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【連載】「わたしがFPになった理由」

第6話 いつ結婚してもお金の悩みは尽きない

19歳で結婚し、離婚も経験した佐々木さんが伝えたいこととは?

ひとりひとりに違う人生があるように、お金の知識を学び始めるキッカケも十人十色。ファイナンシャル・プランナーの佐々木愛子さんのケースは19歳の頃、貯金ゼロでスタートした新婚生活にさかのぼります。「なんで出産一時金をもらえるの?」。お金の専門家への道は、そんな疑問から始まりました。

スタートは、苦い経験から

2002年、若くして結婚、出産を経験した私にとって、社会人になってから最初のお金との付き合いはシビアなものでした。授かり婚(当時はできちゃった婚)で、貯金ゼロからの新婚生活、及び出産。今考えてみれば、若さだけで乗り切った自分に、我ながら感服しますが、この経験話は胸を張って皆様に、お話しできる内容では到底ありません。

夫の収入(額面)は月25万円。社会保険料が引かれ、家賃、独身時代からの夫の車のローン返済、診察代、切り詰めた食費と雑費、光熱費を差し引けば、手元には何も残リません。

家計管理に苦労をする一方、働きに出たくても、乳児を抱えて出られないもどかしさに、日々苦い思いをしていました。

知らない制度がありすぎる!

出産後、健康保険から出産一時金を45万円ほど受け取り、20歳になり年金手帳を受け取るとすぐに、厚生年金(第三号被保険者)へ加入しました。このタイミングで、何かモヤモヤした気持ちになっていました。

「この制度って、いったい何なのだろう?」

出産すると45万円…制度がよくわからない

病院にて50万円近い出産費用を支払った後、夫の勤め先が加入する健康保険組合から45万円ほどが戻ってきました。

「毎月健康保険代を1万数千円支払い、出産したら45万円ほど返ってくる」 「毎月給料から数万円支払い、老後にお金がもらえる」

19歳になったばかりの私は、日々の家計と育児に追われながらも、よくわからない制度を飲み込み切れずにいました。

誰も教えてくれなかった

FP,資格,保険,出産一時金, (写真=Thinkstock/Getty Images)

金融や、法律に詳しい人が周りにいれば、私はFPになっていなかったでしょう。誰も教えてくれなかったから、自ら知る必要があったから、自ずとFPの知識をつけていったのです。

FPの勉強を始めたのは、夫と義親が抱える借金に悩んだ後の、離婚数年後でした。知らずにはいられない、心配性の性格も、FP知識習得には貢献したと思います。

理屈で保険を売りたかった

今でこそ「ファイナンシャル・プランナー」という言葉が、一般の人にも周知されるようになりましたが、私が資格を取得した2008年は、あまり知名度がありませんでした。当時、私は保険営業をしていたのですが、同じ事務所の先輩や上司ですら「なにそれ?」の時代でした。

ひとりでFP3級の勉強をしているときは、「そんな事をするより、足で稼いで来い」と言われ、FP2級の勉強をしているときは「資格取ったからって、数字(営業)ができるわけじゃないだろ」と言われました。FP1級の勉強を、休みの日に会社の研修室で、一人遠隔テレビ講義を受けているときは、もう誰も何も言わなくなっていました。10年もたたないうちに、ずいぶんとFPに対する認識も、変わったものだと思います。

保険業界という小さな枠の中でも、すぐに税制が変わり、それに伴い販売商品が変わり、そうこうしているうちにリーマンショックが起こり、超円高・低金利時代の突入。保険営業としてお客様に時間を頂くには、最低限の知識は持たなければいけないという危機感を日々抱いていました。

情報に振り回されず生きるためには

書店に行くと、金融に関する本が多いのに驚きます。知識取得の材料に足りないことはないけれど、情報量が多い分、かえって善し悪しを見分ける力が必要になってきた時代を私たちは生きています。また、セミナーもあちらこちらで開催されていて、無料から数万円のものまで多種多様です。

私がつたない経験を通してお伝えできることは、「人に流されない」ということです。良い影響を受けたり、柔軟な考え方を得たりするのは大賛成ですが、「この本に書いてあったから」「このセミナーで言っていたから」という理由だけでは、ダメです。

早く結婚しても、晩婚しても、お金の心配はなくならない

私のように若くして子供を授かり30代で教育費に奮起する人もいれば、40代で出産を経験する人も珍しくない昨今です。前者は、40代以降に老後の人生設計にゆとりを持てる分、30代キャッシュフロー管理に喘ぎ、思うように貯蓄が出来ない方も多いはずでしょう。後者は、キャッシュフローに余裕はあるものの、60代で仕事の定年退職と、子供の教育費の支出が同時にピークを迎えるのでストック(貯蓄)の目減りが心配です。

ここで出した例だけに留まらず、人の人生は十人十色なのですから、情報を得たのち、自分流にアレンジし、行動することが何より大事だと思います。

考えるきっかけは、何度も訪れます。大切なことは「こうなりたい」と将来の自分をイメージし、それに向かった計画をたて、修正を加えながら進んでいくことです。

最良の判断をするためには「知ること」が必要

FPの知識は、あくまでもその手段に過ぎません。なぜこの制度が存在するのか。将来本当に存続できる制度なのか。誰が何のために作った決まり事なのか。

知ることは、将来を予見して、今最良の決断をするために必要な事です。「幸せな将来」を実現するために、私はFPとして皆様のお手伝いができたらと思っております。

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