ男性スタッフのほうが多いですから、内見は基本的に、狭い車内や室内に異性と二人きりに。大きな買い物を前に気持ちも高揚していますから、つい冷静な判断力を欠いてしまいがちです。

女性にありがち①「女性なのにすごいですね」

例えば、私自身もう何度聞いたか分からないリップサービスの一例に、「女性でお若いのに投資だなんて凄いですね」という方向から契約に畳み掛けようとするものが。

個人的には、「女性でお若いのに」という一言がすでに「投資は男がするもの」という思考が透けていて失礼だなと引っ掛かるのですが、この手のリップサービスで気持ちを良くしてしまうと、少々見栄を張っても契約書にサインしてしまいたくなるのが人情なのかもしれません。

女性にありがち②ロジカルなチェックを怠る

その他には、これは成功例にも繋がりやすい部分なので一概に悪いとは言えませんが、内見の際に感性で選んでしまうこと。

例えば清潔感、日当たりのよさなど、子育てに向いていそうな環境を本能的に見抜くセンスにおいて女性は水際立っている一方、前述したコンクリートの材質など、ロジカルなチェックは怠りがちな印象があります。

いずれにせよ、投資は最終的には数値のパフォーマンスです。

大家はサービス業。慈善事業ではない

大家はサービス業ですが、慈善事業ではありませんから、どんな場面でも利回りを計算していく強かさが求められます。

マンション投資においてはこの計算が非常に難しいものですから、あくまでも私個人は、初心者の方には、築古木造戸建投資がおすすめです。

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