(写真=Thinkstock/Getty Images)

2万円もお得に!?生命保険料控除を受ける方法を教えて!

生命保険料控除ってよくわからないと思っている方。もしかしたら損してるかも……!

「生命保険料控除」って聞いたことがあるけど、どんな生命保険に入るとどんな控除が受けることができて、どれだけメリットがあるか、正直言ってよくわからないという人が意外と多いようです。

確かに「生命保険料控除」について細かく知らなくても生命保険に加入することはできますし、短期的には損をせずにすむかもしれません。

一方で、生命保険料控除の手続きをすることは、年に1度自分の生命保険の加入状況を確認するチャンスでもあり、「生命保険の入りっぱなし防止」にもなります。

それをふまえて、今回は、今さら聞けない生命保険料控除の基本をわかりやすく説明していきましょう。

生命保険料控除とは?

サラリーマンやOLの方は、年末調整の時に自分の入っている生命保険の「生命保険料控除証明書」を勤務先へ提出すると、1年間毎月給与から引かれていた所得税を再計算し、所得税が少し戻ってきます。

これは、控除制度といって、税金の計算をするときに計算の基礎となる所得金額から控除分を減らすことができる制度です。

そもそも所得税は、

(年間所得ー生命保険料控除)×所得税率=所得税額

という計算式にもとづいて計算しています。つまり、生命保険料分を年間所得から控除する(差し引く)ことで、あなたが支払うべき税金が安くなるという仕組みです。

生命保険料控除の申請方法

生命保険料控除を受けるためには申請が必要です。給与所得を受けている場合は年末調整、自営業や2カ所以上で給与所得がある場合は確定申告を行います。

①サラリーマン・OLさんは基本的には年末調整

毎年10月頃から、勤務先で渡される「給与所得者の保険料控除等申告書」に保険会社名・保険種類・契約者・保険金受取人・保険期間・保険料を記入します。

一般・医療介護・年金の3種類記入するところがあるので、生命保険料控除証明書を確認しながらそれぞれの保険種類ごとに記入します。この申告書にも控除となる金額を計算する式が載っているので、それを参考にしながら自分の控除金額を計算して記入しましょう。

②フリーランスの方などは確定申告

申告書に必要事項を記入し、税務署に提出して確定申告を行います。税務署に行かなくても、自分の住所管轄の税務署に郵送することで税金の還付申告をすることもできます。

申告書の第1表、第2表の2カ所に記入するところがあります。第1表に保険料の総額を記入し、第2表に保険料控除の内訳を記入します。

年末調整の「給与所得者の保険料控除等申告書」には計算式が載っていますが、確定申告の申告書には載っていないので第2表に記入する金額は、自分で計算しておく必要があります。

手計算が面倒な場合には、国税庁の確定申告書等作成コーナーで保険料を入力すると自動で控除額を計算してくれるので便利です。

生命保険料控除を受けるために必要なもの

生命保険料控除を受けるためには、申請の時に「生命保険料控除証明書」を添付する必要があります。

「生命保険料控除証明書」とは、保険会社が契約者の支払った保険料を証明する書類です。毎年10月中旬くらいから保険会社が契約者の登録している住所に送付します。

最近、来店型保険ショップなどで気軽に保険の見直しをすることができることから、保険種類によってたくさんの保険会社に分けて契約をしている方が増えています。それに、契約者名が自分名義になっていないと自分の控除の対象にならないと思って申告しないケースもあるようです。

しかし、国税庁のホームページによると、控除の対象になる保険契約は「保険金等の受取人のすべてをその保険料等の払込みをする方又はその配偶者その他の親族とするもの」となっています。保険金受取人が本人・配偶者・親族であれば契約者名を問わず対象になるということです。せっかくの控除ですから、対象の可否をしっかり確認してもれなく申告しましょう。

生命保険料控除証明書の注意点

生命保険料控除証明書は、控除を受けるために必要な大切な書類です。そこで、気をつけておきたいことが3つあります。

①紛失に気をつける

保険会社によっては、毎年10月位に送付されますが、保険会社によってさまざまな形式で送られます。

年に1度、現在の契約内容を確認するお知らせが送られることが多いですが、その手紙の中に切り取る形式で生命保険料控除証明書がついているものや、ハガキ形式で開くもの、控除証明書のみ封書で送られるものなどがあります。保険会社から届いた書類はしっかり確認しましょう。

かなり早めに送られることもあるので、勤務先に提出を求められる11月下旬から12月まで大切に保管して紛失しないよう気をつけましょう。紛失しても再発行してもらうこともできますが、提出期限までに間に合わないケースもあります。

②現住所の届けを確認する

転居などで住所の変更があった場合は、忘れずに保険会社にも住所変更の届出をしておきましょう。転送期間内であれば控除証明書が手元に届きますが、転送期間を過ぎてしまった場合は保険会社に返送されて届かなくなってしまうこともあります。

③年末近くに年払いの契約をしている場合

控除証明は「保険料を支払った証明」です。11月や12月に年払いとなる契約の場合保険料の支払いはまだされていないので、証明書発行が遅くなるケースがあります。

「払込み見込」証明として発行される保険会社もありますが、年払いの引き落とし確認ができてから年末や年明けに控除証明書が送られてくるケースもあるので、加入している保険の控除証明がきちんと届いているが確認しましょう。

生命保険控除の種類と新旧制度について

生命保険控除には、旧制度と新制度(2012年1月〜)があります。旧制度と新制度では控除できる金額、保険の種類が異なります。

新旧制度の違い①保険の種類

保険の種類の分類は、

a. 一般生命保険料控除

b. 個人年金保険料控除

c. 介護医療保険料控除

の3つがありますが、旧制度にはcはありません。

新旧制度の違い②控除の金額

旧制度ではa、bでそれぞれ5万円の控除があり、合計すると10万円まで控除されます。

一方、新制度ではa、b、cそれぞれ4万円の控除があり合計12万円まで控除されます。

保険種類と上限額に差があることはぜひ知っておきましょう。

生命保険控除額の計算方法

2万円もお得に② (写真=PIXTA)

では、実際にどのくらいの税金が還ってくるのか計算してみましょう。

例えば、Aさんの課税所得(年収から基礎控除や社会保険料控除などを引いた金額)が400万円、年間保険料が7万円だったとします。

もし、保険料控除を受けなかった場合、Aさんの所得税額は、37万2500円となります。

<計算式> 400万円×20%-42万7500円=37万2500円

※20%…課税所得195万円超~330万円以下の場合の所得税率

※42万7500円…課税所得195万円超~330万円以下の場合の所得税控除額

※そのほかの金額のケースについては、国税庁HP参照

ここで、Aさんが保険料控除を受けたらどうなるでしょうか。

まずは所得から控除できる額を計算します。

<計算式> 7万円(保険料)×1/4+2万円=3万7500円

※保険料✕1/4+2万円…保険料が4万円超~8万円以下の場合の新制度での個人年金保険料控除額の計算式

※そのほかの金額のケースについては、生命保険文化センターHP参照

次に、課税所得金額からこの控除額を差し引き、あらためて所得税額を計算します。  

<計算式> (400万円-3万7500円)×20%-42万7500円=36万5000円

※20%…課税所得195万円超~330万円以下の場合の所得税率

※42万7500円…課税所得195万円超~330万円以下の場合の所得税控除額

すると、Aさんの所得税は36万5000円となり、控除を受けなかった場合と比べて7500円お得になります。

この制度を一般生命保険料、医療介護保険料、個人年金保険料の3枠フル活用すると7500円×3=2万2500円となり、2万円得することになるのです。

利回りで言うと10%以上もお得ということに!

保険には、解約返戻金が貯まるものもあり、総支払い保険料よりも解約返戻金が上回る運用目的に使える商品もあります(終身保険や個人年金保険など)。

そのような保険を活用すると、1年間で7万円積み立てて7500円のキャッシュバックがあると考えることもでき、単純な利回り計算で約10.7%のメリットといえます。

また、今回例にしたAさんの課税所得は400万円だったので、税率は20%でしたが、所得が多くなればなるほど税率はあがるので(累進課税、最大で45%)、所得が多い人ほどメリットが大きいのです。所得税の詳しい計算方法については、国税庁のHPを参考にしてみてください。

控除だって投資手法のひとつ!

預金ではほとんど利息がつかない今、このような控除を投資手法のひとつとして上手に活用していきましょう。

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