(写真=PIXTA)

主夫に向いている「彼」ってどんな人?

主夫ライターに聞きました。

初めまして。「焼きいも農家」成田祐樹です。

私の本業は「農業+焼きいも屋」ですが、主夫もしています。今回は自分の経験を交えながら、「主夫」について書いてみたいと思います。主夫になったきっかけ、どんな1日を過ごしているか――。いったいどんな人が主夫に向いているのでしょう?

30代半ば―主夫、はじめました

私は40代で子供が3人います。夫婦がそれぞれ別に個人事業を営んでいます。

私が「主夫」になったのは今から7年前。それまでは、妻が専業主婦で私は会社員でした。あるとき、複数の理由から退職し、いろいろと検討した結果(ここは省きますが……)、新規就農するという道を選びました。新規就農とは、別の職業から新たに農業家になるということです。当時は一番上の子供が4歳、二番目が1歳でした。

夫婦で新規就農する前準備として最初にしたのが、妻の自動車免許取得です。妻が教習所に通っている間、家事と子育ては私の仕事になりました。これが「主夫」としての第一歩です。

夫婦のバランス―主婦or主夫?

家族で宮崎県に移住し、私は農業を始めます。当初は模索の日々が続きました。そんななか、妻は妻で「子育てにかかわることを仕事にしたい」と思うようになり、保育士の勉強を始めます。

数年がたち、妻は「足育アドバイザー(※)」として開業しました。研修や仕事のため、妻は泊まりがけで県外に行くこともあり、妻が不在の間は必然的に私が家事や育児を務めます。

というわけで、私の場合は望んで主夫になった、というわけではありません。しかし、妻と私の性格や仕事の内容を考えると、おそらく私の方が主夫に向いていました。

※足育アドバイザー:足と靴についての正しい知識を持ち、トラブルのない足を育てることを目的とする「足育」に関するアドバイザー。足育講座や足測定会を通して「足育」を広める仕事です。

「農業家」兼「主夫」の1日

主夫の1日はこんな感じです。

  • 朝6時―家族全員が起床します。
  • 朝7時―妻と子供たちを学校に送り出します。
  • その後、1時間半~2時間程度は家事の時間です。食器洗い、洗濯物干し、掃除など。
  • 朝9時頃―それが終わるといよいよ農家の仕事。畑に出る日もありますし、毎週水曜日は焼きいも屋を開けます。
  • 午後3時半~4時半頃―農家仕事を切り上げます。
  • 帰宅したら洗濯物の取り込み、風呂掃除。そして夕飯の支度に取り掛かります。
  • 焼きいも屋の水曜日は午後5時頃に閉店し、近くのスーパーで食材を買ってから帰宅、夕飯の支度となります。
  • 夕食後―は食器洗いと翌朝の支度。炊飯器をセットして一通りが終わります。

休日は、妻が仕事に出ることも多いので、基本的には私が家事をしながら子供たちと過ごしています。

主夫のメリット・デメリット

主夫になってよかったことばかりではありません。当然困ったことも……。

まずメリットですが、「時間の自由度が高い」こと、これに尽きます。家事さえしていれば、残りの時間は仕事も含め自由に使えます。特にお勤めの場合は時間的な拘束がありますが、それがゼロ。自分の裁量でどうとでもできるわけです。

それから、子供がいれば「ママ友」とのお付き合いは避けられませんが、「主夫」だと「ママ友」とちょうどよい距離感で付き合えます。これは男性ならではのメリットかもしれませんね。

一方、デメリットは「収入」です。会社員時代は安定した収入がありましたが、当然ながら激減しました。「もっと働けたら」と思うこともあります。

どんな人が主夫向きか?

主夫に向いているかどうかは、性格と能力が関係あるようです。

まず性格としては「安定志向」であること。私と妻を例にして言えば、私はひとところに落ち着いて物事に取り組むタイプ。妻は外に出て変化を求め進んでいくタイプです。家事というのは基本的に「繰り返し」ですよね。毎日休みなく繰り返すことができる。これが平気な人が向いているのだと思います。

もう一つ、「創意工夫」の能力もあるといいですね。工夫次第で段取りよく楽にこなすことができるようになります。分かりやすいのが料理です。初めはレシピ通りに作りますが、そのうち他の食材を使ってみたり、手元にない調味料を別のもので代替してみたり。

主夫のいる家庭。一番大切なことは?

一番大切なのは「互いが互いをリスペクトする」ということです。

家庭の安定には、仕事をして収入が得られることが重要です。同時に、家庭を守る存在がいてこそ、パートナーは思い切り仕事に打ち込めるのです。これは、夫と妻のどちらの役割であっても共通して大切なことといるでしょう。

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「主夫」をするということは、皆さんが考えてるより「楽」なことではないかもしれません。けれども、働き方とともに家庭のかたちもいろいろ変わってきています。今の時代、夫、妻という肩書きではなく、性格や仕事のやり方に合わせて家族のあり方を変えていくのも、充実した人生を生きる第一歩かもしれませんね。

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