(写真=Thinkstock/Getty Images)

【連載】「シェアオフィス「Real Woman」の午後」

#04 離婚をお金から考えてみる

イケメンFPが登場。不倫が原因で離婚すると慰謝料はいくら?

ここは東京・丸の内の女性専用シェアオフィス、その名も「Real Woman」。フリーランスで働く30代の女性が、日々楽しく、時に騒ぎながら仕事をしています。

このオフィスで働くパーソナルスタイリストの美幸(31歳)、行政書士の麻衣子(34歳)、イベント企画の理沙(32歳)は、職業も性格もバラバラ。共通点と言えば、独身アラサーのフリーランスということだけです。しかし、毎日ランチタイムを共にするくらい、なぜか非常に気が合う様子。心強い仲間がいることも、三人の仕事が順調な秘訣なのかもしれません。

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イケメン登場

さて、今日も「Real Woman」にランチタイムがやってきました。美幸と理沙は、いつものようにランチスペースへと向かいます。すると、オフィスの会議室から麻衣子と見知らぬ男女が出てきました。女性はそのままオフィスの出口へと向かい、麻衣子と男性はそれを見送ります。

美幸:「麻衣子さん!」

美幸と理沙はランチスペースから方向転換し、会議室の前にいる麻衣子の元へと向かいました。

麻衣子:「あ、美幸、理沙。紹介するわね。幼なじみの田村君。ファイナンシャル・プランナーなの」

田村:「はじめまして、田村です。麻衣子からお二人の話は伺っています」

麻衣子から「田村君」と紹介された男性は、スーツをビシッと着こなした長身のイケメンでした。

理沙:「よ、呼び捨てなんて! まさか二人は昔付き合ってたとか…!?」

麻衣子:「そんなわけないでしょ。それより、今日のランチは田村君も一緒にいいかしら?」

美幸、理沙:「もちろんです!」

四人はランチスペースへと向かいました。女性が大半を占めるこのオフィスでは、男性がいるとやはり少し目立つものです。しかし、田村が目立っている理由は他にもあるようでした。

美幸:「そう言えば…田村さんってどこかで見たことがあるような…」

田村:「最近はテレビや雑誌で解説をさせてもらうこともあるので、それでかもしれません」

理沙:「あ! 私も見たことあるかも」

麻衣子:「田村君もすっかり有名人ね」

美幸:「ところで、さっき会議室から出てきた女性はお客様ですか?」

美幸がそう尋ねると、麻衣子と田村の顔が曇ります。

女性の不倫も増えている?

麻衣子:「あれは、私たちの友達なんだけど…不倫が原因で離婚するかもって相談されて」

理沙:「えー! 何それ。許せないね、その女性の旦那」

麻衣子、田村:「それが…」

美幸:「まさか…お友達(女性)が不倫したほうですか?」

麻衣子、田村:「……」

理沙:「まじで!? 今は女性の不倫も多いって言うけど、本当だったんだ。芸能界だけの話でもないのかもね」

離婚,お金 (写真=Thinkstock/Getty Images)

美幸:「どうして不倫なんてしちゃったんですかね」

麻衣子:「どうやら、共働きなのに旦那さんが家事を全く手伝ってくれない人みたいなの。それで、夫婦関係がうまくいかなくなって、会社の上司に相談しているうちに付き合うことになったみたい」

田村:「旦那さんにも不倫のことは打ち明けていて、今は離婚ってことで話が進んでいるらしく…。弁護士に相談する前に一度話を聞いて欲しいって言われたんです」

理沙:「それで、二人で相談受けてたってわけですね」

麻衣子:「まぁ、弁護士でもない私たちにできることなんて限られているけどね」

離婚の慰謝料はいくら?

いつになく重いテーマに黙り込む4人でしたが、最初に沈黙を破ったのは美幸でした。

美幸:「それじゃあ、お友達のほうが慰謝料を払う側ですよね」

麻衣子:「そうね。旦那さんが慰謝料を請求すれば、の話だけど」

麻衣子が冷静に返します。

理沙:「不倫が原因で離婚する場合の慰謝料ってどのくらいなの?」

田村:「婚姻の期間とか、色んな要因が絡んで決まるから一概には言えないけど、平均で200万~300万円くらいでしょうか」

理沙:「結婚する時の費用とまではいかないけど、下手したら同じくらいのお金がかかるってことか」

経済的な損失は意外と知られていない

美幸:「結婚費用は準備するけど、不倫して離婚するつもりでお金を貯めたりはしないから、けっこうな出費になりますよね」

麻衣子:「そうなのよね。最近は、不倫が流行ってるみたいな風潮になって、女性誌でも不倫を肯定するような記事があったりするけど、実際にそうなった時の経済的な損失までは書いていないから、無責任なものよね」

美幸、理沙:「確かに」

田村:「倫理的な問題は大前提として、金銭的な損失があるんだって事実がもっと広まれば、不倫が流行るなんてことには今より歯止めがかかるかもしれないですね」

理沙:「本当に不倫なんて流行ってるのかな。周りでそんな話聞いたことないけど…」

美幸:「言わないだけかもしれないですね」

理沙:「同世代が不倫で離婚かぁ…。『私たち』なんて、恋愛もしてないのにね!」

女性も経済的に自立している

自分と同様、麻衣子にも彼氏のいないのをいいことに、理沙はいつも自虐ネタには麻衣子を絡めて「私たち」と言うのでした。

麻衣子:「……。それにしても、最近は女性でも経済的に自立している人が多いから、離婚の敷居が低くなっているように感じるわよね」

美幸:「性格の不一致とか、価値観の違いとか、どうしようもないことで別れるなら、前向きな離婚かもしれないですね。離婚自体は悪いことばかりではないとは思います」

麻衣子:「確かに、お互いのためになる離婚もたくさんあるから、世の中がもっと寛容になる必要はあるかもしれないわね」

理沙:「その場合、慰謝料は発生しないってことだよね。金銭的なことが絡むのとそうじゃないのとでは、一口に離婚って言ってもなんだか全然違う問題な気がするなぁ」

田村:「ちなみに夫が妻の不倫を訴えると、妻のほうは夫からのDV被害を持ち出すケースも最近は多いらしいですよ」

理沙:「…それ、どこかで聞いたような話だな…」

麻衣子:「トラブルがほとんどなく普通に離婚する人ですら苦労するらしいから、不倫で離婚っていうのは本当に大変ね」

左手の薬指チェック

ランチタイムが終わり、3人は田村を見送りました。

理沙:「ところで、麻衣子って田村さんのこと好きじゃないの?」

麻衣子:「はぁ?イケメンであることは認めるけど、全然好きじゃないし、そもそも田村君は結婚してるわよ!」

美幸:「左手の薬指に指輪していましたよ。見なかったんですか?」

理沙:「あっ、話に夢中で見てない」

美幸:「私、彼氏いるのに、なぜか初対面の男性の左手薬指はどうしてもチェックしちゃうんですよね…」

麻衣子:「同じく。それにしても、幼なじみと不倫して慰謝料なんて、まっぴらごめんよ!」

一言メモ

離婚は悪いことばかりじゃない。ただし不倫が原因の離婚は、金銭面から見ても、得なことは何一つない。不倫を「流行り」と軽く考えるのはやはり問題ではないか。

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