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【連載】「わたしがFPになった理由」

第10話 人生のパートナー「お金」の知識を身につける方法

必要と分かっているけどなかなか…そんなあなたにおススメです。

社会保険労務士・CFP・1級DCプランナーの資格を持つ小野さんは、自由にできる時間ができたことからFPの勉強を始め、お金の知識の取得にのめり込みました。「中高年女性のお金のホームドクター」としてセミナー講師、執筆などを中心に活動する小野さんがかつて、金融商品販売の現場で感じた悩みとは?

FPを目指した理由「勉強でもしようかなあ~」

10年ほど前、子どもが受験のために塾に通い始め、帰宅を待っている時間がとても退屈になりました。子どもが一生懸命勉強しているのに、自分だけテレビを見て過ごすのがなんだか申し訳ない気がして、私もなんか勉強でもしようかと思い、するなら試験合格を目指せるものにしようと考えたとき、ふとFPが頭によぎりました。

数年前、家を買うとき、銀行の担当者から「固定」とか「変動」とか「団体信用生命保険」とかいろいろな説明をされ、全く意味はわからなかったけれど、言われるがままに印鑑を押していたことを思い出し、「それはどんな意味だったのか知ってみたら楽しいかも」という、とても軽い気持ちからでした。

勉強が楽しすぎて、一気にCFPまで

とりあえず、2級(AFP)受験のテキストと問題集を取り寄せました。最初はその量と内容の難しさに「このまま放っておこうかな」という気持ちが起きましたが、せっかく買ったのにもったいない、と思い直して、嫌々テキストを開き出して進んでいくと、気持ちがどんどん変化していきました。

とにかく楽しかった!金利と住宅ローンの知識はもちろん、昔勧められた保険商品のしくみと特長、税金の計算など、いままで人生の中で経験してきたことや説明を受けたことが、点から線になってどんどんつながっていくのです!

無事2級に合格してもまだまだFPの勉強を続けたくて、CFPの勉強をはじめたのはもちろん、一気に1級FP技能士まで受験しました。家族には部屋にこもってばかりで家事は手抜きだと怒られていましたが、それほど楽しく有意義な時間でした。

金融商品を扱う現場で感じていた悩み

CFPを取得した当時は、金融とは関わりのない仕事をしていましたが、その後縁あって、保険営業の仕事に就くことになりました。当時FPの認知度はとても低かったため、FPを持っているといっても何のことかという人がほとんどで、それだけで独立している人はほんの僅かでした。

そんな、日々金融商品を扱い、お客様に説明する立場であったときに感じていたことは、「本当にこの商品でいいのだろうか?」という思いでした。

もっと時間をかけて、お客様の背景や気持ちも含めて知らないと、商品を案内することはできないのではないか、という思いにいつも悩まされていました。けれども、そこまでできる時間も環境もないのが現実でした。

社労士・FPとして独立しよう!

社会保険労務士,FP,中高年 (写真=Thinkstock/Getty Images)

その当時母から、「私とお父さんの保険を整理してほしい」と頼まれました。「一体どんな保険にいくら入っているのか、さっぱりわからない」「いざというときのことが心配でゆっくり眠れない」とまで言いました。

同じ時期、肉親のいない高齢女性が、多くの貯金を残したまま亡くなったというお話しを聞きました。将来に不安を感じてお金を残していたことは理解できますが、もっと早くから、自分の楽しみのためにお金を使うという、安心感を与えられる人の存在があればと、その事がとても心に重く残りました。

自分もいわゆる「中年」となり、また両親が高齢になっていくに従って、お金の知識を持つ信頼できる人が近くにいることは、本当に大切なことだと感じました。そして、自分がそんな存在になりたいという思いはどんどん大きくなっていき、FPとしての独立が、「夢」ではなく、「目標」に変わっていったのです。

社会保険労務士の資格を目指したのは、「中高年女性」のニーズに応えるためには、社会保険の現場の知識、特に年金を知ることが重要だと感じたからです。そのため、CFPを取ってから独立まで10年かかってしまいましたが、今はその判断は間違っていなかったと思っています。

お金の知識を身につける方法

お金の知識は絶対に必要です。でもなかなかあらたまって勉強できないのが現実です。

そこでおススメしたいのが、まず今興味のあることから始めてみることです。住宅購入を経験した方ならローンについて、投資商品を勧められた、子どもの教育資金にと生命保険を勧められたなど、きっかけは何でもいいのです。

聞いた言葉を自分でインターネットや本で調べてみます。そうすると言葉の意味が理解でき、どんどん楽しくなってきて、また疑問も湧いてきます。その疑問を勧められた人に聞いてみます。それを繰り返せばどんどん知識が増えていき、また自分の選択にも納得できます。

「お金」は人生のパートナー

  知識が何もなかった頃の私は、それぞれのタイミングで関わった人たちの言葉を、何の疑いもなく信じて、その通りの選択をしてきました。

今思うと、「客である私のため」というより「成績のために」という営業の人もいました。営利を目的とする会社に属している限り、利益を優先させないといけない場面もあったであろうことは理解できますが、わかっていても割り切れないこともあります。

「知識がない」ことほど恐ろしいことはありません。今回は私がFP試験を受けた経緯とその後の意識の変化をお話しして、皆さんにお金の知識を持つことの楽しさを理解して頂けたらと思います。

お金だけが人生じゃない。でもお金がなければ生きていけない。自分の大切な人生の、大きなパートナーである「お金」の知識をどんどん増やして、充実した人生を送っていきましょう!

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