(写真=Thinkstock/Getty Images)

日本の女性が手に入れている自由、まだ手に入れていない自由

本当の豊かさってどういうこと?

あなたは自分が自由だと感じますか。それとも、仕事や組織にがんじがらめにされて不自由だと感じますか。

筆者はアジア在住歴12年になりますが、あらためて「日本」という国の女性には、ほかの国の女性が手に入れていない自由があると思いますし、その反対にほかの国の女性が手に入れているのに、日本の女性が手に入れていない自由があると思います。

今回は日本の女性が手に入れている自由と、手に入れていない自由をそれぞれ3つずつ紹介します。

日本の女性が手に入れている3つの自由

①肌を露出し、最新のファッションに身を包む自由

筆者が夏の日本に帰国する度に目にするのは、女性たちの眩しい素肌です。

当たり前のことのようですが、世界には肌の露出が法律で禁じられている国もあれば、治安の悪さから、露出を控えざるを得ない地域もあります。古い慣習に縛られて、民族衣装や、そのコミュニティの女性たちが着ているのと同じ服装しか許されない女性もいるでしょう。

②SNSで好きなように自分をアピールする自由

中国でのソーシャルネットワークや外国放送のブロックは有名ですが、筆者が先日訪れたイランでも、一部のソーシャルネットワークやBBCなどの外国メディアはブロックされていました。

イランで、ヒジャブ(スカーフ)を脱いだ写真をInstagramに投稿した女性が逮捕されたというニュース(jiji.com 2016年5月16日付)もありました。

③好きな場所に出かけたり、海外旅行に行ったりする自由

筆者もかつては、金曜日の仕事終わりに新幹線に乗って温泉に行ったり、飛行機に乗って韓国へ垢すり・爆買いツアーに行ったりしました。

でも、途上国出身者なら、海外旅行の度に、ビザの申請の長い列に並び、失礼な審査官の態度に黙って耐えるしかありません。インドの農村で極貧生活を強いられている女性なら、家事や子育て、農作業に追われて、自分の住んでいる村から出ることさえままならないでしょう。バス代もなく、バスの行き先も読めず、バスの路線検索もできなければ、街から出るのは不可能です。

「旅行の自由」というのは世界全体で見ると意外なほど、貴重な自由でもあるのです。

日本の女性がまだ手に入れていない3つの自由

では、筆者が考える、日本の女性にとって足りない自由とは何でしょうか。

①年上の人と対等でいる自由

欧米では、職場の先輩や義母など親しい人ほどファースト・ネームで呼びかけ、年齢や立場にとらわれず、人間として対等であろうとします。日本の女性は、先輩女性や義母には、全く頭が上がらない…と思っているのは筆者だけでしょうか。

②家事をしない自由

ヒラリー・クリントン氏も「家事と仕事の両立は無理」と言ったそうです。LINE前社長の森川亮氏の「寝ているとき以外は仕事をしていたい」という発言(2016年5月25日付、PRESIDENT Online)がありましたが、家庭のある日本の女性が堂々とこんなことを言ったらどうなるでしょうか。

③クリエイティブな生活を送る自由

『貧困、仕事、そして自由』の著者(原題Poverty, Work and Freedomケンブリッジ大学出版)によると、クリエイティブな生活を送ることができれば、貧困から逃れることができます。そして自分のスキルを発揮できる仕事こそが、クリエイティブな生活にとって特に重要なのだそうです。

ただ、日本で総合職など自分の裁量を発揮できるような仕事に就くためには、長時間労働を負うことを受け入れなければならず、特に女性は結婚、出産を機にキャリアを断念してしまうケースも少なくないでしょう。

高度な社会が目指すもの

「(経済)成長は私たちを喜ばせる特典だが、必然ではない」

これはチェコの経済学者トーマス・セドラチェク氏の言葉です(2016年4月25日付、日本経済新聞朝刊)。彼の言葉をまとめてみるとこんなことが見えてきます。

女性, 自由とは (写真=Thinkstock/GettyImages)

世界中のどこを見回してみても日本ほど豊かな国は見当たらない。それなのに、どうして、これ以上の経済成長を望む必要があるのでしょうか。無理をして、一時的に成長したとしても、限界は見えているのではないでしょうか。それならば、これからは、成長ではなく、『自由』を、高度な社会の指標としてはどうでしょうか。

また、ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン教授も、そもそも『自由』がなければ発展はあり得ないと述べています。

帰国時に見る日本はキラキラと輝いている

日本に住んでいると、「本当にこれが高度に成長した社会?」と思ってしまうかもしれませんが、アジア圏在住の筆者にとって、帰国時に見る日本は、いつも、キラキラと輝いています。暗いニュースばかりが飛び交い、閉塞感が漂う社会にあっても、『日本人が持っているもの』は、世界のどの国の人々も羨むようなものばかりなのです。

「貧しさの対極にあるべきものは、物質的な豊かさではなく、自由である」。…開発経済学者たちが近年こぞって口にするこの言葉の意味を、じっくり考えてみたいと思う今日このごろです。

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