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はじめての不動産投資信託(REIT) どんな商品?

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一度は株式投資を始めようと口座を開設したことがあるけれど、そのまま放ったらかし。また、不動産投資など代表的な「投資」についてはなんとなく分かってはいるけれど、説明はできないという方も多いのでは。J-REIT(不動産投資信託)も耳にしたことはあるけれど、内容まではさっぱり…。今回は、そんな方のために不動産投資信託について分かりやすく入門編として説明します。

不動産投資信託(J-REIT)とは?

不動産投資信託、J-REIT (写真=Thinkstock/Getty Images)

不動産投資信託(REIT)とは、もともとアメリカで誕生したものでReal Estate Investment Trustの略称のこと。

日本では頭にJAPANのJをつけて「J-REIT」と呼ばれています。不動産投資信託とは、多くの投資家から集めた資金で、オフィスや商業施設、マンションなど複数の不動産に分散させて投資を行い、家賃収入や売買益を投資家に分配する商品のことです。

複数の投資家から出資を募り、集めた資金を株式、債券、不動産など複数に分散させて投資を行うのが投資信託ですが、不動産に特化して投資を行う投資信託が不動産投資信託と呼ばれています。不動産投資信託は、法律に基づき「不動産投資法人」と呼ばれる会社のような体制になっています。

以下で種類、銘柄を紹介します。

不動産投資信託(J-REIT)の種類・銘柄

不動産投資信託は、2001年9月に2銘柄の上場からスタートしました。少しずつ数を増やしつつも、途中で世界的金融危機などの影響により銘柄が減少したこともありましたが、2014年11月末には時価総額が10兆円に到達しました。2016年4月18日現在、53銘柄あります。4月20日にはスターアジア不動産投資法人 <3468> が上場。

この不動産投資信託は大きく分けると2種類に分けられます。1つは単一用途特化型REITと呼ばれるもの。そして、オフィスビル特化型、住居特化型、ショッピングセンターなどの商業施設特化型、倉庫などの物流施設特化型、ホテル特化型と大きく5つのタイプに分けられるもの。例をあげると以下のような銘柄があります。

オフィスビル特化型

<8951> 日本ビルファンド投資法人

<8952> ジャパンリアルエステイト投資法人

<8976> 大和証券オフィス投資法人

主に大型のオフィスビルに投資します。オフィスビルは住居用と違い、企業の出入りが激しいという特徴があります。景気の影響を受けやすいため、安定性は低いですが大企業が入ることが多いため収益を得やすいという特徴もあります。ちなみに日本のJ-REITの中で最初に上場したのは「日本ビルファンド投資法人」です。

不動産投資信託、J-REIT (写真=Thinkstock/Getty Images)

住居特化型

<8979> スターツプロシード投資法人

<8984> 大和ハウス・レジデンシャル投資法人

<8986> 日本賃貸住居投資法人

<8973> 積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人

住居として使用されるため収益が安定しています。投資信託の価格も安定しやすいという特徴があります。他のタイプと比較して1物件あたりの規模が小さいため、保有する物件数が多くリスクは分散されていると言えるでしょう。

商業施設特化型

<8953> 日本リテールファンド投資法人

<8964> フロンティア不動産投資法人

<3292> イオンリート投資法人

景気の影響を受けやすい特徴があります。また、地域の景気にも左右されます。

物流施設特化型

<8967> 日本ロジスティクスファンド投資法人

<3281> GLP投資法人

<3283> 日本プロロジスリート投資法人

倉庫などの大型の物流施設に投資します。テナントが撤退しない限り賃料が入るので安定性は高いと言えるでしょう。1物件あたりの規模が大きいため、テナントの退去が収益に大きな影響を与えます。

ホテル・旅館特化型

<8985> ジャパン・ホテル・リート投資法人

<3287> 星野リゾート・リート投資法人

星野リゾートなど母体がホテルやリゾート施設を運営する企業となるため、母体の経営状態に左右されます。ホテルのブランド力や収益性がポイントとなります。経営状態なども見ながら検討すると良いでしょう。

もう1つは複数用途型リートです。複数の用途の不動産に投資します。さらに2つの用途を組み合わせるもの、3つ以上の用途を組み合わせるものがあります。例をあげると以下のような銘柄があります。

2つの組合せ複合型

<3263> 大和ハウス・リート投資法人(物流施設+商業施設)

<8955> 日本プライムリアリティ投資法人(オフィス+商業施設)

<8956> プレミア投資法人(オフィス+住居)

3つ以上の組合せ総合型

<8968> 福岡リート投資法人(商業施設中心の組合せ)

<8961> 森トラスト総合リート投資法人(オフィスビル中心の組合せ)

<3234> 森ヒルズリート投資法人(オフィス+商業施設+住居)

<8975> いちご不動産投資法人(オフィス+住居+商業施設+ホテル)

複数用途型リートは、複数の用途に分散させて投資を行うためリスクが分散されやすく安定が見込まれます。しかし、分散されている分、大きなリターンは期待できません。

このように不動産投資信託には様々な種類のものがあります。どのような不動産に対して投資をしているかは、それぞれの銘柄のサイトを見ると詳しく分かります。

また、エリアを絞って投資している銘柄もあります。阪急リート投資法人 <8977> は関西圏の不動産を中心に、福岡リート投資法人 <8968> は九州圏の不動産を中心に投資しています。好きな地域に絞って銘柄を選ぶのも1つの手です。

不動産投資信託(J-REIT)の利回りは?

不動産投資信託、J-REIT (写真=Thinkstock/Getty Images)

不動産投資信託の魅力の1つに利回りの高さが上げられます。 株:1.94%(日本取引グループより 2016年3月平均) 国債:0.703%(10年国債平均、財務省のHPより) 不動産投資信託:3.3%(不動産投信情報ポータルより 2016年4月18日現在)

主な原資は家賃収入

不動産投資信託の主な分配の原資は不動産の賃料収入です。例えば賃貸住宅に住んでいる方だと毎月家賃を支払っていると思いますが、不動産の所有者側になると毎月家賃収入が入ってくるということになります。

もし1室だけ所有している場合、空室になってしまうと賃料が入ってきませんが、不動産投資信託は多くの不動産に投資しているため、空室のリスクも分散しています。よって比較的分配金は安定していると言えるでしょう。

税制面でも有利

不動産投資信託の利回りが高めの理由に、税制面での有利であることがあげられます。不動産投資信託が「不動産投資を目的とする特別に認められた法人」とされることから、当期利益の90%超を投資家に分配することを条件に税金の免除を受けられるようになっています。

一般的に株式会社の株主は、事業による収入から販売費、経費などを引いた利益から法人税が引かれた金額から配当を受けます。

しかし、不動産投資信託の場合は賃料などの収入から借入金利や経費などを引いた利益から法人税を引かれることなく利益の分配を受けることができます。そのため、株式や国債に比べても高い利回りが期待できるのです。

利回りは分配金と価格に関係している

利回りは、投資した金額に対してどれくらいのリターンが得られるかで計算することができます。例えば、100万円の投資に対して分配金が10万円であった場合の利回りは10%です。計算は以下のようにします。

10万円÷100万円×100=10%

分配金が20万円、30万円と上がると利回りも20%、30%に増えるということになります。

利回りが高い銘柄で注意すること

利回りが高いからと言ってそれが投資する対象として適しているわけではありません。投資口の下落も利回り上昇につながっているからです。

例えば、100万円の投資に対して分配金が10万円であった場合と、分配金が10万円のまま投資口が50万円に下がった場合を比較します。 投資口が50万円になると利回りは20%に上昇しますが、銘柄に事情があって下落した場合は今後不安定になることも予想されるため、喜んでばかりはいられません。投資する銘柄に関するニュースなどを見ながら投資先を選ぶとよいでしょう。

分配金の配当月も確認しよう

また、銘柄の決算月によって分配金を受け取る月が異なります。定期的にお金を準備する手段としては使い勝手が良い商品と言えるでしょう。各銘柄のホームページなどを見ながら確認しておきましょう。

不動産投資信託(J-REIT)のリスク

不動産投資信託の売買は、取引市場を通じて行われます。そのため投資主からの請求による払戻しには応じられません。

実物の不動産に比べ流動性は高いとはいえ、売りたいと思うときに売れるという保証はないのです。取引価格が変動し、元本や利回りが保証されないというリスクがあります。以下では想定される5つのリスクを紹介します。

不動産投資信託の価格に影響を及ぼす5つのリスク

①不動産市場のリスク

投資物件の賃料収入は、不動産の賃貸市場や経済情勢の影響を受けやすく、賃料や保有物件の価格自体が下がった時には、価格や分配金が変動することがあります。

②上場廃止のリスク

証券取引所で上場廃止になった場合取引が困難になることもあります。

③金利変動のリスク

不動産投資信託の調達を金融機関からの借入によって行うこともあります。金利が変動することで収益に影響を及ぼすことがあります。

④天災によるリスク

投資物件が地震や火災などのよる影響を受けた時、価格や分配金に変動があります。

⑤倒産のリスク

この場合、価格が下落する可能性もあります。

このように様々なリスクが起こりうる可能性があります。分配方針に従っての分配が予定されていますが、必ずしも予定通りにいかないケースもあることは頭に入れておきましょう。

現物不動産とJ-REIT どちらがお薦め?

2016年3月期に楽待が発表した掲載物件の統計レポートでは現物不動産の一棟マンションの新規掲載物件の平均利回りは7.83%、問い合わせがあった物件の平均利回りは9.50%となっています。平均で現物の一棟マンションは8%超で取引が成立していると言えます。

一方、不動産投資信託は2016年4月18日現在で3.3%(不動産投信情報ポータルより)となり、現物不動産の方が圧倒的に利回りが高く投資対象としては魅力的と言えるでしょう。

その他、7つの項目でも2つを比較してみます。

7つの項目で比較する

不動産投資信託、J-REIT (写真=Thinkstock/Getty Images)

1:物件売買

現物不動産では、物件選びが勝負を分けます。そのため購入物件の選別をするために物件の分析、現地調査が必要になります。一方、不動産投資信託は物件取得から売却まで全てを投資法人のアセットマネージャーが行うため、投資家がタッチすることはありません。手間暇をかけることが可能であれば、投資対象が現物不動産でも問題ないでしょう。

2:諸費用について

現物不動産の場合、不動産登録税や固定資産税など諸費用は投資家本人が負担するものです。不動産投資信託の場合、投資法人が支払うため投資家が支払う必要はありません。投資口の購入費用は証券会社に支払う手数料のみです。証券会社によって差はありますが高くても1%程度が相場です。

3:物件管理について

例えると現物不動産は「自分の会社を経営する」、不動産投資信託は「投資信託を通して企業に投資する」というイメージです。現物不動産の場合、管理会社に委託しないと募集から入居者対応、集金まで自らで様々な対応が必要となります。一方、不動産投資信託は、投資法人のアセットマネージャーが全て行うため投資家は一切タッチすることはありません。

4:流動性について

現物不動産においてネックとなるのが流動性の低さです。不動産業者と媒介契約を締結してから、最低でも3ケ月以上は見ておいた方が良いでしょう。このネックを解消したものが不動産投資信託です。現物不動産と比べると流動性は高いと言えるでしょう。

5:売却益獲得

売却益獲得については、どちらとも不動産市況に左右されます。どちらにもリスクがあります。

6:レバレッジについて

レバレッジとは他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めることです。このレバレッジは現物不動産の特徴とも言えるでしょう。不動産を購入する場合、銀行融資を活用することが多いです。

例えば、300万円の自己資金で3000万円の物件を購入します。家賃収入を得ながら、返済を進めていくと2棟目、3棟目と物件を増やしていくことができます。少ない資金で、総資産を膨らませていくことができるのです。

一方、不動産投資信託は信用取引で3倍程度の上限となりレバレッジの効果はあまり大きくありません。

7:減価償却を活用

現物不動産では投資した建物の価値を費用として計上することができます。これを減価償却と言います。減価償却は経費として計上することができるため、本業の所得から引くことができます。よって節税につながります。不動産投資信託にはこのような効果はありません。

現物不動産と不動産投資信託は別物と考えるべし

上記の7つの項目を比較しましたが、現物不動産と不動産投資信託は不動産に投資する点では同じと言えど、根本的に違う投資だと考えておいた方が良いでしょう。

手間暇をかけることが可能で高収益を目指したい場合は、現物不動産がおすすめです。一方、自分の持っている資産の1つに不動産を組み込みたいという時には不動産投資信託がおすすめです。

不動産投資信託の失敗例

購入する際に営業マンやアナリストの話を全て信じ、任せっきりにしてしまうと思いがけない価格の変動に遭遇することもあります。プロであっても経済を予測することは不可能です。やはり自らで調べることも必要、失敗したとしても経験値が上がります。

運用の仕組み、投資対象について理解ないままに手を出してしまうと失敗します。どのような動きになるか予想もできないまま勘に頼るなんてもってのほかです。まずは投資先について調べることから始めましょう。

不動産投資信託(J-REIT)におすすめの証券会社

不動産投資信託、J-REIT (写真=Thinkstock/Getty Images)

不動産投資信託を始めようと思った時に悩むことが、証券会社選びです。重要なのは情報力と売買手数料になります。おすすめの4つの証券会社を紹介します。

1位:SBI証券

不動産投資信託の全銘柄を取り扱っています。GMOクリック証券についでネット証券の中での手数料が安いことが特徴です。口座登録をした後、ホームページ > 国内株式 > REIT から「REITとは」に入るとREITの魅力など勉強できるページがあります。動画で学ぶ「Jリートの仕組み(基礎編)」と「Jリートの仕組み(実践編)」も用意されています。53のすべての銘柄を扱っていることも魅力です。

2位:楽天証券

REIT型投資信託を多く扱います。ホームページ > 特集 > 「2020年東京オリンピック開催決定で“J-REIT”に注目?」では特集も組まれています。基礎から不動産市況との関係などグラフで確認ができます。

3位:マネックス証券

約定金額30万円の未満の場合GMOクリック証券についで手数料が安いことが特徴です。またサポート体制が手厚いことも好評です。不動産投資信託のコーナーには簡単な開設などもあります。不動産投資信託の基本的なことを学ぶにも適したサイトです。

4位:GMOクリック証券

手数料の安さは業界一であることは有名です。ツール・アプリ・Webページが使いやすいと人気の証券会社です。

ネット証券ごとに特徴がありますので、各ネット証券のホームページを確認してみて自分にあった証券会社を探して見ましょう。口座開設をするとさらに詳しい説明を確認することができますが、口座を開いていない人でも中身を確認することができます。まずは確認できる範囲で情報を確認してみましょう。

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