(写真=Thinkstock/Getty Images)

コンドームのオカモトから見える!山あり谷あり経済の動き

コンドームの「オカモト」から読み解く株式投資のダイナミクス

身の回りでは欠かせないコンドーム。その身近なコンドームメーカーの中で有名なオカモトの株を買える事はご存知でしょうか?

オカモトの2016年3月期の純利益は50億円となり、過去最高となりました。中国人観光客による「爆買い」などがコンドームの売上の伸びにつながったようです。

オカモトの長期の株価の変動を見ると、株式市場でどういう時に人気がでて高値に買われるのか、株式投資のダイナミクスがよくわかります。

オカモト株の調べ方

オカモトの株が人気となるときはコンドームの材料が出たときです。長期チャートを見ながらお話すれば判りやすいので、もし可能なら、株探などのサイトでオカモトの年足のチャートをご覧ください。

※参考サイトの見方 株探⇒オカモトの証券コード5122入力⇒社名の下のタブでチャートを選ぶ⇒期間を年足に変更

コンドーム,オカモト,セックス,面白 2016年4月現在のオカモトの株価チャート(画像=株探より)

過去数十年にわたるオカモトの株の動きを長期で見ると、オカモト株が大相場となったのは、1987年と昨年2015年です。

史上最高値は1987年「エイズ関連」

1987年は、日本人で初めてエイズ患者が確認された年です。それまでは別世界の話だと思っていたHIVが日本で発見されたことで大パニックになりました。この騒動をきっかけに大きく注目されたのがコンドーム。

日本はどちらかというと避妊の用途として使用されることが多かったコンドームが、性感染症の予防手段として有効であることが知られるようになったのです。オカモトの株価はそれまでは上場来長期にわたり500円を超えることなどなかったのですが、「エイズ」関連として人気化し1987年に1876円の史上最高値を付けました。

「草食男子」化で一時、株価下がる

その後、株価は2002年の200円安値まで下げトレンドに入ります。エイズ特需も落ち着きコンドームの国内出荷は1993年をピークに減少に転じます。輸出も含めた総生産数量は、1997年に約858万箱だったのが、2012年には約457万箱まで激減し15年間で生産量は約半減しています。日本の高齢化が進んだこと、また男子が「草食男子」化したことで、日本人のコンドームの使用回数自体が減少したのです。

そしてオカモトの株価は1997年には500円を割り込み長期低迷トレンドに入ります。このトレンドを大きく変えたのが、2015年の中国人旅行客の「爆買い」でした。

爆買いでエイズ時以来の高値更新

日本のコンドーム市場が衰退する中で、中国市場は人口が多い上に長らく一人っ子政策をとっていたため日本をはるかに上回る市場となっています。一人っ子政策で政府が家族計画用に無料で配るものもあるのですが、生活レベルの向上とともにクオリティの高い外国製コンドームの需要が急上昇しはじめました。日本のコンドーム生産も中国など海外需要の伸びで2012年を底に上昇に転じています。

オカモトの株価の爆発のきっかけとなった2015年、それは中国人観光客の「爆買い」です。2015年2月の旧正月の連休期間中に、訪日中国人が日本の超薄型コンドームを求めてドラッグストアに押し寄せたため、販売制限する店が続出しました。その報道で株価は急騰し「エイズ」以来の高値1280円を付けたのです。

中国人もビックリの「超薄型」

もともとオカモトのコンドームは中国国内にて口コミで拡がったとのこと。中国ネット通販大手の京東(ジンドン)の日本館サイトにオカモトの超薄型コンドームに驚嘆した書き込みが相次ぐようになり、インターネット上の「爆買い」お薦めリストのトップに掲載されたこともあることが人気の起爆剤となったのです。

さらにオカモトと業界2位の相模ゴム<5194>のポリウレタン素材のコンドームは中国ではまだ認可されていない素材で、手に入れようと思えば日本製しかないのだとか。とくに中国のEC市場ではオカモト超薄型の0.01がかなりの人気を博しているようです。

プロよりあなたの方が詳しい

これほど身近で知名度の高い生活用品の会社でも買えるのが株の醍醐味です。身の回りのものだけに、ファンドマネージャーなど株のプロよりもあなたの方が詳しいことだってあり得ます。

「投資の神様」と呼ばれる米億万長者の投資家ウォーレン・バフェット氏でさえ、自分で理解できる銘柄しか買わないことを基本にあげています。そういった身の回りの商品で株価の上昇につながるものを探すことが株式投資の第一歩なのです。

東京オリンピックで配られるコンドーム

ちなみに、オカモトの売上を占めるコンドーム事業の比率は約10%にまで低下しており、今はゴムやプラスチックフィルムを使った建材、産業資材がメインの会社になっています。そうは言っても、オカモトはコンドームの国内シェアで50%に達するトップメーカーです。創業は1934年でコンドームとともに長い歴史を歩んでおり、東証1部に上場しています。

今年はリオオリンピックが開催され、2020年には東京オリンピックがやってきます。オリンピック村ではコンドームが配布されるそうです。オリンピックでコンドームが初めて配布されたのは1988年のソウル大会。2012年のロンドン大会では参加者1万500人に対し史上最多15万個が配布され、わずか5日で品薄になり話題を呼びました。

オカモトも長野冬季オリンピックのときに配布しており、東京オリンピックでも当然配布を狙っています。日本の0.01ミリの技術が世界に話題になること必死かもしれません。2020年に向けてオカモト株を購入してみるのも手かもしれませんね。

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