(写真=Thinkstock/Getty Images)

【連載】「金融用語をBL風に解説してみた」

#01 フィンテックが、何がすごいからわからないからBLで例えてみた

超新感覚!金融ロマンスストーリー

なんでも最近、新聞とかインターネットの世界でフィンテック(FinTech)ってのが話題らしいんですが、これはなんでもFinanceとtechnologyを組み合わせた造語らしいんだけど、そんなこと言われても、

まあ英検3級だからよくわからないよね。

で、よくわからないから、 フィンテックをBLで例えて説明することにしてみました。

ちなみにBLとは、男性同士の恋愛を描いたもので、何を言ってるかわからねぇがありのままに起こったことを話すならば、この物語は、金融用語をBLで説明する超大スペクタクル一大ロマンスになる予定なんだぜ……。

ここはアメリカ、シリコンバレー

ここはアメリカ、サンタクララバレー。通称シリコンバレーと呼ばれるこの街に一人の大学生がやってきたのでした。

太郎「あ……熱い……腹減った……し、死ぬ……」

彼の名前は金融太郎、彼は世界一周のバックパック旅行のために日本からサンフランシスコにやってきた日本の大学生でした。

☆主要登場人物☆

金融太郎(キンユウタロウ):法経大学3年生。大学を休学して世界一周バックパック旅行をしている。攻。

布井徹(フイテツ):太郎の小学校の幼馴染。風の噂でアメリカにいると聞いていたのだが……。受。

この三日ほど太郎はろくなものを食べていませんでした。

大学生の貧乏バックパック旅行です。お金もなければ、言葉も通じません。

噂の”シリコンバレー“というところにやって来て、Googleといった大企業のビルは見たけれど、それは太郎にとって特に心躍るものではありませんでした。

俺なんでこんなことやってるんだろうな……。

太郎はそう思いました。それと一緒におなかもグルグルぅっとなりました。

そもそも就活の話題作りのためにやってるんだし……。もう日本帰ったっていいんじゃないかな……。

太郎がそう思ったその時でした。

道の向かいから、一人の小柄のアジア人男性が歩いてくるのが見えました。

人が多い通りです。それ自体は何も珍しいことではありませんでした。でもどうしてだか太郎は彼から目が離せなかったのです。

ネルシャツを着た彼は、大きな黒縁のメガネをかけており、その奥にある黒目がちな瞳と太郎は目がありました。その青みがかった黒い目は、太郎と目が合うと驚いたように見開きました。

???「太郎……?」

太郎「え?」

と名前を呼ばれた瞬間、太郎はどうしたことでしょう。くらあっと意識が飛んで、太郎はぶっ倒れてしまったのです。

☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆

太郎が目覚めると、そこには見知らぬ天井がありました。

太郎「どこじゃこりゃあ!!」

太郎が慌てて飛び起きると、

???「目が覚めたか」

ベッドのそばのデスクに座っていた男性がそう声をかけました。

太郎「あれ?あんたさっきの……」

それはさっき道であった小柄な男性でした。

???「貧血で倒れたんだ。平気か」

太郎「へ?まじで??いやぁ……そりゃあどうも……」

俺、路上でぶっ倒れて、この人が助けてくれたのかぁ……俺かっこわりぃ……。

とポリポリと太郎は頬を掻きました。

太郎「いやすいません。助かりました。それで、あのぉ……あんた誰」

???「……!!!!?」

太郎にそう言われて、その男性はかぁっと顔が赤くなりました。

???「あ……いや……その……」

何が恥ずかしいのか、彼は口元に手の甲を当てて、赤くなった顔を背けました。耳まで赤くなった彼の顔を見て、太郎はあっと思いました。

昔、こんな風に赤くなる奴いたな。

確か小学生の時の……あいつの名前は……。

太郎「もしかして……徹?」

「!!」

徹と呼ばれて、彼はもう一度目を開きました。それと同時に太郎のおなかが、ぎゅるるるるぅ!と激しく鳴ったのでした……。

☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆

太郎「やーわりぃわりぃ」

そう言いながら、太郎は笑いながら徹がオーダーしてくれたピザをもぐもぐと食べるのでした。

太郎「まじ何年ぶり?小学校以来だから9年ぶりぐらいじゃね?なんか同窓会でアメリカにいるとか聞いてたけど、本当だったんだ。すげぇなぁお前」

「……俺も同級生がバックパッカー旅行で飢え死にしそうになってるなんて思わなかったよ……」

徹はあきれたように言いました。

太郎「いやーほんと、昨日とか飯食ってなくて、まじ助かったよ。それでお前、今なにしてるんだ?」

「サマーインターンだよ」

太郎「サマーインターン?」

ぽかんと太郎は口をあけました。

「シリコンバレーにあるフィンテックのベンチャー企業に夏の間だけサマーインターンをしてるんだよ」

太郎「フィンテック?」

「日本だとまだメジャーじゃないのかな」

そう言って徹は持ってるスマホを見せました。

「例えば俺のインターン先は、家計簿のアプリを開発してる。このアプリと銀行口座を直接つないで、口座からの入出金が自動的にこのアプリに入力されるんだ」

太郎「へー。便利じゃん」

「ほかにはペイパルとかはフィンテックの老舗だよね。クレジットカードを登録しておけば、安全にお金の決済ができる」

太郎「ペイパルかぁ。使ったことないなぁ」

「もっとすごい所になると、人工知能(AI)を使って資産の運用をしたり、こんなふうにITを使って金融をもっと身近にして人々の生活を豊かにするのがフィンテックなんだ」

太郎「ふーん」

ずずーと太郎は、ピザについてきたコーラを飲みました。

太郎「べつにそんなの銀行があればよくね?」

「!!!!!!」

このコラムのアイディンティにかかわることをあっさりと太郎はいいました。

太郎「だってそうじゃん。送金も決済もアプリとかいちいちダウンロードしたりしなくてもインターネットバンキングとかでいいんじゃね?AIとかいまいちまだ信用できないしよ」

「……だったら」

太郎「え?」

「既存の銀行が俺たちの生活を良くしたのか?」

そう言って徹は唇をかみしめました。 徹のお父さんは、小さな工場を経営していました。 何度も何度もお父さんが銀行に頭を下げる姿を徹は今でも覚えています。

「……僕は、このシリコンバレーで勉強してフィンテックで日本の金融業界を変えるんだ」

太郎「は」

太郎は徹の言葉を聞いて思わず笑いだしました。

太郎「あははは!!お前何言ってるの!?金融業界を変えるってお前そんなことできるわけないじゃん!」

「……!」

ケラケラと太郎が笑っていると、徹はまた赤くなりフルフルと震え始めました。

「お前は昔から変わらないな!」

太郎「え?」

「9年も経ったから少しは変わってるかと思ったけど、俺が間違ってたよ!出てけよ!腹はいっぱいになっただろ!?」

太郎「え、あ、あの~。俺、実は今日泊まるところ決まってなくてよかったら今晩泊めて……」

「出てけー!!!!」

と太郎は徹のアパートから追い出されてしまったのです。

太郎「畜生、久しぶりに会ったっていうのにつれねぇなぁ……しかし……」

あいつってあんなに大声出す奴だったっけ?

はてっと太郎は首をかしげました。 赤くなって怒鳴った徹は気のせいか少し目が潤んでるような気がしました。 からかいすぎたかな…。

太郎「せっかく飯おごってもらったのに悪いことしちゃったな……」

そう思うと、ほんの少しだけ太郎は胸がちりっと痛むのでした……。

『マイナス金利編』に続く。

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